3月の株主優待銘柄

 3月の優待株は、月末が平日続きのため、権利付き最終日が3月29日(月)、権利落ち日が30日(火)、3月31日(水)が優待の権利確定日になります。3月29日(月)までに株を買って、翌30日(火)まで保有すると優待の権利を所得できます。土日を挟まず月末ぎりぎりの慌ただしいスケジュールになるので、計画性を持って取引しましょう。

 コロナ禍もあり優待株投資が曲がり角を迎える中、優待最盛期3月の権利確定銘柄は787銘柄(※)と他の月に比べて突出して多くなっています。銘柄数があまりに多いので、優待内容や株価水準を見て選択と集中を心がけることが必要です。今春以降、新型コロナ感染症も収束に向かうと考えるなら、これまで大打撃を受けてきた外食や百貨店、航空・鉄道・旅行関連株の底値買いを狙うのも一つの考え方でしょう。
※楽天証券 株主優待検索より

 そんな優待激戦月3月の第1位は全優待株の中でも人気No.1の座にあるリース会社のオリックスです。3月末の年1回、100株以上なら一律で商品1点を選べる「ふるさと優待」は、宮城県の牛タン詰合せから山口県の真ふぐ詰合せまで、選べる地方特産品の数や豪華さが際立っています。3年以上継続保有すると、贈呈品が豪華になったり、もらえる量が増量されます。

 オリックスはコロナ禍の今期も配当を減額しない高配当株としても知られるので、3年以上保有して長期優遇優待を狙うのにはぴったりの銘柄といえるでしょう。ふるさと優待以外にも、オリックスレンタカーの基本料金30%オフなど特典満載の「株主カード」が贈呈されます。

 第2位日本航空。100株保有の場合、3月末の年1回、国内線全路線を対象に普通運賃が50%割引される株主割引券1枚やツアー割引券が贈呈されます。200株になると3月、9月の年2回各1枚、300株だと3月は2枚、6月は1枚と1,000株までは1枚ずつ50%割引券が増えていく仕組みになっています。

 第3位も同じ航空会社のANAホールディングス。こちらも国内全路線で多くの場合、半額割引を受けられる株主優待番号案内書が贈られます。100株保有では3月末、9月末の年2回、各1枚もらえるので、株数に応じた割引券の枚数はJAL以上です。グループ傘下のホテル、パック旅行の割引など数々の株主特典もついてきます。

 ただし、日本航空もANAホールディングスもコロナ禍による航空旅客の激減で財務内容が大幅に悪化。ともに昨年、公募増資に踏み切って株式数が増えたため、株価も低迷しています。ANAにいたっては2020年9月中間期の決算短信に「継続企業の前提に関する重要事象等」がある旨が記されています。

 通常、本連載では継続企業の前提に重大事象や疑義注記がある場合、ランキング外としていますが、ANAホールディングスは非常に人気の高い優待銘柄なので、あえて掲載しました。4月以降、コロナが収束に向かって飛行機を使った国内外の往来が回復すれば業績回復による株価の反転上昇も見込めそうです。ただ、コロナの収束が遅れた場合、さらなる株価下落も考えられるので十分に注意してください。

 第4位は、家電や住宅設備の量販店ヤマダホールディングスです。100株保有で、3月末に1,000円分、9月末に2,000円分、合計3,000円分の買物優待券がもらえます。3月末株主には1年以上2年未満の継続保有で1,500円分、2年以上なら2,000円分、9月末株主には1年以上の継続保有で500円分の追加の買物券も贈られます。1年以上保有なら100株で年間合計5,000円分、2年以上なら5,500円分の買物券をもらえるので、長期保有がお勧めといえるでしょう。

 第5位KDDI。100株保有で3月末の年1回、同社通販サイト「au PAY マーケット」から全国47都道府県のグルメ品3,000円相当を1品選べます。5年以上保有すると5,000円相当にグレードアップ。昨年優待から各都道府県のグルメ品が2つに増えるなどラインアップも充実し、オリックスのふるさと優待と肩を並べる豪華さです。

 第6位タカラトミーの株主限定玩具優待。100株保有で3月末の年1回、株主限定特別企画の「トミカ」2台が贈られます。2,000株以上なら、オリジナルの「リカちゃん」人形一体ももらえます。また、3月、9月の年2回、公式通販サイト「タカラトミーモール」での買物が100株保有だと10%割引(上限10万円)になる株主割引制度もあります。

