本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは104.30

下値メドは102.55

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

ポンドは泣きっ面に蜂

 週明け21日のマーケットでは、クリスマス休暇を前に、ドル売りポジションの利益確定が優勢となって、ドルが他通貨に対して買い戻されました。

 ドル/円は103.48円でオープン。東京時間の103.25円が安値で欧州時間には103.89円まで上昇。しかし勢いは長続きせず終値は103.31円。

 ポンドは下落。ブレグジット移行期間終了のタイムリミットが迫るなか英国とEUの貿易交渉は未だ決着がつかない。そのタイミングで感染力がこれまでより最大7割強いとされるコロナウイルス変異株が英国で見つかったというニュース。ロンドンは3度目のロックダウン(都市閉鎖)に追い込まれました。悪い材料が一時に重なりポンドは大幅下落しました。

 ユーロもポンドと共に下落。ウイルス変異株の発見を受けて、欧州各国は英国からの入国制限を緊急実施したものの、ウイルス変異株はすでにイタリアやデンマークなどに広がっています。新たに発見された変種ウイルスは1,000種近いといわれ、さらに変異を続けてワクチンから逃げ延びるおそれがあるといわれています。そうなれば「ワクチン配布による世界経済回復」というシナリオは最初から見直しです。

 一方、米議会の共和、民主両党の指導部は、過去2番目の規模となる、総額9,000億ドル(約93兆円)の追加経済対策案で大筋合意に達しました。

 この日は、世界的リスクオフ」によるドル買いと同時に、米経済回復期待を背にした「リスクオン」のドルが混在。ドル/円は一時104円台に接近しましたが、結局、始値よりも低い水準で終了しています。ポンド/円は先週の高値から3円以上売られて136.97円まで落ちた後、139.52円まで反発。

 変種ウイルスの登場は、来年の経済回復シナリオに影響を与えることになるでしょうが、まずはブレグジット交渉と米景気刺激策の成立がFX市場のトピック。この時期は、特に流動性にも注意。

 ポンド動向、ブレグジットの争点については、今日の注目通貨をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 

主要指標 終値 

出所:楽天証券作成

21日のドル/円のNY市場終値は103.31円

 前営業日の終値比▲0.01円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

今日の注目通貨

ポンド/円:レンジ予想:136.35円 から 142.45円

 ブレグジット通商交渉において、英国が漁業権で譲歩したというニュースが伝わり、ポンドが上昇しています。英国とEU(欧州連合)の通商交渉で、一番の課題となっているのは漁業権。この問題の根は深く、英国の漁業関係者は長年EUのCFP(共通漁業政策)に対して不満を持っているのです。英国をブレグジットに突き動かした大きな原動力のひとつでもあり、2016年の国民投票では漁業従事者の92%が離脱派でジョンソン首相にとっては大事な支持基盤。したがって漁業権で簡単に譲歩はできないのです。

 EU離脱をスローガンに掲げて首相になったジョンソン氏は、果たしてEUとの合意を望んでいるのか、という疑問もあります。合意はすなわち「政治的敗北」だからです。

 交渉に勝ったとして国民を納得させられないならば、ジョンソン首相にとっては、中途半端に妥協するよりは、むしろ決裂させてその責任を全てEUになすりつけてしまったほうがいい。しかし問題は英国経済へのダメージ。もしかすると、ブレグジット交渉を引き延ばし、英経済が立ち直ったと確信したところで、合意なき離脱をもくろんでいるのかもしれません。ウイルス変異株はブレグジット交渉にも影響することになります。


◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。