今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは109.40

下値メドは108.45

家賃の高い都心部からの引っ越しがブーム。米国ではコロナの1年間で50万人

 14日(水曜日)ドル/円は円高、ただ109円ちょうどを挟んだ動きで値幅は限定的。この日は109.05円からスタートしてから下落。東京時間午前に今月の安値となる108.74円をつけました。海外時間になって109.09円まで反発してこの日の高値。終値は108.93円。終値の108円台は3月24日以来3週間ぶりの円高水準。

 一方ユーロ/ドルは上昇。1.19ドル台半ばからスタートしてNY時間に1.19870ドルまで上昇して、3月18日以来ほぼ1カ月ぶりの高値をつけました。

 ユーロ高(ドル安)の動きは、米経済が弱くなったからではない。米経済が強いことが十分にドルに織り込まれてしまったことが理由です。ワクチン、バイデン景気刺激策、インフレ期待と長期金利上昇といった「ドル高材料」をほぼ消化してしまって、ドルはいったん「上限に達した」という見方が強まる一方で、出遅れていたユーロに値頃感が出ました。

 欧州ではフランスのパリで3度目のロックダウンに続き、ドイツも外出制限の延長などコロナで経済再開が遅れるなかで、ワクチン展開の遅れが問題となっていました。しかしここにきて、人口比接種率で米国の1カ月遅れまで追いつくなど、最悪は脱したというムードが強まっています。ドルの買われすぎとユーロの売られすぎが合体して、ユーロ/ドル上昇につながりました。

 今夜、トルコ中銀が政策金利を発表します。このイベントが注目される理由は? 次ページ以降をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

何かを証明しようとしたことはない。いつも良いショウをしたいと思っていただけ。– ルイ・アームストロング 

トルコリラの「揺れる想い」

 トルコ中銀は先月3月18日の政策会合で、政策金利を17%から19%へ引き上げました。事前予想(18%)のさらに上をいくタカ派的利上げでしたが、市場は高評価で、トルコリラ/円は14円台前半から15円台まで上昇しました。

 ところが3月22日。トルコリラは東京市場がオープンすると同時に急落。トルコリラは対円で12.47円まで急落。その前の週末にエルドアン大統領がアーバル・トルコ中銀総裁を更迭したことが引き金となりました。

 エルドアン・トルコ大統領は(国民の受けが悪く支持率低下につながりかねない)利上げにかなりご不満だったようで、中銀総裁の首をすげ替えた。中銀総裁の更迭は過去2年弱で3度目。投資家がトルコ市場から逃げ出し、リラ安が底なし沼になるリスクは高まっています。市場関係者はトルコリラが史上最安値を更新するのは時間の問題、とみています。

 政治以外にもトルコリラ安の理由があります。まず米債券利回りが1年ぶりの水準まで上昇していることで、高金利リラの魅力が相対的に薄れていること。そして商品価格の上昇が、原油輸入国であるトルコ経済にダメージを与えていること。トルコリラ換算の原油価格は過去最高値を更新しました。

 FRBが米長期金利の上昇を押し戻そうとはせず「自動運転」に任せていること、また需要見通しの改善で原油価格の上昇基調が続きそうなことで、リラ下落に拍車をかけそうです。

 さらに、トルコにとって貴重な外貨獲得手段である観光産業が、コロナ(変異株)の感染拡大で立ち直りが遅れていることも懸念となっています。

今日の注目通貨:トルコ中銀政策金利発表

 トルコ中銀は今回、政策金利を19%に「据え置き」の予想。ただ50ポイント「利下げ」の可能性も否定できません。トルコの3月CPI(消費者物価指数)は、前年比+16.19%に上昇。物価上昇のなかで利下げするなら、トルコリラの史上最安値更新は避けられないでしょう。

 3月22日に12.47円まで急落したトルコリラ/円はその後、13.40円前後で落ち着いているように見えますが、背後ではトルコの銀行がドル売り介入で必死にリラを支えています。この状態をいつまでも続けることは不可能です。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 トルコリラ/円データ