本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは109.30

下値メドは108.30

反グローバリゼーションと供給網の損失がダブルインフレを生み出す

 週明け22日(月曜)のドル/円は108円台後半で横ばい。

 108.60円からスタートしてほとんど下がらず、安値は東京時間朝の108.59円。ただし前日比ベースでは5営業日連続で切り下がり中。高値は東京時間午前の108.96円。109円台未達は7営業日ぶりで、4営業日連続で前日高値を下回りました(109.33円(水曜)> 109.30円(木曜)>109.12円(金曜)>108.96円(月曜))。東京時間で上下をやってしまい、海外時間は108円台後半で横ばい。終値は108.82円。

 129.02円からスタートしたユーロ/円は、安値を129.00円で踏みとどまると反発。しかし130円台は重く、高値は129.94円まで。フランスのパリで3度目のロックダウンに続き、ドイツも外出制限の延長を検討。接種後の血栓症状が懸念されたアストロゼネカ製のワクチンはEMA(欧州医薬品庁)が安全性を判断。しかし同社のワクチンをめぐっては、供給の大幅な遅れも問題になっておりEU(欧州連合)は英国への輸出制限を検討。

 豪ドル/円は、18日に年初来高値85.45円をつけた達成感もあって下落。東京市場の朝に83.76円まで下げて安値をつけたが、NY時間までに84.37円まで反発しました。

 東京時間朝に12.47円まで暴落したトルコリラ/円(過去最安値は12.00円)。その後一時14.09円まで急反発して、現在は13円台後半でいったん落ち着いています。トルコのロングポジションの解消はまだこれからで、下落リスクは依然高い。しかし状況は何も改善していません。

 米10年債利回りは、先週末に1.72%まで上昇しましたが、この日は1.69%まで軟化。
先週末、FRBが重大決定。米長期金利の今後に影響大か? 今日の注目通貨をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

夢を実現する一番いい方法は、目を覚ますことである – ポール・バレリー(フランスの詩人)
= The best way to make your dream come true is to wake up

※「毎ヨミ!為替Walker」は、3月24日(水)~4月1日(木)まで休載です。次回掲載は4月2日(金)の予定です。

リベンジ消費のインフレは「あだ花」? 

 新型コロナによって消費者の需要が消滅したわけではない。潜在需要は自粛期間中も積み上げられ、あるいは再生されています。第2四半期からの爆発的な繰越需要を期待する声が増えています。

 繰越需要とは、新型コロナによる移動制限(ロックダウンや緊急事態宣言)のために購買行動を控えていた消費者の需要が、規制解除とともに一気に回復することです。「リベンジ消費」と呼ぶ人もいます。ステイホームで使うあてがなく貯金したお金があって、さらにバイデン大統領から現金をプレゼントされて懐は温かい。天候は良くなり、ワクチン接種で移動制限も緩やかになる。アメリカ人の消費本能はおおいに刺激されています。

 リベンジ消費はインフレを引き起こす可能性が高いが、そのインフレは持続するのかと質問されたパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「一過性で終わるだろう」と答えました。

 物価に上昇圧力がかかるとしてもそれは一時的。移動制限の解除に伴い消費がモノからサービスへ移り、またはサプライチェーンの修復によって需要と供給の不均衡が解消されたなら、インフレ上昇の勢いは止まる。FRBが経済再開によるインフレは「無視」するとの立場をとっている理由はここにあります。

 しかし、物価が上昇するほど、供給がインフレを抑制できなくなるリスクもまた高まる。マーケットは、FRBとは反対にインフレが一過性で終わるはずがないと考えはじめています。

※「毎ヨミ!為替Walker」は、3月24日(水)~4月1日(木)まで休載です。次回掲載は4月2日(金)の予定です。 

今日の注目通貨

「やっちゃえFRB パート2」 SLR緩和が3月末で終了

 FRB(米連邦準備制度理事会)は19日、SLR(補完的レバレッジ比率)の緩和措置を3月末で終了すると発表しました。先週末のマーケットで金利上昇や株価下落の一因になりました。

 SLRは2007年から09年の金融危機後に、総資産2,500億ドル以上の銀行に対して導入された規制。FRBは資産規模に応じて一定比率以上の資本を保有することを銀行に義務付けており、景気悪化時のバッファーを強化する狙いがあります。

 2020年4月1日、新型コロナ流行による景気悪化を和らげる措置の一環として、FRBはSLRを一時的に緩和し、銀行が保有する米国債やFRBに預ける準備預金を同比率の算出から除外することを認めました。米国債市場の流動性問題解消の一助とし、銀行に融資継続を促すことが目的でした。

 今回、市場はSLR緩和措置の数ヵ月の延長を期待していました。しかしFRBは新型コロナの経済に対する脅威は1年前よりやわらいだと判断して打ち切りを決定。大手銀行は規制遵守のため、米国債の売却などを強いられ、長期金利にさらなる上昇圧力がかかる可能性があります。

ドル/円:今週の予想レンジ ↑109.69円、↓108.18円

 ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は108.93円。108.93円より上ならばドル買い優勢、108.93円より下ならばドル売り優勢。

 2021年これまでの高値は109.36円、安値は102.59円。レンジは6.77円。平均値は105.98円。
1日の最大値幅は1.03円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.56円。
先週末のドル/円は平均値より円安で、年終値に比べて5.59円の円安。

111.71円 : 2020年 03月 高値(03月24日)

110.29円 : 2020年 01月 高値(01月17日)

109.98円 : 第4レジスタンス(HBO)
109.85円 : 2020年 06月 高値(06月05日)
109.69円 : 第3レジスタンス
109.40円 : 第2レジスタンス 
109.36円 : 2021年 03月 高値 
109.31円 : 第1レジスタンス

108.93円 : ピボット

108.56円 : 第1サポート
108.47円 : 第2サポート
108.20円 : 2019年 平均値 
108.18円 : 第3サポート

107.89円 : 第4サポート(LBO)

106.70円 : 2020年 平均値 
106.37円 : 2021年 03月 安値 

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

ユーロ/円:今週の予想レンジ ↑131.15円、↓128.46円

 ユーロ/円のブルベアの分かれ目は129.80円。
129.80円より上ならばユーロ買いが優勢、129.80円より下ならばユーロ売りが優勢。

 2021年これまでの高値は130.67円、安値は125.09円。レンジは5.58円。平均値は127.88円。

 1日の最大値幅は1.27円、最小値幅は0.32円。平均値幅は0.68円。
先週末のユーロ/円は前年終値に比べて3.41円のユーロ高。

132.46円 : 2018年10月 高値 

131.66円 : 第4 レジスタンス(HBO)
131.15円 : 第3 レジスタンス

130.67円 : 2021年03月 高値
130.64円 : 第2 レジスタンス
130.48円 : 第1 レジスタンス
130.14円 : 2018年11月 高値 

129.97円 : 2021年02月 高値 

129.80円 : ピボット

129.13円 : 第1 サポート

128.97円 : 第2 サポート 
128.46円 : 第3 サポート
128.18円 : 2021年03月 安値

127.94円 : 第4 サポート(LBO)
127.49円 : 2021年01月 高値  

126.10円 : 2021年02月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

※「毎ヨミ!為替Walker」は、3月24日(水)~4月1日(木)まで休載です。次回掲載は4月2日(金)の予定です。