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消費者物価指数予測:4月、5月に2%超、コア指数は5月に2%
大規模な金融緩和が世界的に行われています。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、物価について長い期間でみて平均2%以上を目指す方針で、一時的に物価上昇率が2%を超えることがあっても容認し、すぐに利上げにはつながらない旨の考えを示しています。
金融緩和の動向を左右する物価ですが、今後どのように推移をしていくのか、米国の消費者物価指数とPCEデフレータについて予測をしていきたいと思います。
まずは、消費者物価指数についてみていきましょう。直近の2020年12月の数値は前年同月比+1.4%、コア指数で+1.6%となっています。
米国消費者物価の推移(2019年1月~2020年12月)
消費者物価指数は食品やエネルギーは価格変動が大きく予測が難しいですが、今後の予測においては単純化して、食品・エネルギーを除いたコア指数の直近値である年率1.6%で上昇していくものと仮定します。また、季節による特有の値動きの影響があるので、本来であれば季節調整をすべきですが、ここでは季節調整はしないものとします。
今後の予測は次のようになります。
消費者物価指数で4月、5月に2%を超える値に、コア指数で5月に2%の値となっています。
PCEデフレータ予測:4月、5月に2%、コア指数は4月、5月に1.9%
次に、PCEデフレータをみていきましょう。FRBは消費者物価指数よりもPCEデフレータのほうを重視しているとも言われています。直近の2020年11月の数値は前年同月比+1.1%、コア指数で+1.4%となっています。
米国PCEデフレータの推移(2019年1月~2020年11月)
今後の予測において、コア指数の直近値である年率1.4%で上昇していくものと仮定します。また、季節調整はしないものとします。
PCEデフレータで4月、5月に2%に、コア指数で4月、5月に1.9%の値となっています。
消費者物価指数、PCEデフレータが2%を超える状態は一時的?
昨年の4月、5月にはコロナウイルス感染拡大の影響で都市のロックダウンの動きもあって物価の値が低かったため、本年の4月、5月の消費者物価指数、PCEデフレータの予測値が2%前後と高くなっていると考えられます。6月以降はいずれの予測も2%を下回る値となっていて、2%を超える状態は一時的にもみえます。
ただ、昨年の11月以降、小麦、大豆、とうもろこしといった穀物価格が上昇し、原油価格、プラチナ、銅、鉄鉱石、液晶パネル、半導体といったさまざまなものが値上がりをしてきています。物価の動向はFRBの金融緩和の動向を左右するため、本年4月、5月の値が一時的なものになるのか、引き続き注視していきたいと思います。
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