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『ナスダック市場』は、米国を代表する株式市場の一つであり、マイクロソフトやアップル、アマゾン・ドット・コムなど、ハイテク企業や注目度の高い企業が多く上場しています。新規公開企業数が多いのですが、上場廃止となる企業も多く、常に新陳代謝を繰り返す、競争の激しさが特徴です。『ナスダック市場』は新興市場ですので、値動きは激しいですが、長期的には高い成長性が魅力です。
【ポイント1】IT技術を積極的に活用して誕生した『ナスダック市場』
『ナスダック市場』はニューヨーク市場と並ぶ米国を代表する株式市場です。『ナスダック市場』は世界最大の新興企業向け店頭市場(*1)ですが、店頭市場を監督する全米証券業協会(NASD)は、1971年に店頭取引に関する情報を集約するナスダック(NASDAQ)(*2)というシステムを導入し、米国店頭市場の相場情報のオンライン配信システムをスタートさせました。これにより、米店頭取引市場は「世界で初めて立会場を有しない株式取引の場」となる『ナスダック市場』へと変貌しました。いわば、当時のIT技術を積極的に活用して誕生したのが『ナスダック市場』です。
(*1)店頭市場とは相対で取引をする市場。(*2)NASDAQは全米証券業協会自動気配表示システム(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)と呼ばれる電子システムの略称です。
【ポイント2】新陳代謝を繰り返しつつ、米国・世界をけん引する企業を輩出
『ナスダック市場』は順調に拡大し、2020年12月末の上場企業数は2,933社です。また、ナスダック総合指数の時価総額は同19.1兆ドル(1,968兆円)と、10年間で4.7倍に拡大しました。同期間のS&P500種指数の時価総額は2.8倍ですので、『ナスダック市場』の成長性が際立っており、魅力的です。しかし、新興市場であるがゆえに、銘柄の出入りが大きいのも特徴です。2010年代の年平均新規公開企業数は136社であるのに対して、上場廃止は127社です(FactSet調べ)。厳密な情報開示が課されているため、公開基準は緩やかで上場しやすい反面、常に新陳代謝を繰り返す、競合の厳しい市場が『ナスダック市場』です。
こうした新陳代謝を生き抜いた世界屈指の企業が、マイクロソフト(情報技術)、アップル(情報技術)、アマゾン・ドット・コム(一般消費財・サービス)、アルファベット(コミュニケーション・サービス)、フェイスブック(コミュニケーション・サービス)、テスラ(一般消費財・サービス)などです。
【今後の展開】『ナスダック市場』は今後も米国の新興成長市場の中心を担うと期待
『ナスダック市場』には、時価総額上位100社の銘柄で構成されるナスダック100株価指数があります。銘柄数では『ナスダック市場』の約4%にもかかわらず、時価総額では7割を超える選りすぐりの銘柄群です。2020年には、同指数に、最近よく利用されるようになったオンライン会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(情報技術)、新型コロナウイルスのワクチンを開発したモデルナ(ヘルスケア)が採用されました。『ナスダック市場』はこうしたその時代の最先端技術を駆使した企業が多く存在します。『ナスダック市場』は今後も米国の新興成長市場の中心を担うと期待されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
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