本日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは109.15円
↓下値メドは106.30円
感染率の低下は外出自粛ではなく、自然免疫のおかげ。人の行動が大幅に改善したわけではない
4日(木曜)のドル/円は円安続行。106.98円でオープンこの日も下げは浅く安値は106.95円。その後は振り返ることもなくNY時間終了間際に107.98円まで上昇、高値を7営業日連続で更新中。終値は107.98円。
今夜は、米国の2月雇用統計が発表されます。前回の振り返りと今回の予想については、2月雇用統計詳細レポート「『ハイブリッドでいこう!』 これがアフター・コロナの新仕事スタイル」をご覧ください。
雇用統計の先行指標といわれる民間機関ADPによる雇用データは、予想+17.7万人に対して+11.7万人と予想を下回っています。前週分の米新規失業保険申請件数は74.5万件(予想75.0万件)、失業保険継続受給者数は429.5万人(予想 430.0万人)でほぼ予想通り。
「悪かった」とか「弱かった」という言葉を聞くと、逆に生き生きするのがマーケットの性(さが)で、雇用統計に対しても、これまで長い間、結果が弱いほど相場は強く反応するのが常でした。しかし、今回からは逆になるかもしれない。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「労働市場は見かけ以上に弱い。実際の失業率は6%というより、10%に近いだろう」と述べています。つまり、雇用市場の実情を考えるなら、利上げはまだかなり先のことだというメッセージです。しかし、最近の米指標は堅調。今夜の雇用統計もサプライズの強さになれば、FRBが何を言ったところで、マーケットでは「利上げは意外に近い」との考えが強まるでしょう。
FRBの利上げ時期の予想は、今年の1月時点は2024年第1四半期。それがあっという間に2023年第2四半期まで織り込みはじめています。(1年前には40年後といわれていた)米金利上昇は、ドルにとっては追い風ですが、株式市場にとっては向かい風になります。
主要指標 終値
今日の一言
人を信じよ、しかし、その百倍も自らを信じよ - 手塚治虫
[動画で解説]ドル/円は110円を超えるか? 今夜、米雇用統計発表もあわせてご覧ください。
今日の注目通貨
ビーチ(B.E.A.C.H)から人がいなくなる日
米国の雇用の回復は一様ではなく、先行きのある企業が採用を拡大する一方で、衰退に向かっている企業は生き残りをかけて大規模な人員カットを断行するか、規模を縮小するか、あるいは運命を受け入れ廃業の道を歩むかの選択を迫られています。
ブッキング(Booking=予約)、 エンターテインメント(Entertainment=娯楽)、 エアー(Air=空旅)、 クルーズ(Cruise=船旅)、ホテル(Hotel=宿泊施設)など、いわゆるBEACHと呼ばれる業界では、特に新型コロナによる売上の落ち込みが深刻。雇用の構造変化が進むなかで、これらの仕事は消えてしまうリスクにさらされています。
世界の観光業界全体では、すでに1億4,000万人以上が職を失い、観光業に携わる人の二人に一人が失業する日も近いと悲観的な予想もでています。もっともワクチンおかげで、英国では夏のバカンス予約が一杯になるという明るいニュースもあります。確かに個人旅行は今後回復が期待できるでしょう。しかし、航空会社にとってのドル箱であるビジネス客はどうか。ビデオ会議でほとんどの仕事ができることを確認した今、企業は、海外出張の必要性を感じるでしょうか。
そして業種とは関係なく、低、高スキル労働者の雇用が増える一方で、中スキル労働者、いわゆるゼネラリストと呼ばれるサラリーマンが不要とされる時代がそこまでやってきています。もっとも暗い話ばかりではなく、米国、ヨーロッパや英国では、ロックダウンで外出を制限された若者達によって一大起業ブームが起きているそうです。ただ、雇用市場が構造変化に対応するにはまだしばらく時間がかかるわけで、それまでの間、政府は従来の失業対策によって支えるしかありません。皮肉なのは、政府の手厚い雇用対策がゾンビ企業を延命させることになり、結果としてゾンビ企業が新しい起業の成長を妨げていることです。
[動画で解説]ドル/円は110円を超えるか? 今夜、米雇用統計発表もあわせてご覧ください。
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