本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは104.05

下値メドは103.25

環境問題にモノ言う投資家。森林破壊続けるブラジルの国債は「買わない」

 26日(火曜)のドル/円は103円台後半で横ばい。103.73円でオープン、東京時間夕方につけた103.83円が高値で、NY時間に103.55円まで下押して安値。終値103.62円。

 クロス円はドル/円よりはアクティブで、ユーロ/円は125.69円まで下げてから126.16円まで反発。豪ドル/円も79.60円まで下げてから80.34円まで反発。ただ、レンジの上下を確認するだけで新しい展開にはつながりませんでした。豪ドル/円の今週上下の注目レベルは?今日の注目通貨をご覧ください。

 ロックダウンが続く欧州ではコロナワクチン不足が言われEU(欧州連合)圏外へのワクチン輸出の規制強化が行われるなか、アストラゼネカ製ワクチンの65歳以上への予防効果が低いという理由から、EUが承認しない可能性があるとドイツ紙が報道。ワクチン展開の成功は今年の経済回復の必須条件であり、株高を支える材料なだけに注意したいニュース。日本のワクチン接種開始がさらに遅れる心配もあります。

 2021年最初のFOMC(米連邦市場委員会)会合が、26、27日の予定で行われています。FOMCは今夜(日本時間明日早朝)に政策金利を発表、米国経済の見通しに関して声明を発表。その後パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は記者会見を行います。

 今回のFOMC、マーケットは「サプライズなし」と予想。足許の経済データ不振(小売売上高、新規失業保険申請など)に対して過度の落胆を示すことはない。かといって、ワクチン展開やバイデン景気刺激策に過度の楽観を示すこともしない。パウエル議長のコメントはバランスを保った内容になるでしょう。

FRBをはじめ多くの中央銀行は、すでに「緩和縮小」に向けて準備を開始。この日はECB(欧州中央銀行)のビルロワドガロー理事が「インフレは一時的に2%を超える可能性がある」と発言していました。

 しかし、FRBのパウエル議長が緩和縮小について今語ってしまうと、未然の引き締めになってしまうので、絶対にできない。その一方で、超緩和状態を長く放置すればするほど、その日が来た時の金融市場の混乱は大きくなります。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

ドル/円 1時間足チャート

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の一言

「評価損」などというものはない。評価損イコール実現損だ – ジム・ロジャース。

FRBの政策でインフレの暴走は止められない?

 FOMCは昨年12月の会合で、強力な緩和政策の継続を決定し、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を0.00%から0.25%に据え置きました。利上げは早くて2024年上半期の予想。

 記者会見でパウエルFRB議長は、米景気の先行きに対して強い懸念を示すものの、新しい緩和政策の発表はなし。期待されていた債券購入の満期延長も見送り。FRBからのシグナルは「中央銀行としてこれ以上できることはない。ここから先は政府(財政)の仕事である。」

 それに応えてバイデン大統領は約200兆円にものぼる景気刺激策を提案。金額は議会で揉まれるうちに小さくなっていくのでしょうが、それでも大型であることには変わりない。これからの懸念は、急速な景気回復と引き換えに、急速なインフレが発生する可能性があることです。

 パウエル議長は、インフレ期待を押し上げるための新しい政策ツールとして平均物価目標を導入することを発表しました。FRBは長い間インフレ率2%を政策目標としていますが、いつしか2%がインフレ率の「天井」であるとの印象をマーケットに与えてしまった。インフレ率が2%になる前にFRBは利上げするだろうという警戒感が、逆にインフレ期待値を圧迫した。その反省から平均物価目標を採用するに至ったといわれています。平均物価目標によって、インフレが上昇しても(たとえ目標値2%を一時的にオーバーシュートしても)利上げしないことをFRBは約束したことになります。

 しかし実際のところ、平均物価目標ついての詳細な説明はなく、インフレ率のオーバーシュートはどこまで、どれくらいの期間まで許容するのかもはっきりしない。FRBが細かい数値を示さないことで、政策の自由度を確保しているともいえます。マーケットが考える手前から利上げすることも可能性としてゼロではないし、そのような発言をしている連銀総裁もいます。しかし重要なのは、平均物価目標を採用するかぎり、長期金利の急上昇を抑制することはできないことです。

今日の注目通貨

豪ドル/円:今週のレンジ予想:79.03円から81.04円 

 今週の豪ドル/円のブルベアの分かれ目は80.03円。80.03円より上ならば豪ドル買いが優勢、80.03円より下ならば豪ドル売りが優勢。

 楽天証券が昨年末に実施した相場アンケート調査の結果によると、回答した個人投資家の29%が、76.50円より「豪ドル安/円高に動く」と予想しています。反対に80.00円より「豪ドル高/円安に動く」は17%しかいません。残り53%は76.50円から80.00円のレンジ相場を予想。現在の豪ドル/円はそのレンジの上限付近に位置しています。

83.89円 : 2018年 12月 高値

82.50円 : 2018年 09月 高値
82.47円 : 2018年 10月 高値

81.43円 : 第4レジスタンス (HBO)
81.04円 : 第3レジスタンス

80.93円 : 2021年 01月 高値
80.66円 : 第2レジスタンス
80.54円 : 第1レジスタンス

80.03円 : ピボット

79.85円 : 2018年 11月 安値
79.79円 : 2020年 12月 高値
79.53円 : 第1サポート
79.41円 : 第2サポート 
79.03円 : 第3サポート 

78.85円 : 2021年 01月 安値
78.64円 : 第4サポート  (LBO)
78.69円 : 2018年 09月 安値
78.55円 : 2018年 10月 安値

76.55円 : 2020年 12月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成