本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは109.20

下値メドは107.90

財政出動が必要ならインフレは問題ではない。財政出動が不必要ならインフレは問題である

 11日(木曜)のドル/円は横ばい。108.37円でスタート、高値は東京時間午後の108.81円。2営業連続で109円台届かないまま、NY時間には前日の安値(108.33円)とほぼ同水準の108.35円まで下落。終値は108.50円。

 最近の為替Walkerで書いていますが、マーケットでは「そろそろ…」感が出始めていて、円高狙いのトレードも少しずつ増えています。というのも、来週はFOMC(米連邦市場委員会)と日銀金融政策決定会合が控えているからです。円安の勢いは続きますが、多少注意したいです。

 ECB(欧州中央銀行)はこの日の理事会で、政策金利を0.00%に据え置きました。決定は予想通り。欧州債券利回りが上昇するなかでECBは、PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)による債券購入ペースを「次の四半期で大きく加速する」と声明を出しました。

 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエルFRB議長が、米長期金利の上昇に対して「必要ならば追加緩和も検討する」と述べて、緩和政策の継続を強調したのと同じ内容といえます。ただし、PEPPをどの程度「大きく加速する」のか具体的な金額が示されなかったことでマーケットはECBの本気度に疑問を持っているようです。FRB(パウエル議長)とECB(ラガルド総裁)に対する信用度の違いがあらわれています。

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出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

問題を解決する手段が見つからないなら、その問題について悩むのはやめなさい

[動画で解説]ドル/円、110円突破するのは来週か?もあわせてご覧ください

インフレはコインの上で踊らない

 インフレのダイナミクス(力学)というものは、「10セント硬貨の上でくるりと回るよう(に素早く転換する)ものではない」とパウエルFRB議長は述べています。バイデン大統領は11日、1.9兆ドル規模の追加経済対策法案に署名して、米国では大型景気刺激策がいよいよ始動しますが、パウエル議長に言わせると「インフレに大きな変化をもたらすには、単発の景気刺激策では足りない。」

 なぜ、FRBはこれほどまでに慎重なのか?

 はっきりと認めてはいませんが、FRBはインフレ政策に関して失敗を積み重ねてきた苦い過去があるからす。過去10年間インフレ目標を達成できていないという事実は、FRB自身が一番よく認識しています。

 FRBが求めるのは、一過性の現象ではなく「インフレ・ダイナミクスの真の改善」。長期間低迷を続けたあとのインフレは「お化粧」をしている可能性があります。いくら美人に見えても飛びついてはいけない。表面上の経済データを信じて行動してはいけない。FRB は今回こそは失敗できない。インフレを醸成する能力があることを証明してみせる必要があるのです。パウエル議長が慎重になる理由です。

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今日の注目通貨

ユーロ/円: 週末のレンジ予想 ↑131.04円  ↓128.41円

 マーケットは、ラガルドECB総裁が、金利上昇を「本気で」抑えるつもりがあるのか、まだ判断がつかないようです。この日のユーロ/ドルの高値は1.1990ドルと再び1.20ドル台に迫っています。そしてユーロ/円は2018年11月以来の130円台をつけました。円はドルにもユーロにも弱くなっている状況。

132.46円 : 2018年10月 高値 

131.54円 : 第4 レジスタンス(HBO)
131.04円 : 第3 レジスタンス

130.53円 : 第2 レジスタンス
130.38円 : 第1 レジスタンス
130.14円 : 2018年11月 高値 
130.06円 : 2021年03月 高値 

129.72円 : ピボット

129.06円 : 第1 サポート

128.91円 : 第2 サポート 
128.41円: 第3 サポート
128.18円 : 2021年03月 安値

127.90円 : 第4 サポート (LBO)
127.49円 : 2021年01月 高値  

126.10円 : 2021年02月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

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