年の瀬も迫り、ふるさと納税で寄付できる12月31日までのカウントダウンが始まっています。ふるさと納税コンサルタント・くみくみさんに、くみくみさんが注目する「ステキ返礼品10」と、2020年のふるさと納税7大ニュースを聞いてみました!まずは、さまざまな自治体と連携し、上質な返礼品をたくさん見てきたくみくみさんがお勧めする、12月中まだ寄付できる、ステキ返礼品10から!

まだ間に合う!ステキ返礼品10

1.絶対美味しい マグロ 天然 南鮪 大トロ中トロ 赤身 セット 1kg

自治体:静岡県焼津市
販売期間 :2020年10月29日08時00分~2020年12月31日23時59分
価格 :20,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 焼津市は海の町らしく海産物を中心に、日本酒、コーヒー、果物などトップクラスの返礼品数。どちらかと言うと目玉商品よりその数が特徴だったのに、本当に美味しいまぐろを発見!まぐろと言っても天然南鮪は高級魚。自治体を代表する返礼品を食べ比べるイベントで出会った天然南鮪はシルクのような舌触りで冷凍とは思えない美味しさ。私だけではなくその場にいた参加者からも大絶賛。味はもちろんのこと、大トロ、中トロ、赤身と食べ比べができる楽しみ方もできるので、年末年始、食卓を彩る一品としてもおすすめです。

2.話題性No.1 コロナ支援 高タンパク・低カロリー・低脂肪 えぞシカ肉セット(ブロック肉)

自治体:北海道白糠町
価格 :9,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 国民的スターがシェフを演じたドラマへの提供、都内一流レストランでの取り扱い、返礼品を競うイベント、感謝祭、SNS、今年一番目にしたのがこのお品。2020年露出度No.1の返礼品!ジビエ肉と聞いて調理法に怯んでしまうかもしれませんが、地元では普通にBBQで焼いて食べる気楽な食材。私も煮込み料理で美味しく料理できました。でもこの美味しさ、猟師さんの言葉を借りると、「鹿が死んだのがわからないよう一瞬でしとめる」腕の良さやすばやい処理があってのこと。けっして当たり前の美味しさではないのに、こちらも現在コロナに影響を受けた寄付額になっていて、事業者支援の面でもおすすめです。

3.美味しく使い勝手がいい、お得、コロナ支援 おおさきうなぎ(鹿児島県産うなぎきざみ)10袋セット

自治体:鹿児島県大崎町
販売期間 :2020年10月29日08時00分~2020年12月31日23時59分
価格 :12,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 このきざみうなぎの良さはお茶碗1杯を食べるのにちょうどよい個包装になっているところ。小腹がすいた時、お弁当のおかず、お酒のつまみ、ちらし寿司、色んなシチュエーションで量を調整しながら食べられます。実はきざみと言ってもお肉の切り落としのように端っこを集めたような物ではなく、正規品を食べやすく切っただけのもの。食欲をそそる甘辛のタレもよくからみ、実際には1パックでは足りないとおかわりしてしまいしまうかも?

4.絶対美味しい、常温保存 十勝ハーブ牛の無添加コンビーフセット 白・黒<95g×8缶>

自治体:北海道上士幌町
販売期間:2020年04月01日00時00分~2020年12月31日23時59分
価格 :20,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 個あると言っても95gの小さな缶に20,000円の寄付はなかなかの贅沢。でもこれ、素材は十勝ハーブ牛と塩だけ(黒缶は塩こしょう)しか使われていない満場一致のおいしさ。塩を加えただけでこんなにも味わい深くなるの?と首をかしげてしまいますが、無添加だからこその美味しさなのでしょう。小さく思える一缶でも、中はほぐし出すのが難しいほどぎっしりと詰まっていて、サンドイッチにしてもコンビーフ丼にしても想像以上に使える量。ちょっとしたお裾分けにも喜ばれこと確実。特に駆け込みの方には、常温・長期保存のメリットもあるおすすめ品。

5.つまみにもおかずにもなる万能選手 大量 本格手焼き!炭火焼鶏4kg(ゆずこしょう付) - 鶏炭火焼 500g×8P 計4kg

自治体:宮崎県都城市
販売期間:2020年12月01日09時00分~2020年12月31日23時59分
価格 :15,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 大好きなおすすめ返礼品。炭火焼鶏で有名な宮崎県の中でもこちらの炭火焼鶏は職人さんによる手焼きで、さらに美味しさの幅が広がるゆずこしょう付き。小分けのパックタイプもあるけど量的には断然こちらがおすすめ。冷凍庫のスペースさえ確保できれば、炭火焼鶏丼、お酒のつまみ、夜食、色んな使い方ができる万能選手。手焼きゆえに大量生産できず売り切れの事も多いのですが、今なら2月以降の届け日を選んで申し込めます。

6.入手しにくい 日用品 おもいのフライパン 20cm 世界で一番お肉がおいしく焼けるフライパン

 

自治体:愛知県碧南市
価格 :40,000円

 

◆くみくみさんの注目ポイント!

