アナリスト評価◎の割安高配当株TOP15

コード 銘柄名 市場 株価 配当利回り 時価総額 コンセンサス
レーティング
移動平均線
乖離率
9434 ソフトバンク 東1 1,441 6.06 68,982 4.0 5.95
8725 MS&ADインシュアランスHD 東1 3,000 5.09 17,804 3.8 -4.32
8316 三井住友FG 東1 3,742 5.09 51,416 3.8 11.07
4502 武田薬品工業 東1 3,582 5.03 56,466 4.2 -3.72
8308 りそなHLDG 東1 428 4.91 9,849 3.5 10.69
7167 めぶきフィナンシャルグループ 東1 227 4.85 2,676 3.5 6.96
5020 ENEOS HLDG 東1 468 4.70 15,108 4.3 14.59
1861 熊谷組 東1 2,789 4.59 1,305 4.0 4.69
8306 三菱UFJ FG 東1 558 4.48 75,787 3.8 14.53
8593 三菱UFJリース 東1 571 4.47 5,115 3.7 9.61
8058 三菱商事 東1 3,003 4.46 44,616 3.9 11.73
8766 東京海上HLDG 東1 5,253 4.45 36,876 3.8 -1.83
8020 兼松 東1 1,355 4.43 1,144 4.0 2.45
8591 オリックス 東1 1,802 4.32 23,162 3.7 6.01
9513 電源開発 東1 1,736 4.32 3,177 3.5 8.91
※データは2021年2月26日時点。
※配当利回りは予想、単位は%。時価総額の単位は億円。移動平均線乖離率の単位は%、基準は13週移動平均線。

※コンセンサスレーティング…アナリストによる5段階投資判断(5:強気、4:やや強気、3:中立、2:やや弱気、1:弱気)の平均スコア。数字が大きいほどアナリストの評価が高い。

※移動平均線乖離(かいり)率…株価が移動平均線(一定期間の終値の平均値を結んだグラフ)からどれだけ離れているかを表した指標。この数値がマイナスならば、移動平均線よりも現在の株価が安いということになる。

 上表は、長期投資に適した銘柄の高配当利回りランキングと位置付けられます。2月26日時点での高配当利回り銘柄において、一定の規模(時価総額1,000億円以上)、ファンダメンタルズ(コンセンサスレーティング3.5以上)、テクニカル(13週移動平均線からの乖離率30%以下)などを楽天証券の「スーパースクリーナー」を使ってスクリーニングしたものとなっています。

 配当利回りはアナリストコンセンサスを用いています。会社側の配当金計画をベースにしたものと比べて大きな乖離はほとんどありません。

ランク外となった銘柄、新規にランクインした銘柄

 2月は日経平均株価が一段高となって、一時30年半ぶりの3万円台回復となりました。表中の高配当利回り銘柄も総じて買い優勢の展開となり、前月と比較して配当利回りの水準は低下しています。

 とりわけ、ランキング上位には引き続き金融関連株が多くなっていますが、これらは米国長期金利の上昇を背景に、相対的に株価のパフォーマンスは良好なものとなっています。

 表中で1カ月の株価がマイナスパフォーマンスとなったのは、MS&AD(8725)武田薬品(4502)のみとなっています。MS&ADに関しては、金利上昇を手掛かりに物色が損保から生保や銀行にシフトしたことが上値抑制要因になったとみられます。武田薬品も医薬品セクター全体の上値の重さに引きずられました。

 今月のランキング上昇銘柄はそのMS&ADと武田薬品でしたが、新規にランクインしたのは、めぶきFGHD(7167)東京海上(8766)電源開発(9513)となります。

 電源開発は前月にランク外となりましたが、返り咲く形になっています。通期業績予想を未定に変更したことで、嫌気売りが先行しました。東京海上はMS&ADと同様に、損保セクター全般の鈍い動きが影響して、先月は株価の上昇が限定的でした。めぶきFGHDは、株価上昇で前月に比べ利回りは低下しましたが、コンセンサスレーティングの切り上がりでランキング対象となりました。

 一方、株価の上昇によるランキング低下が目立ったのは三菱UFJ(8306)でした。長期金利の上昇がストレートに株高材料になったほか、決算を受けて投資判断格上げの動きなども観測されました。

 ランキング外となったのは、三井住友トラスト(8309)西日本FGHD(7189)ふくおかFG(8354)などの銀行株で、他の銀行株同様に金利上昇が株高に反映されました。

相場の注目点

 米長期金利が1.6%台にまで上昇し、国内長期金利も5年ぶりの高水準にまで上昇しました。金利上昇を警戒する動きが優勢となり、月末の日経平均は1,200円超の急落となっています。こうしたボラティリティの高まりを受けて、今後はリスク回避姿勢が強まっていく余地もあるでしょう。

 また、日経平均が一時3万円を超える水準にまで上昇したこともあって、日本銀行のETF(上場投資信託)買い入れの動きにも縮小方向への変化が見られてきています。

 短期的な一段の上値追い期待はやや後退の方向といえるでしょう。月末にかけては、新年度入り直後の機関投資家の益出し売り圧力に対する警戒感も強まるとみられます。

 一方で、仮に一段の上昇を想定するならば、金利の上昇下ではやはりバリュー株となるでしょう。3月末配当権利取りの動きと併せて、主力の高配当利回り銘柄は相対的な高パフォーマンスが期待できるものと考えます。