投資信託のパフォーマンスと個人投資家の投票で最優秀ファンドを決める「楽天証券ファンドアワード」。データに基づく運用成績の評価と個人投資家の投票を組み合わせた、中立性と実用性の高いアワードです。

 開催は今年で6回目。この度、最優秀ファンドが決定しました!実際に投資をしている方の一票はあなたの投資信託選びの参考になるはずです。

 まずは、ファンドアワードのしくみについて、簡単におさらいしましょう。

恣意性を排除した定量評価と個人投票で「最優秀ファンド」を決定

「楽天証券ファンドアワード」の選考にあたっては、投資信託の販売会社としての中立性や客観性を保った上で、まずは「楽天証券ファンドスコア」に基づく定量評価(アナリスト等の私見は一切反映されない、数値を基にした評価)を行い、各部門から最大3本の優秀ファンドをノミネートします。この優秀ファンドの中から、個人投資家(楽天証券の口座をお持ちのお客様)の皆さまに、各部門で一番「投資してみたい」と思うファンドに投票いただき、最終的に最優秀ファンドが決定します。

 なお、今年からは新たに株式部門においてインデックスカテゴリーを設け、アクティブファンドとインデックスファンドで別の評価を行いました。アクティブファンドについては、インデックスを上回る「超過収益」を獲得できた銘柄のみが「優秀ファンド」として選出されています。また、インデックスファンドについては、信託報酬率とトータルリターン(分配金再投資後騰落率)を評価の対象とし、同一のベンチマーク(配当込み、無しは考慮せず)の最上位1本に優秀ファンド賞を授与いたしました。

厳しい基準をクリアした、真の「優秀ファンド」

 今回、アクティブカテゴリーの優秀ファンドとしてノミネートされた23銘柄はいずれも、インデックスを上回り、かつ、各部門の定量評価指数ファンドスコアが高かったファンドです。ファンドスコアが高いということはつまり、運用成績が上下に大きく振れることなく、安定的にリターンを獲得することができた銘柄であることを意味します。

 単純なリターンが高くても、負ったリスクも相応に大きければ、高スコアは期待できません。また、相場が急反発するなどして一時的に運用成績が向上したところで、必ずしもスコアが改善するとは限りません。この「辛口」の評価こそが、楽天証券オリジナルのファンドスコアとファンドアワードの特徴です。

高パフォーマンスのファンドが投票数集める

 全体の傾向として、アクティブカテゴリーは、リターンが高いファンドに投票数が集まりました。「投資してみたい」、「自分の知らないファンドを知ることができた」といったコメントを多くいただいた一方、「自分の保有しているファンドが選択肢になく残念」といったご意見もありました。また、インデックスカテゴリーでは、投票の理由として「既に保有している」というコメントが目立ちました。

 パフォーマンス重視の完全定量評価ゆえ、馴染みのないファンドも多かったかと思いますが、アワードの結果が皆さまにとって新しい発見になれば幸いです。

先進国株式部門

アクティブファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 グローバル新世代関連株式ファンド アセットマネジメントOne
優秀 グローバル・ベスト・ファンド 三井住友DSアセットマネジメント
優秀 大和住銀DC海外株式アクティブファンド 三井住友DSアセットマネジメント

インデックスファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 三菱UFJ国際投信

 先進国株式市場は、好調に推移した米国株式が市場全体をけん引し、3年間を通して概ね右肩上がりの上昇となりました。この結果、「先進国株式(広域)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンの上昇率は、過去3年間で20.59%、直近1年間で9.94%となりました。今回優秀ファンドとして選出された3本はいずれも分類平均を3倍以上上回る好成績を収めており、アワードの全10部門の中でも特にアクティブの運用力が際立った形となりました。

 投票の結果、アクティブカテゴリーは、グローバル新世代関連株式ファンド が、インデックスカテゴリーは、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス が最優秀賞に選出されました。
 

米国株式部門

アクティブファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 三菱UFJ NASDAQオープン Bコース 三菱UFJ国際投信
優秀 netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし) ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント
優秀 アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) アライアンス・バーンスタイン

インデックスファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 楽天・全米株式インデックス・ファンド 楽天投信投資顧問
優秀 iFree S&P500インデックス 大和アセットマネジメント

 米国株式市場は、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大懸念により一時的に調整する局面もありましたが、良好な企業業績を背景に3年間を通して力強い上昇を見せました。この結果、「米国株式-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンの上昇率は、過去3年間で25.50%、直近1年間で10.70%となりました。米国株式はインデックス人気の高いカテゴリーですが、今回優秀ファンドとして選出された3本は、恒常的に分類平均を上回る好成績を収めており、先進国株式と同様、アクティブの運用力が際立ちました。

 投票の結果、アクティブカテゴリーは、三菱UFJ NASDAQオープン Bコース が、インデックスカテゴリーは、楽天・全米株式インデックス・ファンド が最優秀賞に選出されました。
 

国内株式部門

アクティブファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 ファンド「メガ・テック」 アセットマネジメントOne
優秀 フィデリティ・日本優良株・ファンド フィデリティ投信
優秀 GS 日本フォーカス・グロース 年2回決算コース ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

インデックスファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 iFree 日経225インデックス  大和アセットマネジメント
優秀

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド

三井住友DSアセットマネジメント

 国内株式市場は、景気減速懸念や米中貿易摩擦問題に対する懸念から、2018年~2019年後半にかけて軟調な展開となったものの、2019年後半以降は先行き不透明感の払拭から回復基調となりました。2020年3月、新型コロナウイルス感染拡大から、市場は急落しましたが、世界的な金融緩和策に支えられ、年後半には景気回復への期待が高まるなかで、市場は急回復しました。3年間を通じて、割安株が出遅れる一方で、成長株優位の相場となりました。「国内株式」分類平均インデックスのトータルリターンの上昇率は、過去3年間で8.70%、直近1年間で10.80%でした。また、多くのアクティブファンドがインデックスファンドを上回りました。

 投票の結果、アクティブカテゴリーは、ファンド「メガ・テック」 が、インデックスカテゴリーは、iFree 日経225インデックス が最優秀賞に選出されました。
 

新興国株式部門

アクティブファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 新シルクロード経済圏ファンド 日興アセットマネジメント
優秀 シュローダーBRICs株式ファンド シュローダー・インベストメント・マネジメント
優秀 シュローダー・エマージング株式ファンド(1年決算型) シュローダー・インベストメント・マネジメント

インデックスファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 三菱UFJ国際投信
優秀 SBI・新興国株式インデックス・ファンド SBIアセットマネジメント

 新興国株式市場は、景気減速懸念や米中貿易摩擦問題に対する懸念から、2018年~2019年後半にかけて軟調な展開となったものの、2019年後半以降は先行き不透明感の払拭から回復基調となりました。2020年3月、新型コロナウイルス感染拡大から、市場は急落しましたが、世界的な金融緩和策に支えられ、年後半には景気回復への期待が高まるなかで、市場は急回復しました。「新興国株式」分類平均インデックスのトータルリターンの上昇率は、過去3年間で2.02%、直近1年間で5.19%でした。総じて、運用コストが低いインデックスファンドが効率的な成績を収めましたが、一部のアクティブファンドがインデックスファンドを上回りました。

 投票の結果、アクティブカテゴリーは、新シルクロード経済圏ファンド が、インデックスカテゴリーは、eMAXIS Slim 新興国株式インデックス が最優秀賞に選出されました。

先進国債券部門

 先進国債券市場は、2018年後半以降、主要先進国の債券利回りが低下傾向となったことから、債券価格が上昇し、成績が向上したファンドが目立ちました。この結果、「先進国債券(広域・高格付)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンの上昇率は、過去3年間で4.02%、直近1年間で4.05%となりました。しかしながら、インデックスファンドが総じて効率的な成績を収めた結果、「該当なし」という結果となりました。

