今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.30

下値メドは109.30

中央銀行はインフレをなめている? インフレ上昇の強さを過小評価

 7日(水曜)のドル/円は、109円台で横ばい。この日109.72円からスタートして、東京時間午前に109.57円まで下げて安値。その後、欧州時間朝に109.94円まで反発して高値。終値は109.83円。安値は3営業日連続で切り下がり、高値は6営業日続いた110円台の記録が途切れました。

 ワクチン接種やバイデン景気刺激策といった材料をほぼ織り込んだことで、ドルはいったん

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

「上限に達した」という見方がマーケットに広がり始めています。とはいっても、「ドルを売りたい」わけではなく、「積極的に買いたくない」だけです。この日のドル/円の動きがそれをよく表しています。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

好きなものを見つけろ、そして死ぬほどのめり込め - チャールズ・ブコウスキー

Rule The World


「米経済は回復基調にある」、しかし「緩和政策は継続する(利上げはしない)」。要約すると、これが現在のFOMC(米連邦市場委員会)の見解です。

 経済は回復に向かっているものの、「目標とする水準が達成されるまでには時間がかかる」として、「経済支援のために緩和政策を継続する」。つまり、今はまだ緩和縮小を考えていないということです。

 完全雇用とインフレ2%の達成がFRBの重要な課題。パウエル議長はFRB(米連邦準備制度理事会)の政策は「予測に基づく」のではなく、「実際の進展を見る必要がある」と述べています。

 バイデン政権の大型景気刺激策によってインフレ上昇が予想されるとしても、実際の証拠を確かめるまではFRBは動かない。先回りして緩和縮小を始めるなど、もっての外である。このFRBの姿勢に対してインフレ上昇を過小評価している、決定的に出遅れるなどといった批判もきかれます。

 なぜ、これほどまでに慎重なのか?FRBが自ら認めることはないでしょうが、FRBはインフレ政策に関して失敗を積み重ねてきました。過去10年間インフレ目標を達成できなかったという黒歴史があるのです。

 FRBが探しているのは一時的な現象ではなく、いわゆる「インフレ・ダイナミクスの真の改善」。今年の夏は物価が急上昇するかもしれない。しかし長期間低迷を続けたあとのインフレは「お化粧」をしていることが多いからすぐに飛びつくとひどい失敗をする。FRBは今回こそは失敗できない。インフレを醸成する能力があることを証明してみせる必要があるのです。パウエル議長が慎重になっている理由です。

今日の注目通貨

 楽天証券の相場アンケート調査によると、個人投資家の30%が、4月のユーロ/円は「ユーロ高/円安」に動くと予想しています(先月は26%)。

「ユーロ高/円安」予想が全体の30%を占めたのは、昨年2月以来のことで、コロナ感染流行前の時。ユーロ/円は一足早く「アフターコロナ」になりました。

「ユーロ安/円高」に動くは、最も少ない21%。最も多かった回答は「動かない(わからない)」の 49%でした。

ユーロ/円:4月の予想レンジ ↑132.11円 ↓127.15円

 ユーロ/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は129.63円。129.63円より上ならばユーロ買い優勢、129.63円より下ならばユーロ売り優勢。

137.50円 : 2018年  高値

133.06円 : 第4 レジスタンス(HBO)

132.11円 : 第3 レジスタンス

131.17円 : 第2 レジスタンス

130.87円 : 第1 レジスタンス
130.67円 : 2021年  高値

129.63円 : ピボット

128.39円 : 第1 サポート
128.18円 : 2021年03月 安値 LAST
128.10円 : 第2 サポート 

127.49円 : 2021年01月 高値
127.15円 : 第3 サポート

126.20円 : 第4サポート (LBO)
126.10円 : 2021年02月 安値

125.09円 : 2021年01月 安値 

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作