本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは107.65

下値メドは106.25

コロナ対策、究極的には公衆衛生と経済配慮のバランス

 3月3日(火曜)の相場は円安続行。106.66円でオープンしたドル/円の安値は106.65円で、全く下がることなくNY時間には107.15円まで上昇、昨年7月23日以来の高値をつけました。終値は107.01円で、6営業日連続の円安。

 3月7日に期限を迎える予定だった1都3県に対する緊急事態宣言は、さらにあと2週間ほど再延長される方針が決まりました。日本政府は1月7日に4都県を対象にした緊急事態宣言を発令、 2月2日に3月7日までの延長を決定しています。

 緊急事態宣言はロックダウン(都市封鎖)とは異なりますが、8週間というのが、民主的ロックダウンの限界といわれています。それ以上になるとストレスから社会不安を引き起こすおそれがあるのです。緊急事態宣言は、再延長になると10週間(以上)になります。

 一方、米国ではテキサス州が、「コロナは消えていないが、自らの運命を決める自由を保証するため」、マスクの義務化をやめ、10日から商業活動の全面再開を認める知事令を出しました。テキサス州の新規感染者数は、平均で1日7,000人を超えて全米で最多なのに、大胆な政治決断です。しかしマーケットでは公衆衛生と経済のバランスという観点で注目されています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の一言

科学者は難しいことを誰にでもわかるように説明しようとする。しかし詩人はまったく逆をする

今日の注目通貨

ユーロ/円 円安とユーロ高でユーロ/円の上伸力が増

 個人投資家の間で、豪ドル/円やユーロ/円などのクロス円での「円安」見通しが増えています。楽天証券が先月実施した相場アンケート調査によると、 「ユーロ高/円安」見通しが「ユーロ安/円高」見通しを1年ぶりに上回りました。コロナ感染拡大後、初めてのことです。

 円安見通しが増えている理由は、米国の長期金利の上昇。金利上昇に対して、パウエル議長をはじめFRB(米連邦準備制度理事会)のメンバーは、統一した見解を繰り返し発信しています。この日もエバンス・シカゴ連銀総裁が発言しましたが「投資家が米国の明るい未来を予想していることの現れだ」とあくまでも前向きです。そのうしろの意味は、「安心してください、FRBは利上げしませんよ」です。

 一方、「金利上昇抑止」派と考えられているのがECB(欧州中央銀行)。ところがこの日は、関係筋の話として「ECBは債券利回り上昇を抑えるための強力な対応は必要ない」とのニュースが伝わっています。金利上昇が通貨高に関係しているから、ユーロ高材料。円安とユーロ高が同方向に組み合わったことでユーロ/円の上伸力が増しています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成