米国には1万円で買える銘柄はたくさんある!
米国株は1株から購入することができます。それは株価の小さい銘柄を選べば、少ない元手で投資をはじめることができることを意味します。
米国株はドル建てで株価が表示されているわけですが、それを円換算し、1万円前後で買える手頃な銘柄の中から注目に値する銘柄を5つ紹介します。
1万円前後で買える注目米国株1:iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF(PFF)
iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF(PFF)は6月21日の終値が39.04ドルですので、為替レート(1ドル=110.47円)を当てはめると、1株約4,312円で取引されている計算になります。
また、配当利回り(SECベース)は4.32%と魅力的です。組み入れ銘柄数は502銘柄なので、十分な分散が取られています。
このETF(上場投資信託)は世界最大の運用会社ブラックロックが運用しています。
同ETFは主に優先株に投資しています。優先株とは株式と債券の性格の両方を兼ね備えた証券を指します。
そこでは議決権は制限されるものの、その代わり、株式の配当より少し有利な配当がもらえるのです。だから「優先」株と言われているのです。
日本の個人投資家の場合、議決権の行使はどうでもいいと考える人が多いようです。そういう私も投資に際して議決権の行使は気にしません。むしろたくさん配当をもらったほうがうれしいです。
優先株は普通、それが新発のときに機関投資家にガッポリと買われ、そのままバイ・アンド・ホールド(買い持ち)されることが多いです。その関係で出来高は少なく、値動きはマイルドです。このような投資対象は個々の銘柄を拾うよりETFのようなファンドで投資したほうがカンタンです。
「マーケットが1動いたとき、ある証券がどのくらい動く?」という値動きの傾向を測る指標にベータ(β)値がありますが、iシェアーズ優先株式&インカム証券ETFのベータ値は0.51に過ぎず、市場の動きの半分程度のブレしかないのです。つまり、値動きは極めてマイルドということなのです。
このため、iシェアーズ優先株式&インカム証券ETFはトレーディング(売り買い)には不向きです。むしろ長期にわたって保有し、高い配当を受け取りつつ、ヒタヒタと徐々に上昇する株価を楽しむべき投資対象といえるでしょう。
1万円前後で買える注目米国株2:iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)
iシェアーズiBoxx米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)も、運用会社ブラックロックが出しているETFです。6月21日の終値は87.60ドルですので、円換算すれば、1株約9,677円から取引されていることになります(1ドル=110.47円で換算)。
投資対象は株式ではなく格付けの低い社債(ジャンクボンド)となっています。
一般に格付けの低い社債は米国財務省証券(=米国債)に比べて安全性は低いですが、その分、利回り面では有利です。配当利回り(SECベース)は3.42%です。
組み入れ社債数は1,298であり、十分な分散が効いています。それが意味するところは投資先企業の1社や2社が仮に倒産したところで、ETFはびくともしないということです。ベータ値は0.39であり、値動きは極めてマイルドです。
低格付社債は、景気後退局面では心配だという投資家が多いです。しかし、いまの米国経済は昨年2020年の新型コロナ禍で経済が低迷した後、力強く復活している途上にあるわけですから、タイミング的にはよいと思います。
1万円前後で買える注目米国株3:ファイザー(PFE)
ファイザー(PFE)は米国最大級の製薬会社です。6月21日の終値は39.42ドルで、円換算すると、1株約4,354円で取引されていることになります(1ドル=110.47円で換算)。
同社は1942年に創業されました。最近では、新型コロナワクチンが最初に承認された会社として、話題を呼びました。
同社の主力薬ポートフォリオを見ると、「プレベナー13」は肺炎球菌結合型ワクチンで2020年の売上高は58.5億ドルでした。同薬は2026年にパテント(特許権)が切れます。
「イブランス(パルボシクリブ)」は乳がんの治療薬で2020年の売上高は53.9億ドルでした。同薬は2027年にパテントが切れます。
「エリキュース」は虚血性脳卒中、全身性塞栓症を抑制する血液凝固阻止剤で、2020年の売上高は49.5億ドルでした。2026年にパテントが切れます。
このようにファイザーは、他社よりパテント切れになる薬が多いです。
その半面、新型コロナワクチンというホームランをかっ飛ばした関係で、今年の売上高は前年比+70%を超えるとみられています。
コンセンサス予想では2021年のEPS(1株当たり利益)は3.81ドルが見込まれており、それで株価を割るとPER(株価収益率)は10.3倍ということになります。また配当利回りは3.96%です。
1万円前後で買える注目米国株4:トッツィー・ロール(TR)
トッツィー・ロール(TR)は「トッツィー・ロール」「ポップス」「ドッツ」「ジュニア・ミンツ」などのキャンディー、バブルガム、チョコレートなどを製造している菓子製造販売会社です。
6月21日の終値は32.94ドルなので、1株約3,639円で取引されている計算になります(1ドル=110.47円で換算)。
同社の手掛ける菓子類は流行を一切追わず、「古き良きアメリカ」を思い出させる、なつかしい味を大切にしています。ハロウィーンの時に仮装した子供が家々を回ってキャンディーをねだる習慣が米国にはありますが、その際、渡されるキャンディーは同社の製品である場合が多いです。
別の言い方をすれば、ハロウィーンの習慣がなくならない限り、トッツィー・ロールのビジネスも安泰だということです。
昨年は新型コロナでハロウィーンができなかった関係で売上高が落ち込みました。しかし、今年はよいワクチンができて、9月からの新学期も、ほとんどの学校が通常通り再開するので、大丈夫だと思います。
同社は四半期決算のカンファレンスコールをやらない企業として知られています。四半期決算の情報開示も悪いです。言い直せば、あたかも非上場企業のようなノリで経営されているということです。
それもそのはず、この会社はエレン・ルービンという89歳の女性CEO(最高経営責任者)によって経営されており、彼女はお父さんから経営権を譲渡され、こんにちでも過半数株式を牛耳っているからです。つまり、彼女の目の黒いうちは敵対的買収を仕掛けることはできないのです。
株価的にはずっと横ばいが続く退屈な銘柄ですが、昨年、ハロウィーンができなかった分、今年のハロウィーンが盛り上がれば、同社のお菓子の売り上げも伸びることが期待されます。
1万円前後で買える注目米国株5:エクソンモービル(XOM)
エクソンモービル(XOM)は米国最大の石油会社です。本社はテキサス州アーヴィングです。同社のルーツは石油王ジョン・ロックフェラーのスタンダード石油会社で、創業は1882年です。6月21日の終値は62.59ドルなので、1株約6,914円で取引されている計算になります(1ドル=110.47円で換算)。
同社のビジネスは垂直統合されており、川上部門では米国、カナダ、オーストラリア、パプアニューギニア、アンゴラ、モザンビークなどで石油や天然ガスを探索・生産しています。
川下部門に目を転じると、米テキサス州ベイタウンならびにボーモント、米ルイジアナ州バトンルージュ、シンガポール、ベルギーのアントワープに製油所を持っています。同社の川下施設の特徴は、いずれも規模が大きく、スケール・メリットを最大限に享受できるようになっている点です。
近年、石油価格の低迷で、同社は業績を落としていたのですが、原油価格の上昇とともに業績は鋭角的に切り返しています。物言う投資家が取締役会に役員を送り込み、グリーン投資の強化、経営のスリム化などの提言を行っており、株価の刺激材料となっています。
配当利回りは5.6%と魅力があります。
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