10月13日:9月の輸出入統計が予想上振れ、国内景気は当面底固く推移か

 税関総署の発表によると、中国の9月の輸出額、輸入額は米ドル建てで、それぞれ前年同月比8.1%、18.7%の伸びを示した。輸出は8月の同5.6%増から加速。輸入も同様に、8月の同13.5%増を上回る伸びとなった。人民元建てでは、輸出が同9%増、輸入が19.5%増(8月は同6.9%増、14.4%増)。季節調整後の9月の輸出、輸入は同5.9%増、13.6%増(8月は同4%増、13.3%増)。1-9月の累計では輸出が前年同期比7.5%増、輸入が17.3%増(1-8月は同7.6%増、16.9%増)だった。また、中国の貿易黒字は9月に285億米ドル。7月の467億米ドル、8月の420億米ドルから一段と縮小している。

 中国の輸出は2017年初めから堅調に推移している。世界経済の回復傾向や工業部門のリフレーションが背景。ただ、前年同期実績が上向くにつれ、今後は段階的に伸び率が減速する可能性が高い。一方、過去数カ月にわたる人民元高(対米ドル相場の上昇)がこの先、輸出にマイナス影響を及ぼすとの懸念も一部にあるが、BOCIはこの点に関して楽観的。元相場の緩やかな変動が輸出伸び率に大きく影響するとは考えにくいとした。対米ドルで元高が進行したとはいえ、その他の一部主要国通貨に対しては逆に、年初からそれ以上のペースで元安が進んだ点を指摘している。

 中国の輸出伸び率について、BOCIはグローバル経済のダイナミクスに左右される部分が大きいとの認識。世界的な景気回復トレンドの持続と前年同期実績の高さを考慮した上で、中国の輸出がこの先、段階的に減速しながらも、一定の伸びを維持する見通しを示した。

 一方、輸入統計は力強く、伸び率が一段と加速している。BOCIは国内経済の底固さや工業分野のリフレ環境を反映しているとの見方だ。品目別に輸入量を見ると、鉄鉱石と原油は依然堅調で、1-9月に前年同期比それぞれ7.1%増、12.2%増。1-8月の同6.7%増、12.2%増から、小幅の加速傾向、あるいは横ばいだった。ただ、輸入額は同32.5%増、27.4%増で、1-8月の35.1%、29.1%から減速傾向を示している。また、金属切削機械の輸入量は1-9月に同24.3%増と、1-8月の同27.1%増に比べやや減速した。このほか、機械製品・電子製品の輸入額は同10.7%と、1-8月の9.4%増から加速。ハイテク製品の輸入額は11.2%と、やはり1-8月の同9.9%増から加速傾向を見せた。

 BOCIは今後、工業製品価格の軟化や、不動産引き締め、レバレッジ(過剰債務)解消といった政策動向を受けた中国経済の減速で、輸入も減速圧力に直面するとの見方。17年の輸入伸び率については前年比13%増との予測を据え置いている。