今週は、幻のSQ値を突破できるかどうかが注目でしたが、前場にあっさり突破
今週は、上述したように「幻のSQ」を早い段階で突破できるかどうかが注目となります。これまで、2月は「節分天井 彼岸底」と言って要注意の月としていましたが、米株式をみる限り大きな調整はないかもしれません。1月25日(月)の週の1,000円超の下げがスピード調整で終わるかもしれません。この幻のSQをキッカケに高値圏での一服は考えられるところです。テクニカル面では、騰落レシオが12日(金)時点では120と高止まりをしており、25日移動平均乖離(かいり)率も3%を上回る高値警戒感を示してします。
しかし、安心感が出てくるところが、過去の経験則ではリスクが出てくるところでもありますので注意が必要です。世界的な「カネ余り」の動きを見てみると、前回のゲームストップの急騰に続いて、今度は「ビットコイン」の急騰が出てきました。世界の商品市場はマネーゲームとなっています。大豆、トウモロコシといった穀物価格の上昇も目立ちます。こうした投機的な動きをFRB(米連邦準備制度理事会)や米政府が黙って見ているとは思えません。何らかの規制に動けば、最高値更新を続ける3指標に影響が出ることになります。投資を控えてもうけ損なったといっても大損することにはなりませんので高値圏では注意が必要と思われます。
今週の指標:日経平均株価
今週の日経平均も底堅い展開が期待されますが、3万円を試すためには、先週12日(金)の2月SQ値2万9,718円である「幻のSQ値」を早い段階で突破する必要があります。突破できなければ米株式の上昇は継続する可能性が高いので、3万円を試す動きとなります。突破できなければ、数日は利益確定売りに押され2万8,000円台前半までのもみあいとなる可能性もあります。
今週の指標:NYダウ株価
今週も引き続き、バイデン大統領の国民に対する十分なワクチン供給の確保による普及ペースの加速期待で景気循環株のサポートと民主党が共和党の支援なく追加経済対策の成立が高いことで景気回復のペースを後押しするため、株価の上昇材料としてさらに上昇が続くことになります。ただし、上昇スピードが落ちてくることになります。
今週の指標:ドル/円
今週は、先週にFRB議長が景気回復について慎重な姿勢を保ち、当面、長期金利の低下を維持する方針を示したものの、追加の景気対策の成立を前に長期金利が下げ渋るため、ドル売り抑制となって、ドル/円は底堅い動きが想定されます。104~105.5円のレンジを想定。
先週の結果
先週は、SQの週でもあり、米国株の最高値更新を受けて2万9,500円台まで踏み上げられる
先週の予測では、自動車株がこれまでの半導体株の上昇が一服して、入れ替わって上昇しており、10日のトヨタ自動車の決算発表が注目されるとしました。トヨタの決算が予想通りであれば、目先の材料出尽くしとなって日経平均も一服という場合も考えられましたが、その場合でもNYダウの上昇が続けば、日経平均は連動して上昇します。
結果的には、トヨタ自動車の決算が予想を大きく上回る結果となったことで、日経平均は週末には2万9,650円まで上昇しました。コロナショックからの企業の業績回復を象徴するものであり、自動車産業のすそ野の広さを考えると、多くの業種にプラス効果を与えることになります。米株式の上昇も今のところコロナワクチンの米国民への普及の拡大が進んでおり、また、民主党単独で実行できる大規模追加経済対策の成立も期待が高まっており、この成立で材料出尽くしとなるまでは上昇は止まらない可能性があります。そうであればNYダウの写真相場である日経平均の動きも3万円を目指すことになります。
先週は、米国株の史上最高値更新を受けて、日経平均は週始めの8日(月)に+609円の2万9,388円と30年6カ月ぶりの2万9,000円台乗せとなり、その後、2日連続して2万9,500円台に乗せ、休日をはさんだ週末の12日(金)には一時2万9,650円と3万円まであと350円のところまで上昇し、終値では高値警戒感から▲42円の2万9,520円で引けました。
このまま上昇が続くかどうかは微妙な状況で終わりました。週末の12日(金)は、SQ清算日でしたが、オプション2月限は2万9,718円(SQ値)と高く、現物の日経平均は、ここに1度も到達せずに、いわゆる「幻のSQ」となってしまいました。日経平均の終値よりも、かなり高いところでSQ値が決まったことで、早い段階で突破できなければ2万9,718円が上値の抵抗線として意識されることになります。
12日(金)の米国株式は、ワクチン普及の拡大や、追加経済対策の成立期待が高まり、最高値更新が続きました。バイデン大統領はワクチンの2億回分を追加契約したことを発表し、合計6億回分のうち7月までに3億人の全国民に行き渡るとしました。経済活動の早期再開期待が続き、3指標は最高値更新となっています。シカゴの日経先物は+235円の2万9,615円でした。
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