前日(10月19日)の市場概況

ドル/円:112円前半へ差し戻し

 日経平均やNY株価の続伸に支えられたリスクオンを背景に、この日のドル/円は東京時間に113.14円まで上値を伸ばしました。114円台チャレンジの期待もありましたが、10月の高値113.43円に届く前に息切れ。欧米の株価がマイナスのスタートでリスク選好ムードがやや後退し始めると、今度は売りが強まり、112.28円まで大幅下落となりました。終値にかけてはやや持ち直し、終値は112.548円(前日比-0.377円)。(チャート1)


 

ユーロ/ドル:カタルーニャ独立問題で一時急落

 独立の意向を撤回しないカタルーニャに対してスペイン政府が自治権停止を発動するとの報道で、欧州時間朝のユーロ/ドルは一時1.1768ドルまで急落。しかし売り一巡後は買いが優勢になり、NY時間終盤には1.1857ドルまで反発しました。

 スペイン政府が自治権停止を発動した場合、カタルーニャは正式に独立を宣言すると対抗。そうなった場合、バスク州など他の自治区にも不安が広がるおそれがあり、ユーロ売りが強まりました。一方で、カタルーニャ問題はあくまでもスペインの国内問題であり、欧州の分断といった問題にはつながらないとの意見も多く、ユーロの下落は限定的でした。(チャート2)


 

 

NZドル/ドル:大幅下落。新政権はNZドル安志向

 先月実施されたニュージーランドの総選挙では与野党いずれも過半数に届かず、連立の話し合いが続いていましたが、この日、ポピュリスト政党のニュージーランド・ファースト党は、労働党、緑の党と組むことを決めたため、NZに左党の労働党が主導する新政権が誕生することになりました。労働党は、政策のひとつにNZドル安を掲げているため、NZドルが下落。NZドル/ドルは、5カ月ぶりの安値となる0.7007ドルをつけました(チャート3)。NZドル/円も、80.93円を高値に9月11日以来の78.89円まで急落。

 通貨高につながるため、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)の利上げも難しくなるとの意見も出てています。RBNZの利上げは2019年下半期の見通しですが、さらに後ずれする可能性も出てきました。

 

豪ドル/ドル:失業率低下を好感して買われる

 この日発表された豪9月失業率は4年ぶりの低水準となりました。好調な指標がRBAの政策をタカ派寄りにシフトさせるとの期待で豪ドルが買われました。NZに自国通貨安を目指す新政権党が誕生して、NZドルから豪ドルへ資金シフトが起きるとの見方も理由。豪ドル/ドルは0.7883ドルまで上昇しました。(チャート4)

 また中国7-9月期GNPは前年比6.8%に縮小。中国人民銀行の周総裁が予想していた7.0%には届きませんでした。

 

この指標を見逃すな!今日(10月20日)の注目イベント

週末はカナダの重要指標に注目

 カナダの9月消費者物価指数は、前月比+0.3%、前年同期比+1.6%の予想。カナダ高がインフレ率の持続の足かせになって、今後CPIが下落するリスクが高くなっています。

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