本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは104.80

下値メドは102.70

コロナの影響は今後10年続く。1300年代のペスト流行の記録をもとに学者が予測

 週明け25日のドル/円は103円台後半で横ばい。103.71円でオープン、下は103.67円まで。NY時間にダウ平均株価が430ドル超下げるとリスクオフのドル買いで103.94円まで反発。終値は103.77円。

 ユーロは下落。この日のユーロ/ドルは前週末の高値に迫るものの届かず、高値1.2183ドルまで。その後1.2116ドルまで下落。同じくユーロ/円も前週末の高値(126.40円)に届かず126.37円が高値。その後125.81円まで下げて安値をつけました。

 今週のユーロ/円、ブルベアの分かれ目は126.02円。サポート、レジスタンスの詳しいレベルは今日の注目通貨をご覧ください。

 ユーロは、今月に入ってから急に悪材料が目立っています。ドイツのロックダウン延長に続き、フランスも今週中にロックダウンを実施予定。さらにイタリアの政治不安。去年から始まったユーロ高トレンドがここで途切れると判断するのはまだ早いですが、短期的にはさらに下落リスクがありそうです。

 米国議会では、共和党の重鎮マコネル上院院内総務が「バイデン大統領の景気対策は焦点がぼけている」と批判を開始。バイデン大統領は約200兆円の景気刺激策を披露しましたが、マーケットがその大胆な金額を称賛する時期は過ぎ、これからは金額がどれだけ「縮小」するのかという現実的な話に関心が移っています。バイデン案のうち、州政府に対する援助、最低賃金の値上げは現実的には難しいといわれています。さらに上院でトランプ大統領の弾劾裁判が始まるなかで、速やかに予算が通るかという現実的な問題もあります。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

ドル/円 週足チャート

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 

今日の一言

能力の低い人ほど自分を過大評価する。権力を得た人ほど共感能力が低くなる。

世界の投資家を悩ませる最大の「謎」

 世界の投資家を悩ませている最大の「謎」。それは最悪の経済と株価のかい離です。世界経済は明らかに悪化しているのに、なぜ株価が史上最高値か、あるいはそれに近い水準で取引されているのか。

 コロナウイルスの感染大流行によって、世界経済は数百年ぶりとはいわないまでも、この数十年間で最も急激かつ深刻な同時不況に陥りました。それにもかかわらずNY株式市場は史上最高値を更新し続けています。2020年のダウ平均株価を振り返ると、 2月に急落して一時1万8,000ドル台まで値下がりしたものの、その後11月には初めて3万ドル台の大台に乗り、その後も勢いは止まらず。日本の株式市場では、2020年の日経平均株価の16%高となって、年末終値としては史上最高値を付けた1989年(3万8,915円)以来31年ぶりの高値水準。実態経済と金融市場のかい離は広がるばかりです。

 今月発表された米国の12月雇用統計では、失業率は6.7%で高止まりするなかでNFP(非農業部門の雇用者)は前月比で14万人も「減少」。しかし、マーケットが動じることはなかった。バイデン大統領が国民1人あたり約14万5,000円の直接給付を含む200兆円規模の景気刺激策を発表する前のデータということでスルーされたのです。むしろ「悪くてよかった、その方が景気対策はデカくなるから」と、今日の経済が悪いほど明日の経済回復は強くなるという超前向きの理屈で、株価が上昇。

 世界株高の原動力は、世界の主要中央銀行と中央政府による金融・財政支援であることは確かです。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、「予測できる将来にわたって、FRBは低金利政策を継続する」と言明。FRBが「預金するなら、株を買いなさい」と指示しているようなものです。マーケットには「中央銀行(FRB)には、絶対に逆らうな」という格言があります。

 しかし好景気と低金利は永遠に続かない。景気が回復しないというおそれは薄れましたが、一方でインフレ急上昇のリスクが高まっています。株高が流動性(緩和政策)によってつくりだされたとするなら、中央銀行が流動性を止めたときどうなるか。株価に実態経済が近づくよりも先に、株価が実態経済に近づくことも起こりえます。

 多くの中央銀行は、すでに「緩和縮小」に向けて準備を始めています。緩和縮小について今語ることは、未然の引き締めとなってしまうので、FRBとしては絶対に避けたい。しかし、長く放置すればするほど、その時が来た時金融市場の混乱は大きくなる。今週はFOMC(米連邦市場委員会)が開かれます。

 

今日の注目通貨

ユーロ/円:今週のレンジ予想:124.71円から127.33円 

 今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は126.02円。126.02円より上ならばユーロ買いが優勢、126.02円より下ならばユーロ売りが優勢。

129.25円 : 2018年12月 高値 

127.83円 : 第4 レジスタンス(HBO)
127.50円 : 2019年 高値(19年03月01日)
127.49円 : 2021年01月 高値 
127.33円 : 第3 レジスタンス

126.83円 : 第2 レジスタンス
126.80円 : 2019年04月 高値 
126.68円 : 第1 レジスタンス

126.02円 : ピボット

125.37円 : 第1 サポート
125.21円 : 第2 サポート 

124.71円 : 第3 サポート
124.35円 : 2020年12月 安値
124.21円 : 第4 サポート (LBO)

123.01円 : 2020年10月 安値

121.69円 : 2020年11月 安値

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成