※モトリーフール米国本社、2021年2月18日投稿記事より
ウォーレン・バフェット氏とバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)の投資チームは、購入した銘柄や売却した銘柄について語ることは通常ないので、私たちは同社の四半期ごとの証券取引委員会(SEC)提出資料から知ることになります。
同社が最近提出した報告(13-F)には、同社が2020年12月31日時点で保有していた株が記載されていますが、これによれば、いくつかの銘柄について新規投資、追加投資、および売却を行ったことがわかります。
新規投資先4銘柄
第4四半期にいくつか新しい銘柄が追加されています。
銘柄(ティッカー) | 購入株数 | 市場価値 |
ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ) | 146,716,496 | 86億2,000万ドル |
シェブロン(NYSE:CVX) | 48,498,965 | 41億ドル |
マーシュ・アンド・マクレナン(NYSE:MMC) | 4,267,825 | 4億9,900万ドル |
E.W. スクリップス(NASDAQ:SSP) | 23,076,923 | 3億6,400万ドル |
データ:バークシャー・ハサウェイ13-F/市場価値は2021年2月17日時点(以下同様)
スクリップスの件はすでに知られていますが、新規投資先として注目に値します。
ベライゾンとシェブロンは第4四半期で最も重要な動きであり、バフェット氏がこれほど巨額のポジションを最初から取るのはまれであることから、オマハの賢人(バフェット氏)はこれらの銘柄にかなりの自信があるものと思われます。
しかし、どちらの銘柄にも驚きはなく、特にベライゾンはバリュエーションが適正で堅実な配当が見込める銘柄であり、今後数年間の次世代通信規格5Gの大規模な展開中はかなりの上値余地があります。
追加投資先6銘柄
既存投資先のうちいくつかの銘柄については追加投資も行われていますが、目新しいものはありません。
バフェット氏は第3四半期から製薬会社数社とTモバイルUSに対するポジションを築き始めており、今回の動きはその購入を継続したものです。
銘柄(ティッカー) | 購入株数 | 市場価値 |
アッヴィ(NYSE:ABBV) | 4,268,766 | 4億5,500万ドル |
メルク(NYSE:MRK) | 6,294,333 | 4億7,700万ドル |
ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(NYSE:BMY) | 3,364,822 | 2億400万ドル |
クローガー(NYSE:KR) | 8,555,578 | 2億9,100万ドル |
RH(NYSE:RH) | 24,200 | 1,100万ドル |
TモバイルUS(NASDAQ:TMUS) | 2,824,844 | 3億4,300万ドル |
保有株数を減らした6銘柄
バフェット氏は「気に入っている保有期間は永遠だ」と語っていますが、バークシャーはかなり定期的に株の売却を実施しており、第4四半期は6銘柄の保有株数を減らしています。
銘柄(ティッカー) | 売却株数 | 市場価値 |
アップル(NASDAQ:AAPL) | 57,160,000 | 74億4,000万ドル |
U.S.バンコープ(NYSE:USB) | 823,834 | 4,000万ドル |
ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM) | 7,500,000 | 3億9,700万ドル |
ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC) | 74,956,573 | 27億6,000万ドル |
サンコアエナジー(NYSE:SU) | 5,352,318 | 1億ドル |
リバティ・ラテンアメリカ (NASDAQ:LILAK) | 146,177 | 170万ドル |
売却額が圧倒的に大きいのはアップルとウェルズ・ファーゴですが、ショックはありませんでした。
アップルに対する投資はバークシャーにとって極めて大きな成功でしたが、同社の時価総額の5分の1を超えており、持ち株を減らすべき時期にきていました。
ウェルズ・ファーゴについては、少し前から削減を続けています。
5銘柄は完全に撤退
バークシャーは最近、バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)以外の銀行株の売却を進めており、第4四半期も例外ではありませんでした。
実際、同社は5社の株を全て売却しましたが、そのうちの3銘柄は銀行株でした。
銘柄(ティッカー) | 売却株数 | 市場価値 |
PNCフィナンシャル(NYSE:PNC) | 1,919,827 | 3億2,100万ドル |
JPモルガン・チェース(NYSE:JPM) | 967,267 | 1億4,000万ドル |
M&Tバンク(NYSE:MTB) | 2,919,613 | 4億3,100万ドル |
バリック・ゴールド(NYSE:GOLD) | 12,000,000 | 2億5,000万ドル |
ファイザー(NYSE:PFE) | 3,912,216 | 1億3,700万ドル |
こうした動きの意味するところは
バークシャーの株式ポートフォリオの動きについてバフェット氏の口が堅いのは有名であり、なぜこれらの株を購入し、売却したのか、その理由はわかりません。
また、これは2020年末時点の情報であり、その後のバークシャーの動きはわかりません。
たとえそれがウォーレン・バフェット氏であっても、億万長者が売り買いしたというだけの理由で特定の株の取引をするのは賢明ではありません。
この情報を投資検討の出発点にするのは問題ありませんが、自分自身で十分な調査を行うことが重要です。
転載元:モトリーフール
本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載されているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなどが言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものではありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資料に掲載されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、資金の貸手等となる場合があり得ます。当社の親・子・関係会社は本資料に掲載されている銘柄について取引を行ったことがあるか、今後取引を行う場合があり得ます。掲載されているレポート等は、アナリストが独自に銘柄等を選択し作成したものであり、対象会社から対価を得て、又は取引を獲得し若しくは維持するために作成するものではありません。この資料の著作権は楽天証券に帰属しており、事前の承諾なく本資料の全部または一部を引用、複製、転送などにより使用することを禁じます。本資料の記載内容に関するご質間・ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。