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 新型コロナの再拡大による巣ごもり消費を追い風に『ゲーム機市場』の活況が続いています。任天堂のゲームソフト「あつまれどうぶつの森」(「あつ森」)は巣ごもり生活の消費者の心をとらえ、これまで活況をけん引してきました。これに加えてソニーの次世代ゲーム機「プレイステーション(PS)5」とマイクロソフトの「Xbox」の新機種が11月に相次いで発売され、年末や新年商戦において『ゲーム機市場』の活況は続きそうです。

【ポイント1】『ゲーム機市場』は巣ごもり消費と新機種効果を追い風に好調

 新型コロナ感染の再拡大で忘年会や帰省、初詣などの自粛が予想されるなか、「巣ごもりの充実」に再び消費の軸足が移っています。年末年始の移動費用がかからない分だけ、家庭での消費を手厚くしようという世帯もありそうです。『ゲーム機市場』はこうした恩恵と11月に発売された新機種の相乗効果などにより活況が続くとみられています。

【ポイント2】ソニーの新機種は好調、任天堂の「あつ森」は記録的なヒット

 米マイクロソフトは11月10日に、ソニーは12日にそれぞれ通常版と廉価版の新型ゲームの2機種を発売しました。ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の国内販売の推計台数が11月末までに20万台を突破したとされ、現在も品薄状態が続いています。米マイクロソフトが発売した「Xbox」の新型機を大幅に上回っています。

 任天堂の「あつ森」は3月20日の発売以来、販売好調が続いており、約3カ月で国内累計販売500万本を突破しました。あらゆるゲームの記録を塗り替える勢いにあり、同社の歴代出荷本数1位の「スーパーマリオブラザーズ」(681万本)に届きそうな勢いです。人気の背景にはゲームの柱にコミュニケーションを据えた革新性と外出自粛で枯渇したコミュニケーション需要にフィットしたことがあります。

【今後の展開】中長期的にはクラウドの台頭への戦略が必要

 新型コロナの感染再拡大による在宅時間の増加やソニーとマイクロソフトの新型のゲーム機効果などから『ゲーム機市場』の活況は続きそうです。株価も12月14日時点で昨年末比ソニーは32.2%、任天堂は41.5%と大幅に上昇しています。ただ、グーグルなどが参入するクラウドゲームは現状、通信の遅延や通信料などの問題もあり、『ゲーム機市場』を脅かすほどではありませんが、将来的にはゲームの主流となるという見方もあります。中長期的には顧客基盤をさらに固め、クラウドゲームの台頭にそなえた取り組みが求められます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。