今週の予想

今週も引き続き、2万8,000円台を中心に一進一退の動きを想定

 今週の日本市場は、上場企業の2020年4-12月期の決算発表が本格化し、業種によって新型コロナウイルスの感染拡大の影響が決算状況にどう表れるのか注目となります。

 好業績は、半導体を中心とするハイテク業種で、これが好調であれば日経平均のサポート要因が続くことになり、逆に飲食小売業などは深刻な決算も多く足を引っ張ることになります。

 決算の発表が終わるまでは、好業績の個別銘柄中心の相場となりますので、日経平均は引き続き一進一退の動きが想定されます。日経平均は、4週連続の週足で陽線となっていますが、2万9,000円を前に上値の重い展開が続いており、市場ボリュームをみても一気に3万円を突破するような状況ではありません。上に行くためにも、いったんスピード調整なり日柄調整がほしいところですが、米株式が堅調で、キッカケがつかめないといえます。

 当面は「上げ続ける相場はない」「節分天井、彼岸底」などの格言を念頭に置きながらの投資行動となります。用心して、もうけ損なったとしても実害はないのですから、無理して飛び乗って大きく損をするよりもいいことだと考えるべきところです。

 米国もバイデン政権になって、今後の金融政策がまだ明確になっていませんので、確認が必要です。

今週の指標:日経平均株価

 今週も先週と同じように日経平均は、2万8,000円台中心の動きが想定されます。

 今週、国内では2020年4-12月期決算発表が本格化。新型コロナの影響がプラスの業種と、マイナスの業種が明確に分かれることになります。

 日経平均の指数をサポートするハイテク企業の業績は回復が見込まれる半面、サービス業は新型コロナの影響が深刻です。

 また、バイデン新米大統領のもとでの米金融政策も焦点となります。

今週の指標:NYダウ平均株価

 引き続き、アップルを筆頭にハイテク株の決算発表の好調な結果が想定され、ハイテク株主導の上昇の可能性がある一方で、バイデン新政権の戦略の不透明さも出てくるところです。1.9兆ドルの大型経済政策は、民主党の内部からの反対の声に加え、野党共和党からの反対意見も強く、実現が難しいという見込みが高まっています。

 また、次期米財務長官のイエレン氏は議員の質問に対する返答書の中で、所得税、法人税、キャピタルゲインを引き上げる方針を示しており、マイナス材料となり、高値圏でのもみ合いとなりそうです。

今週の指標:ドル/円

 今週は、FOMC(米連邦公開市場委員会)会合を材料に、もみ合いとなりそうです。金融緩和に前向きとみられる、複数の地区連銀総裁がFOMCの投票メンバーになったことで、金利先高感が後退することになります。

 また、経済指標が予想を下回れば、ドル売りとなって株価も一服する可能性があります。

 ワクチン普及期待が高まれば景気回復期待でドル買い材料となりますので、そういう場合はもみ合いが続くことになりそうです。

先週の結果

先週は、週始め下落するも米株堅調で、上値は重いながらも昨年来高値更新

 先週の予測では、14日(木)に、NYダウ平均株価の連続最高値更新を背景に、2万8,979円と2万9,000円に接近し、3万円の期待もありましたが、NYダウが下に振れれば連動することになるとしました。

 前週末のNYダウがバイデン次期大統領の大型追加経済対策1.9兆ドルの発表で目先材料出尽くしとなったことで、一時▲407円の2万8,111円と大幅下落。このため、調整も考えられるとしましたが、連休明けの米国株式が戻りを試し、主要3指標とも最高値更新となったことで、日経平均も上値は重いものの2万8,756円と1990年8月以来の高値更新となりました。ただし、上値を追っていくには材料不足で、本格決算の週に入っていきます。

1月18日(月):前週末にかけてのNYダウの3日続落を嫌気し、日経平均は▲280円の2万8,238円で寄り付き、一時▲407円の2万8,111円まで下げました。この日は米国がキング牧師の生誕で祝日のため、材料不足で動きにくく、後場には大引けにかけて2万8,200円台近辺での推移となり、終値は▲276円の2万8,242円でした。 

19日(火):イエレン次期財務長官が、新型コロナ対策で必要ならば、さらに追加の経済対策を取るとの考えを示したことで、米株先物が一段高となり、日経平均は+163円の2万8,405円で寄り付いた後、一時+427円の2万8,669円の高値をつけました。さらに後場になると上げ幅を拡大し、+478円の2万8,720円まで上昇して、終値は+391円の2万8,633円と3日ぶりの大幅反発となりました。 

20日(水):前日の米国市場がイエレン発言を好感し、NYダウは4日ぶりに反発したことで、日経平均は+165円の2万8,798円で寄り付きました。しかし、19日の上昇でイエレン発言を織り込んでおり、先物にまとまった売り物が出て、一時▲231円の2万8,402円まで下げ、終値は▲110円の2万8,523円と反落しました。 

21日(木):前日の米国市場では、バイデン米大統領の正式就任で、新型コロナ対策法案への期待、さらに新型コロナ・ワクチンのスムーズな普及による景気回復期待、ネットフリックスの急伸もあって、主要3指標そろって最高値更新となりました。これを受けて日経平均は2万8,846円まで上昇(1990年8月以来の高値水準)し、終値は+233円の2万8,756円の大幅反発となりました。 

22日(金):高値警戒感から▲176円の2万8,580円で寄り付き、一時▲229円の2万8,527円まで下落しました。その理由の一つに、日本の政府関係者の話として東京五輪を中止せざるを得ないと、非公式に結論づけたということが、英タイムズ紙に載ったためでした。その後、下げ幅を縮小するものの、大引けにかけて上値重く、戻りは限定的で▲125円の2万8,631円と反落しましたが、値下がり数は1,400(値上がり数694)超えでした。

日本市場の引け後の米国市場:マチマチの動きでした。好決算発表期待を背景にアップルなどのハイテク株は上昇し、ナスダックは3日連続の最高値更新でしたが、NYダウはバイデン大統領の1.9兆ドルの追加経済対策に反対する声が民主党の中から上がったことで、法案の早期成立が不透明となり、▲179ドルの3万0,996ドルと反落しました。シカゴの日経先物は▲20円の2万8,610円でした。