コロナ禍でも最高値圏で推移しているS&P500指数!
直近3カ月間のS&P500指数の推移(11月30日まで)
11月度は、医療品大手ファイザーが独バイオ医薬大手バイオエヌテックと共同開発した新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の途中経過が公表された他、トランプ米大統領がバイデン氏への政権移行の手続きを開始したことが市場で好感され、米国株市場は最高値を更新しました。
11月に個人投資家が買った銘柄は⁉
2020年11月 米国株式買付者数ランキング
順位 | ティッカー | 前月順位 | 銘柄名 | 関連するテーマ |
---|---|---|---|---|
1 | GDRX | 26 | グッド・アール・エックス | ソフトウェア・サービス、ヘルスケア |
2 | AAPL | 1 | アップル | スマートフォン、ウェアラブル、クラウド |
3 | TSLA | 6 | テスラ | 電気自動車 |
4 | PFE | 30 | ファイザー | ワクチン、医薬品 |
5 | ZM | 7 | ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ | テレワーク |
6 | SPYD | 2 | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF | ETF、高配当株式 |
7 | NIO | 21 | ニオ | 電気自動車 |
8 | VOO | 8 | バンガード・S&P 500 ETF | ETF、S&P500 |
9 | QQQ | 9 | インベスコQQQ 信託シリーズ1 | ナスダック100 |
10 | VYM | 5 | バンガード・米国高配当株式ETF | ETF、高配当株式 |
注:楽天証券内買付者数ベース 期間:2020年11月1日~11月30日、国内約定日ベース。 |
11月の当社内米国株式の取引において、最も買付者数の多かった銘柄は、処方薬の価格比較アプリを運営するグッド・アール・エックス・ホールディングス(GDRX)となりました。前月に買付者ランキング26位だったグッドアールエックス・ホールディングスは、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が処方薬のネット販売を開始するニュースを受け、11月17日に22.5%安と急落しました。しかし、コロナ禍で医薬品の価格が高いレベルで推移し、価格比較サービスへの需要は根強いと考えられることから、グッドアールエックスの株価は割安とみられ、買い進まれました。
11月9日に新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の途中経過を公表したファイザーも30位から大きく順位を上げ、4位となりました。その他、米大統領選挙で当選したバイデン氏のクリーンエネルギーとインフラへ投資計画の影響により電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)とニオ(NIO)の順位が大きくあがり、引き続き多くの投資家から高い注目を集めています。
2020年11月米国株式買付者数ランキング上位分析
グッドアールエックス(GDRX)
11月17日にアマゾン・ドット・コムが処方薬をオンラインで購入できる新サービス「アマゾン・ファーマシー(Amazon Pharmacy)」を開始すると発表し、同サービスを提供するグッドアールエックスやウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)の株価が下落しました。しかし、グッドアールエックスが11月12日に発表した2020年第3四半期の決算では、売上高が1.48億ドル(前年同期比+38%)、EPS(1株当たり利益)が0.09ドル(ブルームバーグコンセンサスは0.08ドル)であったことから株価が割安と見られ、買い戻しの動きが高まりました。また、提携薬局数においてはグッドアールエックスが7万店に対して、アマゾン・ファーマシーは5万店ということも投資家の不安を和らげ、売りの圧力が弱まりました。
テスラ(TSLA)
11月のテスラの株価は46.1%上昇しました。12月21日よりS&P500指数に採用されることや2020年の販売台数が50万台に達する見通しが市場で好感され、11月の後半からテスラ株への需要が急激に高まりました。
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)
11月に複数の医薬品メーカーが新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の途中経過を公表したことやFDA(米食品医薬品局)によるワクチン承認が近づいているとの報道があり、オンライン会議サービス「ズーム」を提供するズーム・ビデオ・コミュニケーションズにとって悪材料となりました。ただ、11月末にかけて世界各地で新型コロナウイルスの感染者数が増加したことにより、同サービスへの需要が続くと判断され、買い戻しの動きが出ていました。
ニオ(NIO)
11月17日に2020年第3四半期決算を公表。売上高、EPSともに市場予想を上回り、株価が前月比で+65.2%高と大きく上昇しました。また、第3四半期では1万2,206台(前期比+18.1%)を販売したことや第4四半期の販売台数の見通しは1万6,500から1万7,000台となっていることが株価を押し上げている要因といえます。さらに、2021年後半より中国本土だけでなく欧州でも販売の準備を進めていると公表しており、今後の注目ポイントになりそうです。
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