国内債券部門

アクティブファンド

  銘柄名 委託会社名
最優秀 エス・ビー・日本債券ファンド 三井住友DSアセットマネジメント

 国内債券市場は、2018年までは世界的な金融緩和策を背景に長期金利が低位安定、2019年後半にかけては景気減速懸念から長期金利がマイナス圏まで低下し、債券価格は上昇しました。2020年以降は、コロナショックで長期金利が一時的に急低下しましたが、1年を通じて金利はやや上昇し、債券価格は下落しました。「国内債券」分類平均インデックスのトータルリターンの上昇率は、過去3年間で0.65%、過去1年間で▲0.92%となりました。総じて、運用コストが低いインデックスファンドが効率的な成績を収めたものの、一部のアクティブファンドがインデックスファンドを上回りました。

 投票の結果、エス・ビー・日本債券ファンド が最優秀賞に選出されました。

国内不動産(リート)部門

  銘柄名 委託会社名
最優秀 野村Jリートファンド 野村アセットマネジメント
優秀 DIAM J-REITオープン(2カ月決算コース) アセットマネジメントOne
優秀 DIAMストラテジックJ-REITファンド アセットマネジメントOne

 国内リート市場は、2018年から2020年2月まで、割高な株価水準への警戒や債券利回りが低下するなかで、相対的に投資魅力度の高い市場と評価され、大きく上昇しました。しかし、2020年3月のコロナショックで急落、その後も国内不動産市況の先行き不透明感から、株式市場と比較して戻りの鈍い展開となりました。「国内REIT」分類平均インデックスの上昇率は、過去3年間で19.65%、過去1年間で▲13.00%となりました。また、不安定な市場環境の中で、多くのアクティブファンドがインデックスファンドを上回りました。

 投票の結果、野村Jリートファンド が最優秀賞に選出されました。

海外不動産(リート)部門

  銘柄名 委託会社名
最優秀 東京海上・グローバルヘルスケアREITオープン(年1回決算型) 東京海上アセットマネジメント

 海外リート市場は、世界的な低金利環境を背景に2020年2月までは概ね順調に上昇していましたが、いわゆる「コロナショック」で世界中の投資家が一気に資金を引き揚げた結果、急落に見舞われました。その後緩やかな回復基調を見せていますが、「海外REIT(含む北米)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスの上昇率は、過去3年間で▲1.48%、直近1年間で▲11.38%と苦戦を強いられました。

 投票の結果、東京海上・グローバルヘルスケアREITオープン(年1回決算型) が最優秀賞に選出されました。

バランス(固定配分)部門

  銘柄名 委託会社名
最優秀 ダイワ・ライフ・バランス30 大和アセットマネジメント
優秀 DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型) ニッセイアセットマネジメント
優秀 りそなラップ型ファンド(安定型) りそなアセットマネジメント

 過去3年間を振り返ると、途中、市場変動が高まった局面があったものの、終わってみれば株式、債券、リートなど多くの市場が上昇しました。固定配分のバランス型ファンドにおいては、2020年にコロナショックで市場が大きく荒れたことから、国内債券や為替ヘッジされた先進国債券の組み入れ比率が高いファンドや、相対的に変動が大きかったリートの組み入れ比率が低いファンドが効率的な運用成果を収めました。

 投票の結果、ダイワ・ライフ・バランス30 が最優秀賞に選出されました。

バランス(可変配分)部門

  銘柄名 委託会社名
最優秀 投資のソムリエ アセットマネジメントOne
優秀 ピクテ・アセット・アロケーション・ファンド(1年決算型) ピクテ投信投資顧問
優秀 ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド ピクテ投信投資顧問

 複数の資産を組入れたバランス型ファンドの中でも、機動的に資産配分を変動させる可変型は、コロナ禍の不安定な市場環境において機動的な対応ができたファンドほど高い投資効率を残しました。単にリスク回避的な対応を取るだけでなく、市場の反発局面でしっかりとリターンを獲得できたファンドが優秀ファンドに選出されました。いずれも、運用資産を「大きく増やす」ことよりも、「減らさない」ことに主眼を置いて運用を行う点が特徴です。

 投票の結果、投資のソムリエ が最優秀賞に選出されました。

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