本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは104.30

下値メドは103.15

投資家が下を向くとドルは上を向く

 22日(金曜)のマーケットは雰囲気が悪化、いわゆるリスクオフの動きが強まりました。リスクが下向きになるとドルは上向くという関係で、この日のドル/円は上昇。103.49円でオープンして安値103.46円をつけてから上り調子になり、NY時間に高値103.89円まで上昇。終値は103.77円。

 ユーロ/ドルは高値1.2190ドルをつけ、1.22ドルを手前にもみあい。ユーロ/円も上昇、NY時間にこの週の高値126.40円をつけました。豪ドル/円は約2週間続く79.50円から81.00円のレンジ内取引。

 ロックダウン(都市閉鎖)を強化したドイツ政府は、今年の経済成長見通しを下方修正。ジョンソン英首相はロックダウンが夏まで続く可能性を示唆。英国では景気指数のサービス業PMIが景況判断の50を大きく下回る38.8まで悪化しているが、今後さらに悪化する懸念。欧州ではワクチン不足も伝えられています。米国ではバイデン大統領の就任とともに景気刺激策の話題も一巡、増税やインフレなどの不安材料に関心が移っています。

 今週の重要イベントはFOMC(米連邦市場委員会)そしてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見(27日)。経済指標では米国、ドイツ、カナダのGDP(国内総生産)。豪、ドイツ、日本のCPI(消費者物価指数)も注目。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

ユーロ/円 1時間足チャート

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の一言

万物は他者のもの、時間のみ自分のものである – セネカ

コロナ後に加速する「雇用なき回復」

 米国の製造業生産高は好調。意外と思うかもしれませんが、ほぼコロナ前の水準まで戻っているのです。ところが今月発表された米国の最新雇用統計によると、非農業部門雇用者数は▲14万人と採用に急ブレーキがかかっている。先週発表された新規失業保険の申請件数は90万台で高止まり。

 雇用減のなかでの生産高増加という事実は、米経済が「雇用なき回復」へ進んでいることを示すものです。技術の飛躍的進歩がもたらす生産性向上の期待が高まるほど、この傾向に拍車がかかるでしょう。このことはコロナ後の米雇用市場における長期的な懸念を浮き彫りにしています。

 今週は、2021年最初のFOMCが開催されます。雇用市場の見通し、そして米金融政策との関連についてFRBがどのような見解を示すのか注目。

 クラリダFRB副議長は、「新型コロナの直撃を受けたレジャーや接客業を別にすると、雇用状況は見出しの数字が示すよりもバランスが取れている」と指摘しています。FRBの見解は「雇用縮小は一時的。」これ以上の緩和政策には慎重です。事実、FRBだけでなく世界の中央銀行は「コロナ緩和は終わり」で、今年は「緩和縮小」をメインシナリオに据えようとしています。BoC(カナダ中銀)総裁も「金融政策はすでに十分に刺激的であり、カナダ経済はこれ以上の緩和を必要としない」とはっきり述べています。

今日の注目通貨

ドル/円:レンジ予想レンジ:102.98円から104.50円 

 今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は130.74円。130.74円より上ならばドル買い優勢、130.74円より下ならばドル売り優勢。

106.11円 : 2020年 10月 高値 (10月07日)

105.68円 : 2020年 11月 高値

104.79円 : 第4レジスタンス(HBO)
104.75円 : 2020年12月 高値
104.50円 : 第3レジスタンス
104.40円 : 2021年01月 高値
104.21円 : 第2レジスタンス 
104.12 : 第1レジスタンス

103.74円 : ピボット

103.36円 : 第1サポート
103.27円 : 第2サポート
103.18円 : 2020年 11月 安値

102.98円 : 第3サポート
102.87円 : 2020年 12月 安値
102.69円 : 第4サポート(LBO)
102.59円 : 2021年 01月 安値

101.17円 : 2020年 安値(20年 03月09日)

ドル円1時間足 チャート

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成