投資信託ならインデックスファンド?

 つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や投信積立で、今やすっかりおなじみとなったインデックスファンドには、コストの安さや仕組みの分かりやすさなど、数々のメリットがあります。

 しかし、一口に「インデックス」といっても、さまざまな種類があるということをご存じでしょうか。

 投資信託協会が定義する「インデックス型」の投資信託がベンチマークとして掲げる指数は、実に170以上(筆者調べ)。特に近年は、国内株式の代表的な指数であるTOPIX(東証株価指数)や、先進国株式の代表的な指数であるMSCIコクサイ・インデックスのように、広く市場全体の動きを捉えるタイプだけでなく、特定の投資テーマに沿って、組み入れ銘柄の数を絞り込んだ指数も増えています。

普通のインデックスじゃない?テーマ型インデックスファンドとは?

 こうした指数に連動する投資成果を目指すのが、低コストのテーマ型インデックスファンドです。

 テーマ型インデックスファンドは、インデックスを通じて広くたくさんの銘柄に分散投資するというよりも、むしろ特定のテーマや業種に投資銘柄を集中させてリターンを追求する点に特徴があります。

 代表的な低コストテーマ型インデックスファンドには、以下のようなものがあります。

 三菱UFJ国際投信は、「eMAXIS」のサブシリーズとして「バーチャルリアリティ」や「自動運転」などの先進的なテーマを掲げた「Neo」を展開しているほか、大和アセットマネジメントも「iFree」のサブシリーズとして、特徴のある成長分野に着目した「NEXT」を展開しています。

 また、「たわらノーロード」でおなじみのアセットマネジメントOneも、テーマ型インデックスファンドの「Oneフォーカス」を展開しています。

 ではここで、実際にどの程度、銘柄数に差があるのかを見てみることにしましょう。

クイズ先に挙げた「eMAXIS Neo」「iFreeNEXT」「Oneフォーカス」、各シリーズの代表的なファンドが連動を目指す指数の構成銘柄はそれぞれ何銘柄でしょうか(下表)。
ファンド名 連動を目指す指数(ベンチマーク) 銘柄数
eMAXIS Neo バーチャルリアリティ S&P Kensho Virtual Reality Index
eMAXIS Neo 自動運転 S&P Kensho Autonomous Vehicles Index
iFreeNEXT FANG+インデックス NYSE FANG+指数
Oneフォーカス AI Solactive Global Artificial Intelligence Index
※2021年1月末時点。指数はすべて円換算ベース。S&PとSolactiveの3指数は配当込み。

【参考】代表的ファンドのベンチマークの状況

ファンド名 連動を目指す指数(ベンチマーク) 銘柄数
eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス 2,958
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス MSCIコクサイ・インデックス 1,282
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス MSCIエマージング・マーケット・インデックス 1,375
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) TOPIX 2,190
※2021年1月末時点。指数はすべて配当込み。MSCIの3指数は円換算ベース。

投資信託のベンチマークの構成銘柄数はどれくらい?

解答

ファンド名 連動を目指す指数(ベンチマーク) 銘柄数
eMAXIS Neo バーチャルリアリティ S&P Kensho Virtual Reality Index 19
eMAXIS Neo 自動運転 S&P Kensho Autonomous Vehicles Index 22
iFreeNEXT FANG+インデックス NYSE FANG+指数 10
Oneフォーカス AI Solactive Global Artificial Intelligence Index 30
※2021年1月末時点。指数はすべて円換算ベース。S&PとSolactiveの3指数は配当込み。

同じインデックス型でも分散度合いに違いがある

 いかがでしょうか。数千単位の銘柄を組み入れている「全世界株式」や「先進国株式」などと比べ、銘柄数がかなり絞り込まれていることがお分かりいただけると思います。同じ「インデックス型」でも、銘柄数の分散度合いには大きな開きがあるのです。

 特徴的な投資テーマを掲げた指数は、市場全体の動きを捉えるタイプと比べて銘柄を絞り込んでいる分、一つの銘柄が指数全体に与える影響が大きい傾向にあります。このため、そもそもの指数の値動き=リスクも大きいという特徴があります。

 インデックス型であっても、指数の概要も含め、まずはファンドの中身をきちんと確認することが重要です。

「インデックスファンド=低リスク」は思い込み

 最近は、インデックスファンドで「投資デビュー」される方が増えていることもあり、インデックスファンドを一括りにして「初心者向け」で、かつ「低リスク」と解釈される方も多いように見受けられます。

 確かに、インデックスファンドは仕組みが分かりやすく初心者向けではありますが、これはあくまでも商品性のことであって、ファンドそのもののリスクが一律に低いかというと、決してそういうわけではありません。

 インデックスファンドのリスク(標準偏差=基準価額の変動幅)は、あくまでも連動を目指す指数(ベンチマーク)と同程度です。

 TOPIX連動型のインデックスファンドに投資するということはつまり、日本の株式市場と同程度のリスクを負うことを意味します。

 他方、今回取り上げたテーマ型インデックスファンドで採用されている新興の指数の場合、一つの構成銘柄が指数全体に与える影響が大きい分、市場環境によってはアクティブファンド以上の値動きを経験する可能性があります。インデックス型はベンチマークと「運命共同体」ですから、ベンチマークの組み入れ銘柄数が少なければ少ないほど、よいときも悪いときも構成銘柄の影響を受けることになります。

テーマ型インデックスファンドの特徴を生かす投資を

 テーマ型インデックスファンドは、こうした特徴を理解した上で活用すれば、ポートフォリオのリターン向上が期待できます。

 まずは関心のあるテーマから探してみてもよいでしょう。