※モトリーフール米国本社、2021年2月4日投稿記事より

 配当株、とりわけ増配を続ける銘柄は良い投資であり、年10%ずつ配当額が増加すれば、7年と少しで配当額は2倍になります。

 可能性は低くなりますが、毎年20%増配すると、配当額はわずか4年で2倍になります。

 最近20%以上の増配を実施した企業には、アボット・ラボラトリーズ(NYSE:ABT)、ネクスター・メディア(NASDAQ:NXS)、リライアント・バンコープ(NASDAQ:RBNC)などがあります。

1.アボット・ラボラトリーズ

 ヘルスケア大手のアボットは2020年12月に25%もの増配を発表しましたが、これで連続増配記録は49年となり、2021年も増配となれば同社は「配当王」(50年以上連続で増配を続ける銘柄)となります。

 四半期配当額は1株当たり45セント、現在の配当利回りは約1.5%であり、S&P500指数の平均配当利回り1.6%に近い水準ではあるものの、まだ比較的低利回りであることから、同社が大幅な増配を行うのも難しくはありません。

 1月27日発表の第4四半期決算によれば、イリノイ州を本拠とするアボットの売上高は前年同期比28.7%増の107億ドル、純利益は前年同期比2倍以上の22億ドルとなっており、これほど大きな増配を行う自信があるのも当然です。

 総売上高のうち24億ドルは新型コロナウイルスの検査キット関連であり、同社は多くのキットを販売しています。

 最も人気のあるBinaxNOWは15分以内に結果を出すことが可能で、2020年8月に米食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可を取得しました。

 新型コロナウイルスはまだ終息していないことから、検査需要による売上の増加は当面続くでしょう。

 配当性向(純利益に対する配当総額の比率)が約40%であることから、増配を続ける余地はありますが、増配率25%に慣れ過ぎてもいけません。

 前年の増配率は12.5%と平均よりも高めではあるものの、それほど高くはありませんでした。

2.ネクスター・メディア

 テキサス州を本拠とするネクスターは、提携先を含め、198のテレビ局を運営し、全米でテレビを保有する家庭の68%をカバーしています。

 同社も1月に25%の増配を発表しましたが、さらに同社の取締役会は10億ドルを上限とする自社株買いも承認しました。

 これらの施策は、強力なフリーキャッシュフローと株主価値向上に対する長年にわたるコミットメントによるものであると説明されています。

 2019年に20%、2020年に24%の増配を実施しており、こうした増配は珍しいことではありません。

 同社の配当は2013年に始まり、当初わずか12セントだった四半期配当が現在では6倍近い70セントに成長し、配当利回りは2.4%となっています。

 過去12カ月のフリーキャッシュフローは7億2,200万ドルに達し、この期間に支払った配当額9,700万ドルを大きく上回っており、配当性向がわずか18%であることから、同社には大幅な増配を続ける余地があることがわかります。

3.リライアント・バンコープ

 リライアントはテネシー州で銀行サービスを展開する企業で、1月21日発表の第4四半期決算によれば、純利益は前年同期の3倍近い122億ドルに達しています。

 2020年にファースト・アドバンテージ・バンコープとテネシー・コミュニティー・バンク・ホールディングスを合併したことにより、総資産額が2019年末の19億ドルから30億ドルに増加したことが増益の主な要因です。

 決算発表の数日後、リライアントは20%の増配(1株当たり10セントから12セントに引き上げ)を発表し、配当利回りは2.4%弱となりました。

 昨年も、四半期配当を2019年の1株当たり9セントから10セントへ11%増配しています。

 配当性向も14%とかなり低く、事業規模が拡大したこともあり、今後さらなる増配を期待できます。

 ただし、新型コロナウイルス感染拡大のなか経済は脆弱な状態が続いており、当面の業績が確実ではないこと、また地理的な分散ができていないことから、この銘柄については少し注意が必要です。

転載元:モトリーフール

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