※モトリーフール米国本社、2021年4月4日投稿記事より

 投資家が銘柄選択をする際には、各人の投資戦略やポートフォリオの目標と合致するものを選ぶ必要がありますが、彼らが配当銘柄を特に好むのにはもっともな理由があります。

 優良配当銘柄は、副収入源を得られると同時に、今後の投資のための現金が積み増しできるのです。

 今後数十年間の配当収入増とポートフォリオ成長のために、信頼できる優良配当銘柄を3つ紹介します。

ジョンソン・エンド・ジョンソン:幅広い製品とCOVID-19ワクチン供給

 ヘルスケア製品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は目新しい銘柄ではありません。

 同社は株主に付加価値を与えつつ成長し続け、なおかつ不況にも強い安定銘柄です。

 配当利回りは2.5%です(執筆時点)。

 同社配当の最大の魅力は、利回りではありません。

 同社はほぼ60年間、一貫して増配を続けており、増配を50年以上続ける銘柄に与えられる配当王の称号を得ています。

 2020年に配当王とされた企業は、30社足らずです。

 同社のパンデミック前の業績は堅調で、2018年の売上成長率は6%、2019年は3%でした。

 パンデミックで医療処置が大幅に減ったことで、医療用機器セグメントの売上にマイナスの影響が出ましたが、処方薬および消費者向けセグメントの貢献により、2020年度通期の売上はプラスとなりました。

 成長を後押ししたのは、タイレノール、リステリンといった数多くの安定した製品やブランドでした。

 2021年2月、米食品医薬品局(FDA)が1回接種で済む同社製の新型コロナウイルスワクチンに緊急使用許可を出しました。

 しかし、パンデミックの間は利益度外視で供給することに同意しており、ワクチン供給が同社の業績にすぐに反映されることはない模様です。

 第3相臨床試験のデータでは、85%の被験者に対して、重症化に対する予防効果が確認され、さらに100%の被験者に対して、ワクチン接種後28日以降にCOVID-19感染症による入院及び死亡に対する予防効果が示されました。

 同社には増配や配当維持の実績があり、強固な財務基盤と多様な製品ポートフォリオを有することで、これまで幾度もの不景気を乗り越えてきました。

 2020年の危機も同様に乗り越えつつあることから、長期的な視点に立つ投資家であれば、同銘柄に注目すべきでしょう。

3M:一貫した増配へのコミットメント

 化学・電気素材メーカー大手3M(NYSE:MMM)も、62年間増配を続ける配当王です。

 同社の配当利回りは3%です(本稿執筆時点)。

 2020年の売上成長は0.1%でしたが、調整後フリーキャッシュフローは18%増を記録しました。

 2020年度第4四半期の業績はポスト・パンデミックの回復に向け大きな進歩を見せるものとなり、今後のモメンタムを示すものでした。

 第4四半期の売上は約6%増でした。

 さらに調整後フリーキャッシュフローは16%増、一株利益(EPS)も2桁増を遂げました。

 各ビジネスグループもプラス成長を遂げています。

 たとえば、コンシューマー・セグメントの売上は11%増、セーフティ&インダストリアルは13%増、ヘルスケアは5%増となっています。

 経営陣は、2021年度の成長率を1桁台半ばと予想しています。

 同社の近年の業績はまちまちでしたが、その間も増配を続けています。

 さらに、各ビジネスグループが成長していること、パンデミックの間も売上およびキャッシュフローが成長を遂げていたことを考えれば、長期視点で考えてポートフォリオに加えることを検討しても良い銘柄でしょう。

ロウズ:エッセンシャル・ビジネスとしての強み

 ホームセンターチェーンのロウズ(NYSE:LOW)も配当王です。

 配当利回りは約1.3%です(本稿執筆時点)。

 同社の配当利回りは紹介した他の2銘柄と比べて高くはありませんが、58年連続で増配しており、配当投資家なら注目すべきでしょう。

 パンデミックの最中には実店舗型小売業の多くは苦戦しましたが、生活に不可欠な事業(エッセンシャル・ビジネス)を手がけるロウズは大きな成長を遂げました。

 2020年度第4四半期の既存店売上は28%増、Lowes.comの売上は120%増となりました。通期売上は前年比24%増の約900億ドルとなりました。

 同社は第4四半期だけで4億5,200万ドルの配当を支払い、2020年度通期では約20億ドルを支払っています。

 同社には、配当の原資となる現金が潤沢にあります。

 2020年末の現金および現金同等物は約50億ドル、リボルビング・クレジット・ファシリティによる借り入れ可能の30億ドルは手つかずとなっています。

 ロウズが提供する製品やサービスには年間を通じて需要があり、景気に左右されません。

 昨年は、どちらかと言えば同社製品やサービスに対する需要は増加していました。

 同社は安定した配当を実施し、財務状況も良好な優良銘柄と言えます。

 リスク回避型の投資家であれば、注目すべき銘柄です。

転載元:モトリーフール

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