本日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは104.91

下値メドは103.63

今朝の天気マークは「くもり」

※天気の判定基準は記事末尾にあります

12月のユーロ/円は、上がりますか?それとも下がりますか?

 楽天証券が個人投資家の方を対象に実施した相場見通しアンケートによると、全体の36%が、12月のユーロ/円は「ユーロ安」に動くと予想していました。「ユーロ高」に動くという予想はわずか16%。半数近い48%は「121円から125.70円」のレンジ相場を支持していました。

 では、実際のマーケットはどうなっているかというと、大方の期待を裏切りユーロ/円は上昇、この日(10日)は126円台後半まで上値を伸ばしています。

 ECB(欧州中央銀行)はこの日、2020年最後の会合を開きました。政策金利は現行の0.00%に据え置きましたが、新型コロナ対策であるPEPP(パンデミック緊急資産購入プログラム)の規模を5,000億ユーロ増額し、期間を2022年3月まで延長することを決定。ECBは緩和政策を強化したのですが、ある程度予想されていたため、ECBが期待していたようにユーロ高を抑えることはできませんでした。ECB後のユーロ/ドルは1.2159ドル、ユーロ/円は126.74円まで上昇。

 ユーロが今年、ユーロ高へと大きなトレンド転換を果たしたのは、ドイツとフランスが主導して設立に漕ぎつけたEU(欧州連合)の欧州復興基金の役割が大きいといわれています。欧州復興基金は、単一通貨(ユーロ)から欧州の財政統合へ進むための重要なステップであり、単なるコロナ景気対策以上の意義があります。

 なぜユーロは買いか? 今日の注目通貨をご覧ください!

主要指標 終値 

出所:楽天証券作成

10日のドル/円のNY市場終値は104.22円

 前営業日の終値比▲0.01円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。

[動画で解説]ドル安の動き強まる。12月のドル/円はどこまで下がる?もあわせてご覧ください。

今日の注目通貨

ユーロ/円

 なぜユーロは買われるのか?欧州復興基金の設立によって、ギリシャやスペインなど周辺国の破綻リスクが格段に低くなり、欧州に対してより安心して投資できる状況になったことがあります。欧州経済は、米国経済に比べて出遅れていた分だけポテンシャルがある、ということで今年の夏にはユーロブームが起きました。新型コロナ感染の再拡大で一度は勢いが止まったのですが、 ワクチン配布にメドが立ちそうなことで、今年2度目のユーロブームが起きているのです。

 しかし、明るい材料ばかりではありません。ヨーロッパでは、パリやロンドンなどの主要都市が次々とロックダウンに追い込まれています。ドイツのメルケル首相は、リゾートスキー場の閉鎖、レストランやホテルの営業停止や5人以上の集会禁止を禁止。さらに12月24日のクリスマスイブから来年1月10日までの移動制限を検討しています。中央銀行(ECB)がいくら緩和政策を打ち出したところで、制限された経済を刺激することはできない。金利をいくら下げても、「前向きの資金需要」は発生しません。

 英国では、Go To Eatのキャンペーンで感染者が激増してしまったことをジョンソン首相が認めています。いずれにしても、時短営業などを要請しながらのGo To的景気対策の効果が低いことは明らかです。昨日の英国が明日の日本にならないことを願っています。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成


[動画で解説]ドル安の動き強まる。12月のドル/円はどこまで下がる?もあわせてご覧ください。 


◎天気の判定基準とは?

天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。

・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。

・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。

・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。

※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。