今週の予想
日経平均は4月相場入りまで軟調で、TOPIX(東証株価指数)は堅調な動きか
今週の日経平均株価は、先週の安値2万8,379円と高値2万9,496円の間でのもみ合いを想定します(3月26日[金]日本市場終了時点)。これは、ちょうど75日移動平均線(2万8,452円)と25日移動平均線(2万9,409円)の間でのもみ合いとなるところです(26日時点)。しかし、先週末の米国市場でNYダウ平均株価とS&P500種株価指数が史上最高値となって、シカゴ日経先物が+315円の2万9,415円となっていますので、今週の日経平均が25日移動平均線を突破する動きから始まるかどうか、注目となります。
結局、これまで述べてきた「節分天井・彼岸底」(2月高値・3月安値)のアノマリー(経験則)が、5日(金)の安値2万8,308円、先週の24日(水)の安値2万8,379円と二点底の形で、「彼岸底」が実現したことになります。
日経平均の日足チャートは75日移動平均線(2万8,452円、26日時点)のフシ目に差し掛かったものの、週末の2日間で戻しを入れました。その後は米国市場でNYダウが最高値更新となったことで、配当落ちのある30日(火)までもみ合うものの、4月になれば新年度入りで機関投資家の買いが入る可能性が高く、5月に向けて反発しやすくなります。
ただし、NYダウは高値更新となっているといっても、上昇角度が天井圏で急角度となっていますので、米国市場の調整入りには注意が必要です。
今週の指標:日経平均株価
先週後半の2日間で大幅反発となった日経平均の動きが、今週も続くのかどうかに注目です。NYダウ次第のところがありますが、週末、3月期末、決算末でもあり、個別銘柄物色で全体相場は、大きく上下動する可能性もあります。
先週の高値は2万9,496円、安値は2万8,379円となっており、このゾーンの中でのもみ合いが想定されます。
ちょうど、この水準には25日移動平均線が2万9,409円、75日移動平均線が2万8,452円にあり、25日移動平均線と75日移動平均線との間でもみ合いということになります。75日移動平均線は下向きになっており、3月24日(水)の安値2万8,379円を切ると、目先下放れとなります。逆に25日移動平均線(2万9,409円)を上回れば、4月は需給関係よく3万円を再度試す展開が期待されます。
今週の指標:NYダウ平均株価
今週は、新型コロナワクチン接種の進展で経済活動回復の期待が出ているところに、4月末までにワクチン接種目標を倍増すると、バイデン米大統領が発表しました。これでさらに回復期待が高まり、7営業日ぶりにNYダウは史上最高値を更新したことで、下値サポートの動きは続くものと思われます。
また、4月2日(金)の日本時間の夜に発表される米雇用統計は大幅な改善が予想されていますが、週後半は様子見となってきそうです。終値での史上最高値である3月18日(木)の3万3,227ドルを突破できるかどうか注目となります。
今週の指標:ドル/円
新型コロナワクチン接種による経済の力強い回復の中で、4月末までに接種目標を倍増するという先週末の発表により、経済活動の回復期待がさらに高まりました。これによってNYダウが最高値を更新したことで、今週のドル/円は、下値をサポートするものと思われます。
そのため、NYダウが堅調であればドルの堅調な動きが期待できますが、チャートからは1ドル=110円はフシになるところですので、もみ合いとなる可能性があります。
先週の結果
4日連続安で2万8,379円まで下落後、2日連続の大幅高で2万9,000円台回復
先週の予測では、米国市場では長期金利の上昇を受けて、ハイテク株が売られる局面が継続しており、下げ過ぎるとNYダウにも影響が及び、NYダウが軟調となれば日経平均にも連動することになるとしました。同時に日本銀行のETF(上場投資信託)での日経平均型の買い入れ中止で、日経平均が軟調となる場合が想定されました。
4月相場入りまでは軟調な展開が続くことを想定していましたが、結果、日経平均は大きな上下動という荒い動きとなりました。
前週末の19日(金)から24日(水)までの4日間で大幅下落が続き、日経平均は1,811円の下落幅(約▲6%)となりました。その後、2日連続の大幅反発となり、週末は+446円の2万9,176円と、日経平均は4日ぶりの2万9,000円台回復となりました。
22日(月)は、前週末のNYダウが大幅続落したことを受け、日経平均は▲347円の2万9,444円で寄り付き、時間外でのNYダウ先物が下落していたことや、日銀のETF買い入れから日経平均型が除外されたことで、ポジション調整の売りがあり、日経平均は一時▲684円の2万9,107円まで下げました。後場は様子見となって安値圏での推移となり、日経平均の終値は▲617円の2万9,174円と、今年に入り3番目の下げ幅でした。
23日(火)は、前日の米国市場で主要3指標そろって上昇したことで、日経平均は+207円の2万9,381円と反発。2万9,496円まで上昇しましたが、先行きの金利動向の不透明さもあり上げ幅を縮小し、後場になると下げに転じ、日経平均は▲178円の2万8,995円と3日続落しました。
24日(水)になると、世界的に新型コロナウイルス感染第3波の状態であると、WHO(世界保健機関)が警戒を示したことで、前日の米国市場で主要3指標そろって大幅安となりました。これを受けて日経平均も大幅安となって、一時▲616円の2万8,379円まで下げ、終値は▲590円の2万8,405円と4日続落となりました。
25日(木)は、前日までの下げを見ると、日経平均は3月5日の2万8,308円の安値を試すのかとも思われました。しかし、逆にすでに4日間で▲1,811円(約6%)の下げ幅となっていたことで、下げ過ぎの反動と時間外での米株先物の上昇もあり、日経平均は+416円の2万8,821円まで上昇し、終値は+324円の2万8,729円と反発しました。
26日(金)は、バイデン大統領が就任100日後の4月末までにワクチン接種目標を倍増すると表明したことで、経済活動再開期待が高まり、前日の米国市場で主要3指標そろって上昇。これを受けて日経平均は+338円の2万9,068円で寄り付き、+510円の2万9,240円まで上昇しました。その後、上げ幅を縮小する場面もありましたが、持ち直し+446円の2万9,176円で引けました。
26日(金)の日本市場の引け後の米国市場では、主要3指標そろって大幅高となり、NYダウは+453ドル、S&P500は+65ポイントと史上最高値を更新。好材料での続伸となりました。 前日にバイデン大統領は4月末までに2億回のワクチン接種を目指すとし、FRB(米連邦準備制度理事会)のインフレ指標が年率+1.4%と市場予想の+1.5%を下回ってインフレ懸念が後退し、FRBが米銀の株主還元規制を6月末に解除すると発表。さらに、3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が上方修正され、市場予想を上回りました。為替もドルが買われて1ドル=109円台後半の円安、シカゴの日経先物は+315円の2万9,415円となりました。
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