前日(10月25日)の市場概況
ドル/円:底固いが、114円台は重い
ドル/円は、引き続き堅調地合い。イエレン議長の後任に、政策金利引き上げを提唱するテイラー・スタンフォード大学教授が決まりそうとの思惑で、米長期金利が3月以来の水準へ上昇。ドル/円は、欧州時間に7月11日以来となる114.24円まで上値を伸ばしました。しかし、114円台定着はまたも失敗。ダウ株価が一時200ドル近くまで下げ幅を広げたこともあって、NY時間には113.47円まで押し戻されました。終値は113.733円(前日比-0.199円)。(チャート1)
ユーロ/ドル:ECBが緩和縮小を発表
ユーロ/ドルは、今夜のECB(欧州中央銀行)会合とドラギ総裁の記者会見を控え、1.1750ドルを中心としたレンジを上に抜け、1.1817ドルまで上昇、強含みで推移しました。(チャート2)
ECBは本日の会合で、毎月の資産購入額の縮小を発表します。2015年1月から続けてきた量的緩和政策の終了に向けたプロセスであり、ECBの金融政策にとって大きな転機となります。
ドラギ総裁は、政策金利は据え置くことで、超低金利政策は維持したまま、量的緩和政策の縮小に着手。来年1月以降、毎月の国債などの資産買い入れを月600億ユーロから300億ユーロ(約3.9兆円)に減額する予定です。量的緩和の終了時期は2018年9月の予定ですが、状況により延長される可能性もあります。利上げについては、量的緩和プログラムが完全に終了するまでは行わない方針です。
ECBが緩和縮小を始めることは、すでにマーケットに織り込み済。ただ、減額を200億ユーロにとどめるとの見方もあり、その場合は、短期的なユーロの売り要因になることも考えられます。
ユーロ/円:約2年ぶりの高値
ドル/円とユーロ/ドルがともにしっかりしていることで、ユーロ/円は2015年12月以来の高値となる134.49円まで上昇しています。(チャート3,4)
トルコリラ/円:ドイツとの関係悪化?
トルコリラは急落。背景には、ドイツの銀行と企業がトルコに対する融資を縮小するとの一部報道があります。トルコリラ/円は、一時29.83円の安値をつけました。30円を割ったのは、今月9日、米国との外交問題で下落して以来のこと。米国の利上げは、新興国からのマネーの流出を促すとされ、トルコリラなどの売り要因となります。今回は欧米との政治問題も絡んでいるため、今後の動きには注意が必要です。
この指標を見逃すな!今日(10月26日)の注目イベント
今日ECB会合、明日は日本の消費者物価指数
日本のCPI(全国消費者物価指数)は、総合、コアとも前年同月比+0.7%と堅調。年末にかけて、一時的に低下する可能性もありますが、来年度は1.5%まで上昇すると予想されています。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。