 TVなどメディアで取り上げられ、一時は数年待ちになるほど話題になりました。職人により丁寧に作られた鋳物のフライパンは熱伝導率の関係でお肉が美味しく焼けると評判。また、無塗装なので塗装剥がれを心配する必要もなく、使えば使うほど油が馴染み味わい深くなる一生物。黒くて無骨なカッコよさは出しっぱなしも絵になります。料理好きの方、自宅での食事を充実させたい方、一生物の調理器具を求めている方におすすめです。ふるさと納税で届いた美味しいお肉、これで焼いたら最高だろうなぁ。今なら1カ月程で届くそうです。

7.人気の果物 大量 【令和3年産先行予約】山形の洋梨マリゲットマリーラ 約10kg(14~30玉)5kg×2箱

自治体:山形県山形市
販売期間:2020年11月06日00時00分~2021年03月31日23時59分
価格 :10,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 果物王国山形。山形県というだけでどんな果物を頂いても間違いなさそうですが、量重視で欲しい方にこっそりと教えちゃいます。あまり聞き慣れない品種ですが、マリゲットマリーラはラフランスのようなとろりとした食感の洋梨。発送時期が令和3年9月中旬~10月の先行予約で、果物好きな方だけではなく返礼品を分散させたい方にもぴったり。ただ1つ、洋梨は食べ頃が一気にきてしまうので食べきれないまま柔らかくなってしまうかも?大人数、果物はいくらでも食べたい、お裾分け前提の方におすすめ。

8.人気の果物 大量 梨 南水<訳あり品>[16~32玉] ※2021年9月下旬~10月中旬発送

自治体:長野県豊丘村
販売期間:2020年11月02日09時00分~2021年08月20日23時59分
価格 :10,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 人気の果物系からもう1つ。訳ありでも大量にあるのが嬉しい人におすすめ。来年発送、分散メリットから紹介していますが、この手の人気果物大量系は、いざ旬の時期に申し込もうと思ってもその時にあるかどうか? やはり見つけた今がチャンス。この他、豊丘村は訳ありじゃなくても桃やぶどう、りんごなどの果物も評判がよいので、果物好きにとってはまめにチェックするとよい自治体さんです。

9.人気のお米 最大級の量でコロナ支援 みんなでのりきろう米 14kgひとめぼれ(5kg×2袋+2kg×2袋)

自治体:岩手県一関市
価格 :10,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

 なんと言ってもひとめぼれ14kgは最大級の量。令和元年度産というコロナ支援品なのですが、13度以下の低温倉庫で保管した低温熟成米。もちろん普通に食べても問題はないのですが、チャーハン、お寿司、炊き込みご飯など料理法によってはむしろ味が馴染んで良いそうです。内訳も使い勝手のよい5kg、2kgがそれぞれ2袋。このお品は出たばかりのあまり知られていない隠しネタ。今なら便利な定期便も残っているので、新米にこだわらず育ち盛り、大家族、お弁当など、大量にお米を消費するご家庭におすすめです。

10.【定期便 12回コース】海の幸も山の幸も存分!満喫コース 全部違う定期便

自治体:福井県坂井市
価格 :130,000円

◆くみくみさんの注目ポイント!

「こんなにある返礼品の中から何を選んでいいのかわからない!もう考えたくない」かたに、1年12ヵ月全て違う物が届く定期便はいかがでしょうか?定期便はいろいろあるけど毎回違う物が届くものは意外と少ないもの。日本海に面し東尋坊で有名な坂井市、実はコシヒカリのふるさと。こだわりのお米のほかにも高級メロン、若狭牛、日本海の干物なども間違いない美味しさ。申し込みの手間を省き、量より質で楽しみたい方におすすめです。私が一番気になるのは、提供する事業者さんがすごく痩せたビフォーアフター写真を載せていた1月の減肥茶。お正月太りにどうぞってこと?!

2020年、ふるさと納税ここが変わった!

 新型コロナ感染拡大が本格化したことで生活が一変した2020年。生活や働き方などにも大きな影響があった方が多いと思います。その影響はふるさと納税にまつわる状況にもさまざまな形で表れました。

1:ふるさと納税、コロナ禍でも大人気

  まず例年との違いを感じたのは3~4月のこと。「寄付が伸びている」とおっしゃる自治体担当者さんたちが多数いらっしゃって、内心驚いたことを覚えています。
 コロナの影響に怯え沈んだ雰囲気にもかかわらず、自粛ムードの中でも「ふるさと納税」を楽しむ気持ちになれるのか? コロナの影響で収入が下がる心配はないのか? など、正直、意外な情報でしたが、いろいろな情報を重ねてみると

1.ステイホームでふるさと納税に取り組む時間的余裕ができたこと
2.コロナ禍で苦しむ生産者を支援したい気持ちが芽生えたこと
3.外出を控えるために宅配感覚で野菜やお米などの食材を選ぶ人もいた

