「パーキンソンの法則」をご存じですか? パーキンソンの法則によると「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」とされています。収入が増えても貯蓄がなかなか増えないのは、この法則が働いているからなのです。

 今回は、貯蓄の妨げとなるパーキンソンの法則を攻略する方法として、自分で支出をコントロールするための“お金が貯まるポーチ”活用術を紹介します。

知らなかった!?パーキンソンの法則

 パーキンソンの法則とは、英国の歴史・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則です。以下の2つの法則から成り立っています。

  • 第1法則「仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
  • 第2法則「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」

 例えば、夏休みの宿題を最終日までずるずると先延ばしにしてしまうのは、第1法則が働いているからです。仕事が納期ぎりぎりになってしまうことも同様だと考えられます。収入が増えても貯蓄が増えないのは、第2法則が働いているからです。

 自然に任せると、このパーキンソンの法則が働いてしまうものです。パーキンソンの法則を攻略するためには、時間やお金のコントロールをすることが重要な課題となります。

お金をおろすのは月1回!使う分だけまとめておろそう!

 第2法則に従うと、収入の分だけ支出が増えてしまうことになります。この法則を攻略するためには、通帳から月に何度もお金をおろすのではなく、ひと月に使うお金は月1回だけまとめておろしておくことです。使うたびにおろしてしまうとパーキンソンの法則通り、通帳にあるだけ使ってしまうのが自然の摂理です。

「使うお金はこれだけ!」ということを認識するため、ひと月に使うお金は月1回だけまとめておろしておきましょう。

“お金が貯まるポーチ”の上手な使い方

 おろしたお金の管理方法として、“お金が貯まるポーチ”をご紹介します。実はこれは昔からある家計管理手法の「袋分け」の進化系。バラバラになってしまう袋がスタイリッシュにまとまります。

 デザインはお好みのもので大丈夫です。肝心なのは“項目”の決め方と“予算”の金額です。自分の使い方とあっていない項目で分けてしまうと、混乱してうまくいきません。無理な金額で予算を立てると結局足りなくなってまたお金をおろしてしまいます。自分にあった項目分けと金額設定をすることが肝心です。

 ここではオススメの方法を2つご紹介します。

1.用途ごとに管理する方法

 ごく一般的な方法ですが、用途ごとに金額を決めて袋分けをする方法です。用途は食費、日用品費、外食費、美容費、被服費などが挙げられます。

 ただし、うまく管理するにはちょっとした工夫が必要です。ある用途のお金が足りなくなった場合、他の用途から借りたりして、結局、訳が分からなくなるということがよくあります。

「節約するぞ!」と意気込み過ぎて無理な金額設定にしないことが大切です。また、毎月あるわけではない大型出費や冠婚葬祭などの特別出費用の袋を準備しておくことも、うまく管理するための工夫の一つです。

 既存の費目にこだわる必要はありません。食費と日用品費を同じお店で購入する場合は食費・日用品費で一つの袋にする、コンビニ費をつくる、など自分にあった項目をつくりましょう。市販のポーチはクリアケースの数が少ないようです。必要な数だけクリアケースを買い足しておきましょう。

2.期間で管理する方法

「細かい費目の管理なんてできない!」という人は、用途にかかわらず、1週間に使えるお金を決める方法がオススメです。

 食費や日用品などの用途にかかわらず、1週間の予算を〇〇円と決めて、1週間ごとにクリアケースにお金を入れます。このように期間で管理する場合には1カ月を4週間とするのではなく、5週間としておくことが管理をうまく行うコツです。

 5週に分けることで、1週目または5週目に余裕が生まれます。余ったら他の週に回すことができ、予算通りにいかない場合のストレスを軽減することができるはずです。

ストレスフリーでお金を管理しよう!

 パーキンソンの法則を攻略するお金が貯まるポーチの活用術をご紹介しました。ポーチの活用は1カ月間予算を持たせるための手段です。最終的に、おろしたお金はパーキンソンの法則通りストレスなく全部使ってしまってOKです!

 お金をおろすのは月1回ということを守れば、自然と貯蓄額が増えていくはずです。管理することにストレスを感じてしまっては本末転倒なので、ポーチを上手に活用してお金は気持ちよく使ってくださいね!