本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは103.95

下値メドは103.10

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

実態経済から離れていく株式市場

今日のレンジ予想 

飛んでイスタンブール
光る砂漠でロール

 CBT(トルコ中銀)は、今夜(24日)の会合で利上げを決定して、政策金利を15.00%から、16.50%あるいは17.00%まで最大200ポイント引き上げる可能性があります。

 ただでさえ流動性の低いトルコリラですが、クリスマスイブで欧米のトレーダー不在の今夜は、突発的に動くリスクもあるので注意が必要かもしれません。

 世界の中央銀行が利下げや緩和政策の継続を表明しているのに、なぜCBTは利上げするのか?背景には国内物価の高騰があります。最新の消費者物価は前年比+14.03%に上昇。なかでも目を引くのは、食料品の価格が2割以上高騰していること。CBTは今年の9月と11月に利上げを実施して、政策金利を8.25%から15.00%引き上げています。(グラフ参照)

 それでも物価上昇率に追いつかない。利上げが嫌いなトルコのエルドアン大統領も、食料品物価の高止まりが国民の不満となって支持率を失うことを心配して、中央銀行の邪魔はしないでしょう。

 CBTは金融政策の正常化に向けて、極端な融資拡大などのインフレ誘因リスクの高い政策を次々廃止しています。CBTのタカ派的政策がトルコリラのこれ以上の下落を防いでいるともいえます。もし今夜、CBTがマーケットを失望させることになれば、薄いマーケットでトルコリラ急落もありえます。

 では利上げすれば、それでリラ安の問題解決かというと、そうではありません。他にも理由はあります。今日の注目通貨をご覧ください。

出所:楽天証券が作成

主要指標 終値

出所:楽天証券が作成

23日のドル/円のNY市場終値は103.55円

 前営業日の終値比▲0.05円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の注目通貨

トルコリラ/円: 予想レンジ 12.75円 から 14.05円

 リラ安の原因は、低すぎる金利だけなのかというと、それだけではありません。米国のみならず欧州との外交関係の悪化という大問題をトルコは抱えています。

 米国とは、トルコがロシア製ミサイルシステムを購入したことで、米国から制裁を受けました。欧州とは東地中海のガス田権益を巡っての対立で、EU(欧州連合)もトルコに対する制裁を検討中。トルコの問題は一国に限らず、中東の地政学的緊張や難民問題と密接な関係があるので、米欧とも制裁は形式的なものにとどまっています。しかし、トルコの外交問題はこれまでもたびたびトルコ暴落の引き金となっているので来年も安心できません。

出所:楽天証券が作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。