※モトリーフール米国本社、2021年1月28日投稿記事より

 レジェンド投資家ウォーレン・バフェット氏がCEO(最高経営責任者)を務めるバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)は1965年から2019年までの55年間、平均で年20.3%のリターンを上げています。

 合計リターンはなんと2,744,062%で、1964年末に100ドルを投資していれば2019年末に数百万ドルになっていた計算になります。

 割安かつ永続的な競争力を持つ会社を見つけることに定評のある“オマハの賢人”ことバフェット氏が売り買いをすれば、ウォール街も個人投資家も大いに注目します。

 そのバフェット氏、そしてバークシャーで参謀を務めるトッド・コームズ、テッド・ウェシュラーの両氏が2021年に買う可能性のある4銘柄を、以下に挙げます。

バンク・オブ・アメリカ

 バークシャーのポートフォリオで2番目に大きな割合を占めるバンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)は、買い増しされる可能性が大いにあります。

 上場銀行株には持分10%という保有制限が原則としてありますが、リッチモンド連邦準備銀行は昨年、バンク・オブ・アメリカ株を24.9%まで保有することをバークシャーに認めました。

 同行は米国の大手商業銀行で業績の金利感応度が最も高く、景気回復の過程でイールドカーブがスティープ化していき、2024年に連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを再開すれば、金利収入が最も増えることになります。

 これを見越してバフェット氏が買い増す可能性は、十分にありそうです。

 同行はコスト削減という面でも非常に優れています。

 デジタル化の試みが成功して、ネットバンキングやモバイルアプリの利用が増えており、これは支店の統合や非金利費用の削減につながるでしょう。

 バフェット氏は同行の株主還元策も買っています。同行はコロナ禍が始まった時点で総額370億ドルの株主還元プログラムを実施している最中でした。

 この目標額には当分届きそうにありませんが、十分な収益性を維持し続ける限り、株主還元は再燃するでしょう。

ファイザー

 同じく買い増しされる可能性の高い医薬品株が、ファイザー(NYSE:PFE)です。

 同社がバークシャーのポートフォリオに加えられたのは2020年第3四半期(7-9月期)でした。

 バフェット氏は臨床試験のデータに左右される医薬品株を避けがちなため、おそらくコームズ氏かウェシュラー氏の担当と思われます。

 同社は米国で緊急使用許可を受けた2つのコロナワクチンのうち1つを手掛けるメーカーで、世界の医薬品市場で今最も収益性が高いとされるコロナ関連市場で大きなシェアを確保することになりそうです。

 がん治療の部門も、乳がん治療薬「イブランス」を筆頭に2桁ペースで売り上げを伸ばしています。

 エスタブリッシュ医薬品(特許が満了した標準的治療薬)を扱うアップジョン部門が分社化されたことで、今年はがん治療薬と稀少疾患治療薬が売上成長の両輪となる形が鮮明になりそうです。

 バークシャーは数四半期にわたって投資ポジションを形成することが多いため、ファイザーの買い増しは大いにあり得ると言えるでしょう。

Tモバイル

 通信大手のTモバイル(NASDAQ:TMUS)も、バークシャーによる今年の買い増しが十分に考えられる銘柄です。

 ファイザー同様、2020年第3四半期にポートフォリオに組み入れられています。

 2020年4月に完了したスプリントとの合併により、Tモバイルは加入者を増やし、元スプリントのユーザーはエリアが広く信頼性の高いワイヤレスネットワークを利用できるようになりました。

 もともとは解約率が高かったスプリントを取り込みましたが、2020年第3四半期(7-9月期)の後払い方式携帯電話解約率は0.90%に抑えることができました。

 合併後、有料サービス利用契約者数は1億人を突破し、第3四半期の新規加入者数は過去最高の203.5万人でした。

 5Gネットワークの構築で先行していることが、加入者急増の大きな要因になっています。

 大手通信会社で売上成長率が最も高く、家庭用インターネットサービスも展開している同社を、2021年にバークシャーが買い増すことは十分に期待できそうです。

バークシャー・ハサウェイ

 少しひねった形になりますが、最後の候補はバークシャーの自社株です。

 2018年6月から2020年9月までの間に、バフェット氏らは約220億ドル相当の自社株買いを実施し、うち157億ドルは2020年に買っています。

 昨年の大半にわたり、同社株は簿価を15%~30%上回る水準で取引されていました。

 これに対し、2013年から2019年までの年末時点では、株価は簿価より30%~60%高い水準にありました。

 つまり、2012年以来となる割安な水準になっているということです。

 同社はキャッシュと同等物、短期投資証券等を1,450億ドル以上保有しており、その一部を自社株買いに充てることは、昨年ほどの水準ではないにしても、十分に期待できます。

転載元:モトリーフール

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