新年度入りとなった先週の国内株市場ですが、週末4月7日(金)の日経平均終値は18,664円でした。前週末終値(3月31日の18,909円)から約245円安となり、軟調な展開が目立っています。
(図1)日経平均(日足)の動き(2017年4月7日取引終了時点)
改めて、足元の状況を上の図1で確認します。
足元の相場が軟調であることは見た目だけでもわかりますが、とりわけローソク足の陰線の多さがその印象を深くしています。先週末(7日)時点で、陰線が7日連続で出現しています。陰線は「終値<始値」を表している線のため、安値圏で買いが入っても売りの勢いを跳ね返せないことを意味しています。このことは、先週の値動きが5日移動平均線を上値の抵抗として機能していることや、下ヒゲが比較的長いローソク足が多いことなどからも窺えます。
また、25日移動平均線が75日移動平均線を下抜けしつつある「デッドクロス」を見せているほか、7日(金)の取引時間中には18,517円の安値をつけ、これまでの年初来安値(1月8日の18,650円)を更新しています。
前回はレンジ相場の行方が注目点となり、年初来安値を維持できるかを注目ポイントとして挙げました。そのカギを握るのは、25日移動平均線と75日移動平均線が「デッドクロス」で、これが実現してしまうと下げが加速する可能性があるとしました。
つまり、デッドクロスが出現してから下げのピッチが早まる可能性を想定していたのですが、実際のところは、下げが加速する流れに乗ってデッドクロスが出現する格好になっており、思っていた以上に相場は下方向への意識を強めていると考えることができます。
ちなみに、下げピッチが早まっていることはMACDの動きを見てもわかります。
(図2)日経平均(日足)とMACD(2017年4月7日取引終了時点)
上の図2を見ると、大きく窓空けし、直近の下落のきっかけとなった3月22日にMACDがシグナルを下抜けクロスして相場のムードが変わり、0円ラインを下抜けたタイミングで下げが加速しています。
図1、図2の日足ベースのチャートからは、日経平均は短期的な下落トレンド入りしていると言えます。では、中期的には堅調地合いを示していた週足チャートではどうでしょうか?
(図3)日経平均(週足)の動き(2017年4月7日取引終了時点)
先週末の時点で、日経平均は終値ベースで26週移動平均線の水準を下回ってしまいました。これは昨年8月以来になります。そして、この26週移動平均線を下向きの13週移動平均線がデッドクロスしてしまう予兆を感じさせるような位置取りなっています。相場が崩れたとは言えないまでも、黄色信号が灯っていることは間違いなさそうです。
今週は週末にオプション・mini先物のSQを控え、需給の思惑で株価が大きく動く可能性もあり注意が必要ですが、短期的にも中期的にも日経平均は踏ん張りどころの週となります。この水準で下げ止まる目安として考えられるのは、前回も紹介したエンベロープ(25日移動平均線)のマイナス3%水準や、最初のトランプ相場の上場が一旦止まってもみ合った昨年11月24日〜12月7日のレンジになるからです。大体、18,222円〜18,746円の範囲になりますので、この水準をキープできれば戻りを試すシナリオが浮上する可能性があります。
基本的には「下げたところを拾う」投資スタイルが基本ですが、足元は下げの勢いが警戒されていますので、短期の動きに乗るのでなければ、やや慎重な対応が求められる局面といえそうです。
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