短長期の成長見通しを楽観、プレミアムビールが好調

現地コード 銘柄名
00291

華潤ビール控股

(チャイナ・リソーシズ・ビア)

株価 情報種類

68.80HKD
(5/31現在)

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 中国のビール最大手である華潤ビールは、BOCI主催の「コンシューマー・コーポレート・デー」に参加し、自社情報をアップデートした。BOCIは力強い販売能力に加え、ブランドの浸透やプレミアムビールの認知度向上に向けたマーケティング費用の積み増しを理由に、2021年上期だけでなく、長期の成長見通しを楽観。2020-2023年のコアEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)伸び率を年率平均20%増と予測した上で、目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続した。引き続き、同社を消費セクターのトップピック銘柄に据えている。

 国家統計局によると、中国国内の4月のビール生産量は前年同月比1.7%増の314万キロリットル。前年同月実績の相対的な高さにもかかわらず、プラス成長を確保した(2019年同月比では9.3%増)。これはケータリング業界全体を上回る回復ペース。BOCIは需要の持ち直しと宅飲み志向の高まりを示す数字と受け止めている。経営陣によれば、サブプレミアムおよびプレミアムビールの売れ行きは2021年通期目標(販売量ベースで前年比20-30%増)の達成に向け、年初から順調に推移し、中でも「スノー(雪花)スーパーX」と「ハイネケン・クラシック」は目標を超えるペースで増加しているという。

 BOCIによると、同社は同業銘柄に比べコスト圧力が相対的に小さい。売上原価の点で「コモディティインフレ」に備えており、2021年使用分の大麦を確保済み。また、2020年に全国規模で実施されたボトルリサイクル政策で、新たなボトル需要は縮小傾向にある。一方、2021年にはサッカーの欧州選手権や東京五輪といった大型スポーツイベントが予定されており、経営陣は販売・マーケティング費の増大を見込む。BOCIは「スノー(雪花)」ブランドの大規模な販路やプレミアムビール「ハイネケン」の存在感、スポーツ関連のブランドポジショニング(ハイネケンは欧州選手権のスポンサー)といった優位点を指摘。販売費の投下効果が同業銘柄を上回るとみる。2021年、2022年のコアEBITDAマージンについては20.6%、23.3%を予想。2020年の18.1%を上回る見通しを示した。

 同社は山東省イ坊市の著名パイチュウ(白酒)メーカー景芝酒業(Jingzhi Liquor)と提携。ネット通販やその他の販路での同ブランドの販売支援に乗り出した。同社はまた、ビール以外のアルコール飲料カテゴリーの研究開発に対しても前向き。BOCIは2025年以降、経営陣の見込み通り、同社の粗利益率がバドワイザーAPAC(01876)に追いつく可能性に触れ、この段階でリカービジネスをはじめとする新規事業への取り組みが、長期の売り上げ成長を支える可能性を指摘している。

 BOCIは2021-2023年の売上高とコアEBITDA見通しを微調整し、目標株価の算出基準を2021年予想から2022年予想ベースにシフト。これに伴い目標株価を引き上げた。新たな目標値は2022年予想EV/EBITDA倍率24.0倍の水準となる。