前日(10月24日)の市場概況

ドル/円:減税プラン反対とFRB議長決定の噂で、売り買い交錯

 ドル/円は、113円台後半で堅調。この日の安値は東京時間につけた113.25円で、そこから徐々に値を上げ、NY時間には一時114.01円まで上昇しました。米長期金利が5月以来の水準まで強含んだことや、米企業の好決算を受けてダウ平均株価が大幅上昇したことが、ドルを持ち上げました。

 また、NY市場の終盤には、トランプ大統領の税制プランに共和党上議員の3名が反対しているとの報道と、次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長がタカ派のテイラー氏に決定とのニュースがほぼ同時に伝わり、113円台後半で上下する場面もありました。ドル/円の終値は113.932円(前日比+0.504円)。(チャート1)

 

 

ポンド/ドル:今日、英GBPの発表

 ブレグジット交渉が相変わらず難航していることを嫌気して、またも1.3230ドル手前で止められると、NY時間に1.3113ドルまで売られました。(チャート2)

 本日は、英国の7~9月期GDP(国内総生産)の発表があります。予想は、前期比+0.3%、前年同期比+1.5%と堅調。ただし、英国の経済成長は今後次第に鈍化して、来年は+0.7%まで縮小するのとの悲観論も一部に出ています。

 このような状況で、BOE(英国中央銀行)が11月に利上げを実施することに対しては、消費活動を後退させるおそれもあり、内部からも反対意見が出ています。カンリフBOE副総裁は、「経済は明らかに鈍化している」と述べ、利上げには消極的。

 

 

ドル/カナダ:潮目が変わった

 ドル/カナダは、先週の1.2450ドルからこの日1.2692ドルまで、約240ポイントもドル高/加ドル安が進みました。カナダ売りの動きが強まっています。

 BOC(カナダ中央銀行)は、本日の会合で政策金利を1.00%に据え置く予想。BOCは今年7月と9月にそれぞれ0.25ポイント利上げしていますが、ポロズBOC銀行総裁は、今後の利上げに関しては、「経済データ次第」だと述べています。残念ながら、その経済データは、先週のカナダ消費者物価指数が予想より低く、小売売上高はマイナスに落ち込みました。

 カナダドルの水準は、利上げ期待を織り込み過ぎているとの考えで、カナダドル売り方向の調整が活発化しています。

 

 

NZドル/ドル:新政権の不透明感が嫌われる

 NZドル/ドルは下落が加速。東京時間に0.7002まで上昇したものの、この水準の重さを確認すると下げに転じ、ついに0.6900ドルを割ると5月19日以来の安値0.6884ドルをつけました。

 NZドルが売られている大きな理由は、労働党主導の新政権の政策が不透明なこと。RBNZ(ニュージーランド準備銀行)に対して、雇用の最大化を新たなマンデート(法的使命)として要求するとの噂もあります。

 

 

この指標を見逃すな!今日(10月25日)の注目イベント

英GDP、カナダ政策金利、米耐久財受注

 

 米9月耐久消費財受注は、米国の第3四半期GDPを予想するうえで重要なデータです。9月は、ハリケーンの影響で低下の予想。先週の鉱工業生産が弱かっただけに、注目が集まります。