今日のポイント

・今年は、世界の政治不安が深まる中、世界同時の景気回復が継続。日経平均株価は業績拡大期待を受け、高値更新。解散総選挙で与党優勢の見通しが出ていることも買い材料に。

・先週、1ドル111円台に円高が進んだため、今週の日経平均は上値が重い可能性も。

 

政治不安が続く中、業績拡大期待から日経平均の上昇が続く

 先週の日経平均は1週間で464円上昇し、2万1,155円となりました。好調な企業業績を評価して上昇する「業績相場」が始まっていると考えられます。ここで、日経平均の過去1年10カ月の動きを簡単に振り返ります。

日経平均週足:2016年1月4日~2017年10月13日

出所:楽天証券マーケットスピードより作成


 日経平均の動きは、以下の3つの局面に分けて説明できます。

◆2016年1~6月

 世界景気が悪化、世界中に政治不安が広がり、円高が進む中、外国人の売りによって日経平均は急落しました。

◆2016年7~12月

 世界景気が一斉に回復し始め、世界の政治不安がやわらぎ、円安が進む中、外国人の買いによって日経平均は急騰しました。

◆2017年1~10月

 世界同時の景気回復は継続。ただし、世界の政治不安はどんどん深まりました。為替は当初円高が進みましたが、最近は円安が進んでいます。

 そうした環境のもと、政治不安が深まる局面(4月、8月)では、外国人の売りが増えて日経平均は一時急落。しかし、景気・企業業績が好調であるため、政治不安が緩む局面で、外国人の買いで急反発しました。

 10月に入り、日本の景気・企業業績が好調であることを見直す形で、日経平均の高値更新が続いています。
 

解散総選挙で、自民党敗北の可能性が減ったと解釈されたことが株高を後押し

 先週は、複数の世論調査結果から、希望の党の支持が伸びず、与党が安定多数を確保するとの見通しが広がりました。外国人投資家は、アベノミクス継続が望ましいと考えていることから、与党優勢の報道を受けて、日本株をさらに買い増ししたと考えられます。
 

ドルの上値は重いまま

 2016年前半はドル安(円高)が進んだことが、日経平均急落の背景となりました。逆に、2016年後半は、ドル高(円安)が進んだことが、日経平均急騰の背景にあります。
 ただし、2017年に入ってからは、ドル円にやや方向感がなくなっています。

ドル円為替レート:2016年1月4日~2017年10月13日

出所:楽天証券マーケットスピードより作成


 米国の金融政策を決めるFRB(米連邦準備制度理事会)は、6月まで利上げを続けてきましたが、9月は利上げを見送りました。一時、利上げ打ち止めの見通しも出て、8月にはドル安(円高)が進みました。

 ただし、その後、好調な米景気を背景に、12月に再び利上げをするのはほぼ確実との見方が拡大。12月利上げの見通しを受けて、8月後半以降は、再びドル高(円安)が進み始めていました。ただし、1ドル113円の壁は厚く、足元、1ドル111円台まで円高に戻っています。
 
 今週の日経平均は、円高を受けて、やや上値が重くなる可能性もあります。