上期赤字も2020年通期に黒字確保、2021年以降の一段の収益回復に期待

現地コード 銘柄名
00520

呷哺呷哺餐飲管理(中国)控股

(シャブシャブ・ケータリング)

株価 情報種類

15.74HKD
(4/1現在)

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 中国の鍋料理店チェーン、呷哺呷哺餐飲の20年12月本決算は売上高が前年比9.5%減の54億5,500万元。純利益は200万元と6月中間期の2億6,700万元の赤字から持ち直し、黒字を確保した。BOCIは20年の逆風を乗り越え、レストラン経営と店舗網拡張計画はすでに正常化したとの見方。主力の「呷哺呷哺」チェーンの自律成長と高級火鍋チェーン「湊湊」(Coucou)による業績けん引を見込むなど先行きを楽観し、理由として投資資金の回収期間の短期化や店舗当たり収益の力強い伸び、開業後の店舗利益率の安定などを挙げた。目標株価を大きく引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続した。

 2020年下期を見ると、売上高は前年同期比6.5%増、純利益は107%増。BOCIの推計では、「呷哺呷哺」「湊湊」の客席回転数は各2.7回、3.0回まで改善した(上期は1.8回、1.9回)。一方、「呷哺呷哺」の客単価は2020年通期に前年比11.7%増の62.3元。テイクアウトの好調や継続的なメニューのアップグレードが奏功した。半面、「湊湊」はコロナ禍で販促を強化した影響で、前年を3.8%下回る126.6元。「呷哺呷哺」「湊湊」の店舗数は2020年末に1,061店、140店で、2020年の純増数は39店、38店だった。

「呷哺呷哺」チェーンでは、一部地域で高額メニューやアフタヌーンティー、夜食を提供する新たなビジネスモデルを導入。BOCIはこうした取り組みが、先進的なライフスタイルの消費者やサービス重視の消費者など、より幅広い顧客層にアピールするとみる。また、「湊湊」チェーンは高採算性(投資元本の回収期間は最大13カ月、店舗利益率は20%)を維持しており、今後は中小都市への本格参入でブランド力がさらに高まる見込み。経営陣は「湊湊」の店舗数を最大2,000店舗に引き上げるという長期目標を掲げる。

 中国では2021年1-2月に、新型コロナの感染が散発的に広がったが、BOCIのリサーチによれば、「湊湊」の旧正月期間中の売上高はコロナ前の2019年同期を上回った。「呷哺呷哺」のほうはコロナ感染が拡大した河北省で苦戦したものの、ほぼ2019年同期並みだったという。中国ではこの先、ワクチンの大規模接種が進むとみられ、外食業況は確実に回復に向かう見通し。BOCIは2021年の「呷哺呷哺」の客席回転数について2019年並みを予想し、「湊湊」については上回るとみる。一方、2021年、2022年、2023年の店舗純増数は、「呷哺呷哺」が93店、65店、60店、「湊湊」が70店、70店、80店と推移すると予想。2021年、2022年の予想売上高を1%、2%、予想純利益を3%、6%増額修正した。

 BOCIは目標株価の算出ベースを2022年予想に切り替えるともに、2022年予想PER(株価収益率)28.0倍と、従来より高いバリュエーションをあてはめ、目標株価を大きく引き上げた。2022年の予想PEGレシオが業界平均並みの1.4倍に上ることや、業界最大手の海底撈国際(06862)の目標バリュエーションを40%下回る水準にあることなどから、この水準は妥当との見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。