 第7位日本電信電話(NTT)のdポイント優待です。同社は2019年末の株式分割にともない、2020年3月末から優待制度を新設したことで、優待株としての人気が上昇中です。優待内容は、3月末の年1回、2年以上3年未満の保有で、コンビニなどでも気軽に使えるキャッシュレス決済のdポイントが1,500円分贈呈されるというもの。2年保有というハードルがありますが、高配当株でもあるので、長期保有して配当・優待の両取りを狙いたいものです。

 第8位三越伊勢丹ホールディングス。3月末株主に同社店舗での買物・飲食が10%割引になる優待カードが贈呈されます。保有株数に応じて利用限度額が設定され、100株保有なら30万円の支払い総額まで10%割引に。店舗内で開催される文化展・美術展の一部に無料で入場できるのも百貨店優待の魅力です。

 第9位は回転ずし店などを展開するアトム。3月と9月の年2回、100株保有で優待ポイント2,000円分がもらえます。同社は外食大手コロワイドの子会社のため、「甘太郎」「かっぱ寿司」など同グループの店舗でも優待ポイントを利用できます。親会社コロワイドの優待は500株以上(約46万円の投資金額)が条件のため、保有期間の制限もなく、10万円以下の資金でより手軽に取得できる同社の優待が人気です。

2021年度はコロナ克服、優待株復活の1年になる!

 日経平均株価は2021年に入って2万8,000円の大台を突破するなど30年前のバブル後最高値を更新し続けています。しかし、実際に株価が上昇している採用銘柄はファーストリテイリングやソフトバンクグループ、東京エレクトロンなど、優待制度のない、一部の値がさ株のみ。多くの日経平均株価の採用銘柄は2020年2~3月のコロナショック以降、株価が大きく下落したままです。

 株式市場全体を見渡しても、外食、百貨店、航空など優待株が多いセクターはコロナ禍の直撃を受け業績不振に陥っている企業が多く、これまでは株式市場の「負け組」的な位置にありました。

 しかし、4月からスタートする2021年度はワクチン普及も進み、必ずやコロナ禍を克服できるはずです。少しでも明るい未来が見えてくれば、低迷していた優待株の業績も正常化し、好転に向かうはず。そういう意味では、今年の3月優待株祭りは特別です。長い目で見た株価の反転上昇にも期待しながら、頻繁に優待を利用できるような銘柄を長期保有する絶好の時期といえるかもしれません。

 中でも、オリックス、ヤマダホールディングス、KDDIなど継続保有で優待優遇制度のある株は長期保有目的で購入するにはいい時期といえるかもしれません。

3月株主優待 人気ランキング

1位 オリックス

優待発生金額※1:178,300円
オリックスの優待品例: 施設等利用割引等

順位 コード 銘柄名 優待品例 優待発生金額※1
2 9201 日本航空 運賃割引券等 206,000円
3 9202 ANAホールディングス 運賃・料金割引券等 231,700円
4 9831 ヤマダホールディングス 買物割引券 53,900円
5 9433 KDDI 商品カタログギフト 321,100円
6 7867 タカラトミー 自社商品購入割引等 94,000円
7 9432 日本電信電話 自社ポイント 268,800円
8 3099 三越伊勢丹ホールディングス 買物割引カード 70,100円
9 7412 アトム 自社ポイント 92,100円
10 3397 トリドールホールディングス 飲食割引券 156,900円

最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>>

※この記事は銘柄を推奨するものではありません。
※売建可能数量や日歩は、楽天証券ウェブサイトにログインいただくとご覧いただけます。
※株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては最新の株主優待情報を各上場会社のホームページ等にてご確認ください。
※1優待発生金額 = 前営業日終値(2月4日) × 優待獲得最低株数*で計算した金額です。
※このランキングは楽天証券での保有されているお客様の人数が2021年2月4日時点で多い順番です。

「株主優待検索」のやり方

 3月の人気優待銘柄を「株主優待検索」で調べる方法を解説します。ログインは必要なく、どなたでもお使いできます。

 ※スマートフォンでお読みの方は、上記をクリックすると、「楽天証券スマートフォン専用サイトへ移動しますか?」とポップアップが出ます。「OK」をクリックしてください。スマホでも、PC版とほぼ同じ検索が行えます。
 ※楽天証券ウェブサイトのトップページから、「株主優待検索」を開く場合は、「国内株式」→「株主優待」とクリックしてください。次に、水色の文字で「株主優待検索」と出ているところをクリックしてください。

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