前日(10月12日)の市場概況
ドル/円:小動き、上値も重い
この日のドル/円は112円台前半で小動き。高値は東京時間朝の112.52円、安値はNY時間午後の112.12円でした。終値は112.285円(前日比-0.199円)。(チャート1)
10月に入ってからのドル/円は、先週6日の米雇用統計直後の113.43円が高値で、安値は翌火曜日10日のにつけた111.98円。米利上げや北朝鮮リスクというテーマも、新しい情報がなくレンジを抜け出せない状況。次の相場の材料を求めて、今夜の米国9月CPI(消費者物価指数)に注目が集まりそうです。
ポンド/ドル:EU離脱交渉に光明、急反発
ポンド/ドルは、ブレグジット交渉を巡って大きく上下しました。EU(欧州連合)側のバルニエ首席交渉官が、「離脱交渉は暗礁に乗り上げた」と語ったことで、ポンド/ドルは1.3121ドルへ下落。
しかしその後同氏が、「離脱までの2年間、英国のEU単一市場への残留を認める」との報道が伝わると急反発。一時10月4日の高値に並ぶ1.3290ドルまで値を戻しました。(チャート2)。この動きに連れてポンド/円も149.15円まで上昇。(チャート3)。
ただし、EU市場残留は、英国が離脱コストとして支払う金額に合意するという条件付き。英国議会内部の反発も予想されます。
ユーロ/ドル:失速
ユーロ/ドルは、1.1879ドルをピークに失速して、1.1826ドルまで下落しました。
ポンドに対して売られたことや、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁が現在のマイナス金利政策を支持する発言をしたことが、上値を抑えました。
本日(10月13日)の注目イベント
米国のインフレ指標に注目
今夜の米国9月CPIは注目です。なぜなら、今週11日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録に、「インフレの上昇が確認できるまで、利上げを見送るべき」との記述があったからです。
それまで、8割以上の確率で12月に利上げすると読んでいたマーケットですが、「インフレ指標を詳しく見る必要がある」という指摘があったため、今日の指標次第で利上げが延期されるかもしれないと、考えがかわってきています。
9月のCPI(消費者物価指数)は、市場予想によると、前月比0.6%(前回0.4%)、前年同月比2.3%(前回1.9%)。またコア指数は0.2%(前回0.2%)ですので、一段の回復が見込まれています。
ただし、ハリケーンの影響でガソリン価格が上がったことが大きな要因なので、トレンドとして定着するかどうかはわかりません。ガソリンの小売価格はすでに下がり始めているとの報告もあります。また、9月の小売売上高は、-0.2%から1.7%に大きく上昇する予想。
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