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利用者同士のコミュニケーションを目的としたソーシャル・ネットワーキング・サービス(『SNS』)は2000年代半ばより普及しはじめ、現在も裾野を拡大しています。国内の『SNS』利用率は2019年時点で7割近くにのぼり、高齢層の利用者増加も目立っています。近年では企業等による『SNS』を利用した宣伝手段も多様化しており、コロナ禍におけるEコマース需要の増加なども背景に、今後も重要な位置を占めていくと思われます。
【ポイント1】『SNS』時代となった21世紀
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(『SNS』)とは、一般的に利用者同士のコミュニケーションを目的とした会員型のサービスのことを指します。代表的な『SNS』である「Facebook」は、2004年に大学内限定のサービスとして誕生し、2006年には一般公開されました。その後、2020年9月時点では全世界27億4,000万ユーザーの利用まで広がりました。同じく2006年にサービスが開始された「twitter」も同時点で1億8,700万の個人・団体ユーザーが日常的に利用しています。
『SNS』は、従来のホームページなどと異なり、リアルタイムに相互の情報発信が可能であることから、2010年頃に中東を中心に勃発した「アラブの春」など、社会的な現象を引き起こすきっかけになったと指摘されるほど、影響力を持つ存在となりました。近年では、米国トランプ前大統領が頻繁に利用するなど要人の情報発信手段としても浸透しており、『SNS』の認知度はより高まっている状況です。
【ポイント2】国内『SNS』利用率は高齢層でも上昇
総務省によると、国内の『SNS』利用率は2019年に69.0%(2018年60.0%)となっています。年代別の利用率は、20~29歳(2019年87.1%、2018年78.5%)が最も高くなっていますが、70~79歳(2019年40.7%、2018年23.6%)、80歳以上(2019年42.8%、2018年16.9%)と高齢層の利用増加も目立っています。
【今後の展開】企業の『SNS』利用の重要性は今後も続く見込み
近年の『SNS』における特徴の一つとして、企業等による宣伝利用の多様化があげられます。2020年、国内企業関連で最も増加した「twitter」ハッシュタグ(『SNS』投稿内容を分類・検索するためのキーワード)はローソンによる「#エルチキ食べたい」でした。一定条件下における同ハッシュタグ投稿が抽選申し込みにあたり、自動的にユーザーが自社や商品を宣伝するという拡散構造となっています。こうした形式のハッシュタグ投稿は他企業でも増加しており、『SNS』利用が自社アカウントによる一方的な発信にとどまらない状況がうかがわれます。
コロナ禍によるEコマース需要拡大や、『SNS』利用率のさらなる上昇から考慮すると、『SNS』は企業等の宣伝において、今後も重要な位置を占めると予想されます。
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