 など、寄付者の変化があったのも一因と思えます。

2:ふるさと納税が通販感覚へ。自治体の苦悩発生…

 一時期、どこへ行っても買えなかったトイレットペーパーやティッシュペーパー、マスクも「ふるさと納税ならあるのではないか」と紙類の返礼品に寄付が集まりましたが、結果、ふるさと納税特有の 「すぐには届かないことが多い」という事象が起こり、困った寄付者やクレーム対応に追われた自治体も多かったようです。
 本来であれば、お届け日は自治体任せで、いつ届くのかが分からないことも含めてワクワクするのがセオリーですが、そこでもコロナゆえの焦りや、例年と違う状況が発生していることが見て取れました。自治体の立場では、寄付は嬉しいけれど通販感覚でのクレームが続いたことは、心中、複雑だったことと思います。

3:「コロナ支援品」登場!

 そして今年ならではの特徴として、ふるさと納税の返礼品の中に「コロナ支援品」が登場したことです。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けている事業者・生産者に対し、寄付による支援をすることができる返礼品です。苦境に陥っている事業者・生産者を、寄付という形で直接支援することができるという手法は、ふるさと納税の根本に立ち返ることができる素晴らしい変化でした。

4:「#元気いただきますプロジェクト」参画!

 農林水産省の補助事業である「#元気いただきますプロジェクト」がふるさと納税にも活用されたことも大きな動きの一つです。これは、コロナの影響で、行き先を失った国産食材を食べて応援しようという生産者支援の補助事業です。楽天ふるさと納税では対象自治体数:212自治体、返礼品数:約1270点(2020/11/27 17:00現在)が参画し、寄付者の思いが直接、支援となって届けられています。

5:法改正後の新ルール定着

 2019年6月の法改正以降、「寄附金に占める返礼品割合が3割以下、地場産品のみとする」という、いわゆる“3割ルール”が徹底されました。つまりは、極端な量や寄付金額に合わない高額で目をひく返礼品で寄付を募るなど、ふるさと納税の目的に合わない手法を廃止し、高額競争などが過熱しないようにルールを定めました。2020年、自治体からの返礼品は、これらのルールにのっとったラインナップとなり、ルール定着化への姿勢が感じられました。

6:大阪泉佐野市、最高裁で逆転勝訴

 そしてもう1つ、大阪府泉佐野市の最高裁での逆転勝訴も今年注目された話題です。上記の3割ルール徹底の際、規制基準に合わない自治体を、ふるさと納税の対象から除外する、という決定に対して、泉佐野市が除外決定の取り消しを求め、「新制度の施行前は、返礼品の提供で特に法令上の規制は存在しなかった」という理由で、泉佐野市は逆転勝訴しました。ふるさと納税を継続していくためにも、ルール設定のあり方が改めて問われた裁判でした。

くみくみが感じた、ふるさと納税への期待

 ふるさと納税のコンサルタントとして、自治体側の方とお話をすることが非常に多いのですが、自治体の方はみな、寄付者の方の声をとても聴きたがっているのを強く感じます。どんな返礼品がうれしいのか、中身は、量は、パッケージは、送られてくる頻度は…? と、寄付者さんんの反応を聞いて、少しでも喜んでもらえる返礼品を用意しようとしている熱い思いを感じることが多々あります。

「#元気いただきますプロジェクト」についても、自治体側の意見を聞いてみましたが、「苦しむ事業者のためにはこの制度があって良いと思う。しかしこの支援がなくなった時、量やお得に慣れた寄付者の感覚が元に戻ってくれるか? お得な時に申し込んだ反動で、戻った時に止まってしまわないか心配」と不安がる声と、「入り口は量かもしれないが想定外に広告効果となり、その美味しさを知った寄付者は元に戻っても選んでもらえそう」と期待する声の両方が聞かれました。

 寄付してくださった心に、返礼品でせいいっぱい応えたい、という気持ちが非常に強く、そこには通常のビジネスでものを売買する以上の熱が生まれていることを感じます。

 人気返礼品が多く、寄付額や規模もトップクラスの自治体も、寄付が増える事を喜ぶ一方、万が一、ふるさと納税が何らかの事情で中断・廃止になるケースを常に想定しています。寄付額を増やす目的としてだけではなく、実際にその自治体を訪れてくれる交流人口や移住定住など、ふるさと納税を越えた販路拡大の手段としてとらえた方向に舵を切り、進み始めています。

 制度としては成熟しておらず、矛盾を多くはらんでいることも事実ですが、2020年のコロナ禍で、「助け合い」の一つの形として、存在意義や認知が進んだことが、大きな変化であり、今後の期待になった、と実感しています。ふるさと納税の寄付者であり、自治体サポート側でもある私にとって、この「ふるさと納税」が、今後も継続して、人と人をつなぐ一つの形として、守り、育てていきたいと願っています。