9月の販売台数が月間最高記録、11月の「Lynk&Co」発売で急成長を予想

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00175

吉利汽車

(ジーリー・オートモービル)

 26.85 HKD
(10/10現在)

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 吉利汽車の9月の自動車販売は前年同月実績の高さもあって減速したが、引き続きかなりの高水準を維持し、販売台数は月別で過去最多を記録した。中でもSUV「博越(Boyue)」の販売台数が予想以上の伸びを示した。11月には、ボルボのプラットフォームを利用した新ブランド「Lynk&Co」が発売される予定であり、これが注目イベントとなる見込み。BOCIはLynk&Coブランドの競争力の高さや洗練されたブランドマーケティングに言及し、中国市場での成功はほぼ確実とみている。Lynk&Coは単なる新ブランドにとどまらず、新たなビジネスモデルを探る上でも可能性が広がるとの見方だ。また、同社を単なる自動車株ではなく“成長株”と位置づけ、PEGレシオ(予想PER÷利益成長率)0.6倍を適用。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。最新目標は2018年予想PERで21.8倍、19年予想PERで16.6倍の水準となる。

 9月の販売台数は前年同月比42.2%増、前月比12.8%増の10万8872台。前年同月比の伸び率が減速したとはいえ、引き続き好調だった。輸出が同0.8%減のわずか2058台にとどまる一方、国内向けは43.4%増の10万6814台。1-9月期の販売台数は前年同期比80.2%増の82万7108台に上り、通期目標(110万台)の前倒しの達成が期待できる状況となった。

 また、9月も製品ミックスの改善傾向が続き、「博越」や「帝豪GS」、「帝豪GL」といった旗艦モデルの販売台数が過去最高を記録した。中でも注目モデル「博越」の販売台数は過去9カ月にわたって2万-2万2000台で推移した後、9月には2万6317台に跳ね上がった。生産能力のひっ迫感が解消されたもよう。BOCIはピークシーズンの到来や生産増強効果の顕在化を理由に、「博越」の一段の販売増を見込む。

 Lynk&Coの第1号モデル「01」は11月に開かれる広州モーターショーで正式にお目見えする見込み。すでにプレマーケティング段階にあるが、BOCIのリサーチによれば、まずはディーラーの約100店舗体制が整い、顧客から良好なフィードバックを得ているという。BOCIはVW、GM、フォード、トヨタ、ホンダなど、マスマーケット向け海外ブランドとの競争において、Lynk&Coが優位に立つ可能性を指摘。さらに「吉利」「Lynk&Co」というダブルブランド戦略による製品構成のバランス化、高付加価値化への期待感を明らかにしている。

 BOCIは「吉利」「Lynk&Co」両ブランドのニューモデル投入が相次ぐとの観測や新エネルギー車(NEV)発表の加速見通しに言及し、同社が向こう数年間にわたって急成長を遂げると予想。販売台数見通しを引き上げ、18-19年の予想純利益を1.7-7.6%増額修正した。また、「帝豪EV」の販売堅調に言及し、成長期待が極めて大きい新エネルギー車市場においても、同社がマーケットリーダーとなる可能性を指摘している。