先週は、米国株高と選挙で与党大勝の期待で一方向の上昇となり20年ぶりの高値へ

先週の予測

 SQの週だが北朝鮮リスクが落ち着いていれば、上値を試す動きとしました。前週の日経平均の上昇は、インデックスに絡んだ値ガサ株中心の上昇。強い材料が出て商いが増加し、2015年6月のアベノミクス高値を突破できれば、カラ売りが多くあるため踏み上げとなって2万1,000円を突破していくことも想定しました。

結果

 米国株式は史上最高値を更新する動きが続き、IMF(国際通貨基金)が世界経済見通しで日本のGDP(国内総生産)の成長率を上方修正したことも追い風となりました。また、衆院選での与党の過半数を超える予想が出たことで、アベノミクス加速期待も高まり、一本調子の上昇となって週末の13日(金)は、+200円の2万1,155円と約21年ぶりの2万1,000円台乗せとなりました。

 3連休明けの10日(火)は、北朝鮮の労働党創建記念日であることから朝方は手控えで売り先行となりました。しかし、売り一巡後は北朝鮮リスクが和らぎ為替も落ち着いていたことで、景気や決算期待からプラスに転じ+132円の2万823円と6日続伸。

 11日(水)は、前日のNYダウが最高値を更新したことを受け+57円の2万881円と7日続伸し、2015年6月24日の終値ベースでの高値2万868円を超えて引けました。

 12日(木)は、前日の米国株式が3指標とも最高値更新となったことや、2018年3月期第2四半期(7~9月期)への期待感が相場を支え、翌日にSQを控えてカラ売りの買い戻しも活発化。日経平均は2015年6月24日のアベノミクス相場のザラ場での高値2万952円を上回る+73円の2万954円と8日続伸となりました。

 SQ清算値の13日(金)は、SQ清算に絡んで買い先行で始まり、SQ値は2万957円でしたが、後場になると先物主導で一段高となり、一時+256円の2万1,211円まで上昇しました。ただ、週末要因もあって利益確定売りで上値が重くなり、+200円の2万1,155円に。1996年11月29日以来、約21年ぶりに2万1,000円台を回復しました。外国人投資家が先物買いに動き、つれてインデックス買いが強まりファーストリテイリングが上昇するなど指数寄与度の高い株が買われました。

 13日(金)の米国市場は、経済指標や金融機関の決算がマチマチだったものの、世界株高の流れが続き、3指標そろって反発。為替は9月CPI(消費者物価指数)や小売売上高が予想を下回ったことで、為替は1ドル=111.69円まで売られ111.87円の円高に。シカゴの日経先物は+80円の2万1,240円でした。

 16日(月)は、先週末の米国株高を受け+66円の2万1,221円と買い先行で始まり、先物主導で上げ幅を拡大。一時+191円の2万1,347円まで上昇しました。

 決算への期待や22日の選挙開票で与党の優勢のまま進むとの見方が投資家心理を改善させています。しかし、後場になると利益確定売りに上値重くなり+100円の2万1,255円で引けました。


今週は、選挙で与党優勢を織り込みながら、いったん目先ピークも

今週の予測

 先週末に約20年ぶりの2万1,000円台を回復し、目標達成感も出ているところですが、需給関係を見ると、ここから上は真空地帯です。ここからの動きは2つのパターンが考えられます。

 1つは、目先は22日(日)の開票に向かってアベノミクス加速期待からもう少し上昇するものの、テクニカル指標の過熱感や北朝鮮リスクもあるために、いったんピークを打って調整に入るケース(日柄調整となる可能性)、2つ目は外国ファンド中心に先物主導で値ガサ株が買われ、さらに上昇し、何かのキッカケで急落するというケースです。今のところ前者の可能性が高いかもしれません。その場合の上値のメドの1つとして、4月17日の1万8,224円の安値から6月20日の高値2万318円までの上昇幅が約2,100円、直近の安値9月8日の1万9,239円ですので、ここから同幅の上昇だとすると2万1,339円となり、2万1,300円が1つの上値ゾーンとなります。これをさらに大きく超えて上昇していくようだと、2つ目のパターンが考えられます。
 

(指標)日経平均

先週の予測

 10月10日の北朝鮮の労働党創建記念日に特別の動きなければ、アベノミクス相場の高値2015年6月の2万952円が意識されるとする一方、テクニカルな過熱感に警戒感が出ているとしました。米国株式の株高が続けば、サポートされて2015年8月の高値を試すこと想定。

結果

 北朝鮮情勢は落ち着いたままであり、米国株式の上昇は継続。IMF(国際通貨基金)による世界経済成長の上方修正もあり、日経平均は先物主導で一本調子の上昇となり、アベノミクス相場の高値を軽くクリアーし、週末の10月13日(金)は+200円の2万1,155円と20年10カ月ぶりの2万1,000円台乗せとなりました。

今週の予測

 先週末に9連騰となって2万1,155円と約20年ぶりの2万1,000円台となり、テクニカル指標にも過熱感がみられることから、目先は目標達成感が出る可能性があります。このまま上昇が続けば値ガサ株中心となっていますので、キッカケ次第で急落、そうでなければもみあって目先のピークを付けにいき、そこからいったん調整という2パターンが考えられます。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 3指標が、4日連続最高値更新が続いているため、警戒感が出る可能性があること、7~9月期決算シーズンに入るため個別物色となっていく可能性もあることを想定しました。

結果

 週前半は高値圏でもみあったあと、10月11日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録公開の内容をみるとハト派的な内容だったことで(ゆるやかな利上げ見通し)で、3指標そろって最高値更新となりました。10月12日(木)は3日ぶりに反落となりましたが、週末の10月13.日(金)は3指標そろって反発し、しっかりした動きとなりました。

今週の予測

 先週のFOMC議事録公開でインフレ懸念が示されたものの、年内の追加利上げ路線に変更は見られなかったことで、当面は7~9月期決算発表に注目することになります。決算発表への期待は株価を支えそうです。ただし、18日の中国共産党大会前後に、北朝鮮のミサイル発射の可能性もあり、また、トランプ大統領がイラン核合意を認定しない意向表明したことで地政学的リスクからは目が離せないタイミングでもあります。高値圏でのもみあい継続となりそうです。


(指標)ドル/円

先週の予測

 北朝鮮リスクはあるものの前週の9月雇用統計を受けて追加利上げ期待が高まりやすく、ドルの堅調を想定。ただし、11日公表のFOMC議事録がさらなるドル買い要因となるかどうか注目するところとしました。

結果

 公開された11日のFOMC議事録の内容にインフレ弱含みの懸念が示されたことで、インフレ見通しの引き下げ懸念が広がり、金利先高感が後退。さらに、13日の消費者物価指数や小売売上高が予想を下回ったことで長期金利が低下し、1ドル=111.69円まで売られました。想定よりもややドルが売られました。

今週の予測

 米国市場では、先週の流れを引き継いでドルの上値は重たい状況。ただ、日本市場では衆院選で自民・公明で300議席を上回る大勝の予想となっており、アベノミクスの加速の期待が円売りへ安心感につながりそうです。日米で強弱感がやや対立する状況ですが、基本的にもみあいながら円安の流れとなりそうです。111~114円のレンジを想定。