初めて米国株を購入する場合、どのような銘柄を選ぶべきでしょうか。予算別に個別銘柄をご紹介します。
1.予算1,000円
米国株で1株9ドル(日本円で約1,000円)の銘柄は初心者向けではないものが多いです。新興企業や、業績低迷企業など将来の利益拡大に不透明感がある企業、あるセクターに投資対象を絞ったETF(上場投資信託)などが低い株価水準で取引されています。
数千円~1万円まで貯蓄し、事業の実績が確認できる銘柄で投資を始めたほうが、リスクを抑制できるでしょう。
食品や小売りの一角は比較的手が届きやすい価格帯で、配当利回りが高いものもあります。例えば、コカ・コーラ(KO)は株価54ドル(約5,900円)(6月23日時点)。配当利回りが3%前後あり、長期的に配当を確保したい方に適した銘柄です。
<コカ・コーラ(KO)の株価推移>
2.予算1万円
予算が限られている場合、1つの銘柄を一本釣りするよりも、幅広く分散したETFを長期保有するほうが着実なリターンを狙えるでしょう。
代表的なETFはバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)です。このETFは、米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場を投資対象としており、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動した投資成果を目指しています。1株103ドル前後で(6月24日時点)、世界に投資することができます。
<バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)の株価推移>
株価134ドル前後(約1万4,900円)(6月23日時点)。予算を少しオーバーしますが、1万円台で買える大型グロース株の代表的な銘柄です。時価総額は約2.2兆ドル(244兆円)。
足元では半導体不足による同社製品への影響などが懸念される状況ですが、長期でみればアップルミュージックやウエアラブル端末などの新製品、サービス事業を中心に拡大余地がある企業です。
<アップル(AAPL)の株価推移>
3.予算3万円
・バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
株価221ドル(約2万4,500円)(6月23日時点)。米国株式市場の大型株、中型株および小型株へ集中投資するETFです。投資対象が米国に限られますが、経費率がVTよりも低い0.03%という点が魅力的です。
また、S&P500指数に連動するように設計されたバンガード・S&P500ETF(VOO)も、経費率がVTIと同様に低いです。
<バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の株価推移>
<バンガード・S&P500ETF(VOO)の株価推移>
株価265ドル(約2万9,000円)(6月23日時点)。OSの「Windows」、オフィスツールの「Microsoft Office」で世界1位。パブリッククラウド「Azure(アジュール)」が高成長中。企業のIT投資需要を取り込み、中長期の業績拡大が期待できます。
<マイクロソフト(MSFT)の株価推移>
株価175ドル(約1万9,400円)(6月23日時点)。世界中の多くが知っている「ディズニー」ブランドを築きあげた点が強みです。今期はまだコロナ禍の影響を受けていますが、来期から業績が本格回復する見通しです。
近年は、ディズニーブランドを生かしたコンテンツ配信に注力し、動画配信サービス「ディズニープラス」の規模拡大を図っています。
<ウォルト・ディズニー(DIS)の株価推移>
株価235ドル(約2万6,000円)(6月23日時点)。クレジットカード決済のネットワークを運営・管理しています。キャッシュレス決済の世界的な広がりが想定されるなか、長期的な業績拡大に期待が持てる銘柄です。
同様の観点から、オンライン決済のペイパルHD(PYPL)も成長銘柄と言えるでしょう。
<ビザ(V)の株価推移>
<ペイパルHD(PYPL)の株価推移>
4.予算10万円
株価348ドル(約3万8,600円)(6月23日時点)。ナスダック100指数との連動を目指すETF。経費率は0.20%ですが、組入上位銘柄がアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アルファベットなどの大型グロース株で構成されています。
アマゾンは個別で購入すると株価が3,500ドル、アルファベットは2,440ドルほどの金額になりますが、QQQであれば3~4万円台で購入できます。
<インベスコQQQ 信託シリーズ1(QQQ)の株価推移>
株価340ドル(約3万8,000円)(6月23日時点)。「フェイスブック」「インスタグラム」などのSNSを展開し、そこに広告を掲載することで収益を得ています。業績は当面2桁成長が続く見通しです。
<フェイスブック(FB)の株価推移>
株価905ドル(約10万円)(6月23日時点)。アーム型の手術用ロボット「da Vinci(ダ ヴィンチ)」の製造企業。数本の腕で、さまざまなタイプのメスを駆使することができます。メスは取り換えや洗浄が必要で、この定期的な交換が収益のポイントになっています。
ロボット販売台数はインストールベースで6,142台(3月末時点)。手術用ロボットは世界的に期待できる分野ですが、同社は長期的な成長戦略として、人口が多い中国における販売強化と次世代機の投入に力を入れています。
<インテュイティブ・サージカル(ISRG)の株価推移>
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