主要顧客はナイキやユニクロ、高い競争力で利益成長見通しが明確
現地コード | 銘柄名 |
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02313 |
申洲国際集団控股 (シェンジョウ・インターナショナル) |
株価 | 情報種類 |
182.00HKD |
株価 企業情報 チャート |
BOCIは中国のニット衣料最大手、申洲国際集団について、受注の好調や優れた経営効率に裏打ちされた利益成長見通しの明確さを指摘している。さらに、業界トレンドの先を見据える経営陣の先見性や、「経済の堀」(他社の参入を阻む高い競争力)の構築を高く評価。株価の先行きに対して強気見通しを示すとともに、同社株の新規カバレッジを開始した。コロナ後には、ナイキやアディダス、プーマ、ユニクロといった主要顧客の販売回復による恩恵が見込めるとしている。
19年に売上全体の72%を占めた主力のスポーツウェア部門は、ナイキ、アディダス、プーマを含む主要顧客からのOEM受注を獲得する上で、有利な立ち位置にある。多様性の高い取引先基盤や主要顧客との長期的な関係により、増収見通しが明確。ファブリック(生地・織物)の研究開発から衣料品の製造に至るまで、優れたワンストップ型サービスを提供できることが同社の強みであり、これが顧客ロイヤリティーの強化や市場シェアの拡大を後押ししている。既存の生産施設はすでにほぼフル稼働状態にあり、同社はベトナムとカンボジアの生産設備の増強を進めている。東南アジアでの生産は、通商摩擦リスクの回避やコストの低減という点でメリットがある。
同社は中国国内で垂直統合型の事業モデルを構築し、強力なファブリックの研究開発体制や迅速な生産システムで他社との差別化を図ったが、この成功体験を海外にも移植。18年までに、ベトナムとカンボジアで垂直統合モデルの構築を完了し、他社の参入を阻む高い障壁を築き上げた。また、主要顧客向けの専用生産施設を設けることで、ブランドのサプライチェーン管理をサポートし、取引先との関係を強化している。
同社はROE(株主資本利益率)やROIC(投下資本利益率)といった収益指標においてもトップクラス。顧客側の旺盛な需要を追い風とした資産回転率と採算性の高さがその背景にある。BOCIによれば、スケールメリットや、取引先に対する価格決定力の高さ(ファブリック研究開発力の高さに起因する)、垂直統合型の事業モデル、衣料品生産施設における優れた労働生産性などが、同社の高い採算性を支える要因という。
BOCIは20-22年の利益成長率が年率平均19%、増収率が同18%に上ると予想。利益見通しや強力な「経済の堀」効果を反映させる形で、21年予想PER(株価収益率)40倍をあてはめ、目標株価を算出した。22年予想PERでは34倍相当となり、テキスタイル銘柄の平均値18.4倍を大きく上回るものの、同社は実際、増益見通しなどの点で同業銘柄と一線を画す(同社の予想増益率は19-22年に年率平均14%、セクター加重平均は8%)。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは主要顧客の需要委縮、生産増強計画の遅れ、予想を上回る人件費や商品価格の高騰、為替相場の変動、政策リスクを挙げている。
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