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2020年の主要な株式市場は、新型コロナ感染拡大による経済活動の影響が深刻化した3月にかけて急落しましたが、その後は各国・地域による積極的な金融・財政政策と経済活動の再開を契機に反発に転じ、上昇基調に復帰しました。この間、国内外の株式市場では、新型コロナがもたらすニューノーマル(新常態)への適応度合いや業績動向の差を背景とした『2極化』相場が展開されました。
【ポイント1】新型コロナの影響を受け『2極化』が進展
2020年の株式市場は新型コロナの影響を大きく受けた一年となりました。TOPIX(東証株価指数)はコロナ禍により一時年初来30%近い下落となりましたが、足元は若干のプラスとなっています。ただし、その中身を見ると新型コロナがもたらすニューノーマルへの適応度合いや業績動向の差から、『2極化』が進展しました。
TOPIX業種指数でみると、世界的にデジタル化の動きが加速していることから「情報通信業」や「電気機器」の株価が大きく上昇しており、巣ごもり需要の恩恵が大きいゲーム企業が含まれる「その他製品」も好調です。一方、移動制限などにより旅行・ビジネス共に需要が減少した「空運業」の株価は大きく出遅れており、景気悪化の影響を大きく受ける「銀行」や「鉱業」、「石油石炭」などエネルギー関連の株価も厳しいままです。
【ポイント2】同じ業種内でも個別銘柄の『2極化』が進む
同じ業種にあっても、コロナ禍が成長機会となる企業の株価は上昇し、非接触化など生活様式の変化が逆風となる企業の株価は出遅れとなっています。
好調な「電気機器」でも、デジタル化の恩恵を受ける東京エレクトロンや日本電産の株価は好調ですが、ビジネス需要が減少しているキヤノンやリコーの株価はさえません。
また、「小売業」はおおむねTOPIX並みの上昇率ですが、ニトリHDは在宅勤務の増加から机やいすなどの需要が強く、好調な業績を背景に株価は堅調です。
【今後の展開】構造改革による収益性の改善に期待
足元、新型コロナワクチンの開発が進み、米英などでは接種が開始されたことから、景気回復に対する期待が高まり、『2極化』の巻き戻しも一部で進んでいます。ただし、コロナ禍によってもたらされた時代の変化はもとに戻らないものもあると考えられ、企業はニューノーマルに適応するよう構造改革を進め、自助努力によって収益力の改善を図っていくことが求められます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
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