主要3銘柄の2017年7-9月期決算、石炭価格上昇で大幅増益見通し

 BOCIがカバーする香港上場の本土系石炭銘柄3社は、10月28日以降、相次いで2017年7-9月期間決算を発表する予定。BOCIは各社決算を以下のように予想している。

 まず中国中煤能源(01898)はすでに、2017年1-9月期決算(中国会計基準)について前年同期比150-190%の大幅増益見通しを発表済み。BOCIはうち7-9月期純利益が前年同期比159%増、前期比37%増の7億1,700万元に上ると予想。国際会計基準では、前期比25%増の10億900万元に達するとみている。

 中国中煤能源の場合、減損損失6億6,400万元を計上した影響で、もともと4-6月期の利益実績が低く、BOCIはこの要因を考慮すれば7-9月期の業績回復ペースはやや期待外れと受け止めている。7-9月の石炭販売量は前期比ほぼ横ばいで、うち自社生産分の販売量は前年同期比0.4%減少する見込み。さらに平均契約価格の低下を受け、販売価格も前期比で4%ほど下向くとみられるが、BOCIはこれだけでは7-9月期の業績回復ペースが鈍い理由としては十分ではないとの見解。同期に再び、減損損失を計上する可能性を指摘している。また、経営陣の見通しを考慮すれば、2017年1-9月期の純利益は22億3,400万元-25億9,200万元になる見通しだが、これはBOCIの2017年通期予想の59-68%にとどまるという。

 一方、中国神華能源(01088)の7-9月期純利益について、BOCIは中国会計基準で前年同期比67%増、前期比3%増の125億元に上ると予想。国際会計基準では同72%増、同1%増の135億元を見込む。送電量の20%増を受け、発電事業が最大の利益成長エンジンとなる半面、石炭事業は平均契約価格の低下が響いて業績の足を引っ張る見通しという。実際、7-9月期には、月間、年間ベースの石炭契約価格がそれぞれ前期比6%、2%低下した。ただ、同社は8月から炭鉱2カ所で減産を余儀なくされる中、全体の石炭販売量を維持。7-9月には前期比0.6%増が見込まれている。1-9月期の純利益について、BOCIは中国会計基準で前年同期比113%増の368億元、国際会計基準で同113%増の398億元を予想している。

 このほか、エン州煤業(01171)の7-9月期の純利益は中国会計基準で前年同期比399%増、前期比47%増の21億2,500万元に上る見込み。1-9月では前年同期比422%増の53億1,400万元に上る見通しという。石炭価格の上昇が最大の増益要因。例えば、山東省棗荘産の非微粘炭(SSCC)価格は7-9月に前期比8%高。1-9月では前年同期比で70%の大幅高だった。BOCIは同社の石炭平均販売価格(自社生産分)が7-9月に前期比10%上昇し、販売量は同3%上向いたと予想。エン州煤業はまた、買収した豪コール・アンド・アライド(C&A)が1カ月限定ながらも7-9月期決算に貢献する運びであり、BOCIはこの分の利益寄与が9,600万元に上るとの見通しを示している。