先週の国内株市場ですが、週末3月17日(金)の日経平均終値は19,521円となりました。週初の3月13日(月)が19,545円で取引をスタートしていましたので、週を通じてほぼ横ばいの推移だったと言えます。

(図1)日経平均(日足)の動き(2017年3月17日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

あらためて、足元の状況を上の図1の日足チャートで確認してみます。

まずはローソク足の並びですが、前週の窓空け上昇以降は陽線が増えています。上昇前は陰線の多さが目立っていましたので、見た目の印象では大分ムードが良くなってきています。下値も順調に切り上がっているほか、25日移動平均線より上での値動きもキープしています。

先週は、米国のFOMCをはじめ、日銀金融政策決定会合、オランダ議会選挙や中国全人代の閉幕など、数多くの注目イベントが控えていたのですが、日経平均の値動きを見ると、比較的無難にイベントを通過したことが窺えます。

だからといって、「相場が上方向への意識を強めている」と言い切れないもどかしさもあります。先週の高値は13日(月)の19,656円ですが、取引時間中の年初来高値(3月2日の19,668円)を更新できず、引続き19,600円台からの上値が重たいままです。また、前回は「日経平均はポンと上昇した後にダラダラ下げる傾向がある」と述べましたが、先週は確かに陽線は増えているものの、週足ベースでは5週ぶりの下落に転じており、結果的にダラダラ下げています。

さらに、16日(木)~17日(金)のローソク足の組み合わせが、いわゆる「はらみ足」になっていて、17日の値動きが前日の16日の値動きの範囲内に収まっている格好です。つまり、前日の高値と安値の両方とも抜くことができず、値動きのエネルギーが乏しくなっていると言えます。ですので、今週はどちらかというと、下方向への意識に警戒が必要になるかもしれません。

その一方で、これまで好調とされてきたのが、マザーズやJASDAQといった、いわゆる新興株市場です。特に日経JASDAQ平均は直近まで21連騰という記録的な上昇を見せていました(下の図2)。

(図2)日経JASDAQ平均(日足)チャート(2017年3月17日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

さすがに連騰の反動からか、先週の日経JASDAQ平均はやや軟調な推移となりました。ひとまずの利益確定売りの動きと思われますが、ここで日経JASDAQ平均の水準や過熱感を整理してみたいと思います。

(図3)日経平均と日経JASDAQ平均の指数比較チャート(週足)(2017年11月時点を100)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図3は、アベノミクス相場が始まったとされる2012年11月時点を100とした、日経平均と日経JASDAQ平均の値動きを比較したチャートです。

日経平均は2015年の夏場に約2.3倍まで上昇したのがこれまでのピークになりますが、日経JASDAQ平均のピークも約2.3倍弱で、こちらは最近の上昇局面でもたらされたことが分かります。確かに、最近の日経JASDAQ平均の上昇ピッチは過熱気味だったと言えますが、中期的にどこまで上昇してきたかという株価水準で見た場合、日経平均とあまり遜色ないことが分かります。

4月あたまには日銀短観が公表されるほか、下旬からは決算発表シーズンが本格化するなど、国内企業業績が注目されやすい時期になります。足元は新興株市場が優位にありますが、再び主力株市場へのシフトに転じる可能性があり、主力株優位のシナリオを意識しておくと良いかもしれません。