今週の予想

基本的には様子見の態勢で

 先週は、これまでの上昇の流れの中で、バイデン次期米大統領の大型経済対策への期待を背景に米株式が上昇。これに連動して日経平均株価も1月14日(木)には2万8,979円と2万9,000円に接近しました。ただしこれは、為替が円安に振れたことをきっかけにした、半導体関連株を中心とするハイテク値ガサ株が相場を引っ張る形での上昇でした。

 このタイミングでの米国の追加大型経済対策の発表によって、目先材料出尽くしとなり、NYダウ平均株価が下落すれば、日経平均も連動することになります。米国では20日の大統領就任式で、これまでのトランプ米大統領に端を発する政局も一段落することで、政局を無視して上昇してきた相場や、新型コロナウイルスの再拡大の悪化が続く中で、将来の景気回復期待を織り込んでおり、いったん調整が必要になると思われます。

 今は新規に買っていくところではなく、調整のタイミングを待って買い場を探すところと思われます。20日の大統領就任式の前後から、2月上旬の節分の時期までが、その可能性があるところです。今週は様子見で押し目を待つスタンスといえます。

今週の指標:日経平均株価

 これまでの日経平均株価はNYダウに合わせて急上昇してきただけに、NYダウの動きが止まると、今週は一服する可能性があります。

 バイデン氏が次期米大統領に就任する20日(水)から2月上旬の節分の時期までは要注意といえます。どこかでスピード調整が起きても、調整後は再び上値を追うことになりそうです。「節分天井、彼岸底」となるのかどうか注目です。

今週の指標:NYダウ平均株価

 20日の米大統領就任式が注目となります。反バイデン氏のトランプ米大統領の支持グループの動きが警戒されており、厳重な警戒態勢のもとでの就任式となります。これが終わるまでは様子見となりますが、終わったことを好感して再上昇となるのか、それともすでにバイデン氏の経済対策を織り込んでおり、そのまま一服するのか、見通しは不透明です。

 ただし、下落となってもFRB(米連邦準備制度理事会)が大規模緩和を解消する方向にないことから、相場のサポート要因となります。

今週の指標:ドル/円

 米長期金利の伸び悩みや、新型コロナウイルスの感染拡大や米経済指標のさえない結果を受けて、欧米株式の下落やリスク回避の円買いの材料が増えつつあり、クロス円が下落してドル/円がツレ安(円高)する可能性があります。1ドル=103~104.5円のレンジを想定しています。

先週の結果

5日続伸で2万9,000円接近後、週末、目先材料出尽くしで反落

 先週の予測では、前週末のバイデン次期大統領が大型の追加経済対策の発表で、NYダウは3日連続の最高値更新となったことで、日経平均も連動し引き続き堅調な上昇が続く、ただし、日経平均は基本的にNYダウに連動しており、バイデン次期大統領の追加の大型経済対策の具体的発表があれば、材料出尽くしとなって上昇は目先一服してもおかしくないとしました。

 結果的に米株式の順調さにサポートされ、3連休明け日経平均は3日連続の上昇(前週からは5日連続)となりました。週後半は14日(木)にバイデン次期大統領の追加の経済対策(新型コロナ対策)の1.9兆ドルと予想通りの発表から目先材料出尽くしとなって、NYダウは時間外でも下落。週末の15日(金)の日経平均は▲179円と6日ぶりの反落となりました。

1月12日(火):日本が休日の11日(月)に、米株式は高値警戒感から主要3指標そろって5日ぶりに反落したことを受け、日経平均は▲134円の2万8,004円で寄り付き、▲239円の2万7,899円まで下げました。しかし、売り一巡後は持ち直し反発して+25円の2万8,164円と3日続伸となりました。 

13日(水):前日の米国市場は、バイデン次期政権による追加経済対策への期待で主要3指標が小反発。また長期金利の上昇を受けて、ドル買い・円売りの方向に動いたことで、品不足のため期待の大きい半導体などの電子部品が買われ、東京エレクトロン、TDKなど日経平均の指数を引っ張る銘柄が買われ、+292円の2万8,456円の大幅高となりました。 日経平均は、日経225先物がグングン上昇して、これに引っ張られての上昇となっていました。その理由は、日経225の売り方が踏み上げられており(空売りの買い戻しによる上昇)、これが続けばまだまだ上昇することになります。

 株価は基本的には需給関係で上昇するのであり、売りより、買いの力が強ければ、空売りの買い戻しも入って上昇していくことになります。問題は、その買い戻しが終わって日経平均が高いところまで来てしまうと、急落という局面が起こるころになります。今はそれがなかなか起こらないのは出遅れた投資家が、ある程度下がったところで押し目買いを入れているからです。 

14日(木):前日の米国市場は、NYダウは小反落でしたが、ハイテク株が堅調なため、日経平均は▲13円の2万8,442円で寄り付いた後、為替の1ドル=104円台前半を好感し、値ガサハイテク株中心の上昇相場が継続。後場には一時+522円の2万8,979円と2万9,000円に接近し、終値は+241円の2万8,698円と5日続伸となりました。 

15日(金):日経平均は+79円の2万8,777円で寄り付き、+122円の2万8,820円まで上昇するものの、時間外のNYダウ先物の下落が重しとなり、利益確定売りで朝高後、下げに転じ、一時▲221円の2万8,477円まで下げました。終値は▲179円の2万8,519円と6日ぶりの反落となりました。

引け後の米国市場:追加経済対策の材料出尽くしに加え、注目の12月小売売上高は予想を下回り、また、予想を上回ったものの、金融機関の株価が大きく下落したことを嫌気し、NYダウは一時▲378ドルまで下落し、終値では▲177ドルとなりました。シカゴの日経先物は▲140円の2万8,320円でした。