持ち株の株価が10倍になったこと、ありますか?

 皆さんは、買った株の株価が10倍になったことはありますか? 株価が10倍になる銘柄のことをテンバガーと言います。中には、株価が100倍になるハンドレッドバガーもあります。

 株価10倍、と聞くと、「そんなの無理!」と思われるかもしれません。でも、実際には株価が10倍以上になった銘柄はゴロゴロしています。

 例えば、以下のような銘柄は全てテンバガーです。

日本M&Aセンター(2127)
エムスリー(2413)
ベネフィット・ワン(2412)
MonotaRO(3064)
神戸物産(3038)

テンバガーに最も近いのは「◯◯株」!

 まずは、テンバガーは意外と身近に存在していることを知っていただきたいと思います。その上で、テンバガーを目指す場合にどうすればいいか、考えていきましょう。

 ところで、先ほどのすでにテンバガーとなっている銘柄の共通点、お分かりですか? それは全て「成長株」であること。成長株とは、毎年、売り上げも利益も伸びている会社の株のことです。

 株価は長期的に見れば業績に連動します。そうであれば、利益があまり増えていない会社よりも、利益が年々増加している会社の方が企業価値は高まり、株価も上昇しやすいのです。

 成長株以外の株の場合、例えば割安株では企業価値に比べれば、株価は確かに安いかもしれませんが、利益の大きな増加を見込みにくく、株価が10倍になる、ということはなかなか考えにくいのです。

時価総額が小さい方がテンバガーになりやすい

 もう一つ、テンバガーになりやすい銘柄の特徴として、「時価総額が小さい」点が挙げられます。要は、企業の規模がまだ小さい会社の方が、売り上げも利益も小さいので、それが大きく伸びる余地があるということです。

 時価総額とは、「株価×発行済み株式総数」で表され、いわばその会社の規模を表すものです。

 例えば、すでに時価総額1兆円の会社がテンバガーを達成するには、「1兆円×10倍=10兆円」の時価総額になる必要があります。でも、10兆円の時価総額の会社など、数えるほどしかありません。1兆円の会社が10兆円になるには、すでに現時点でもかなり大きい売り上げや利益を、さらに大幅に増加させる必要があります。絶対に無理とは言いませんが、なかなかハードルが高いのです。

 一方、時価総額100億円の会社であれば、テンバガーになってもなお、時価総額は1,000億円にとどまります。1,000億円といえば、まだまだ企業規模でいえば小型株の範ちゅうです。

 このように時価総額1兆円の会社が10兆円になることと、100億円の会社が1,000億円になることを比べれば、圧倒的に後者の方が可能性は高いのです。

発射台は低い方がいいが…

 2020年2~3月のコロナ・ショックのとき、ほぼ全ての銘柄が大きく下落しました。しかし、その後の反発で、特に成長株は大きく株価が上昇しました。底値から3倍、5倍になった銘柄も少なくありません。もし、底値から5倍になった株を、底値付近で買うことができていれば、株価があと2倍になればテンバガー達成です。でも、その株を今から買うとすると、今の株価から10倍、底値から見れば50倍にならないとテンバガーになりません。

 このように、テンバガーを目指すのであれば、買値、つまり発射台は低い方が、その実現可能性は高まります。

 ただ、コロナ・ショックのような急落を待っていても、逆に株価の上昇が止まらず、「買い時」を逃してしまうかもしれません。

 ですから、株価が上昇基調のときであっても、今後業績が伸びる可能性が高いと思うものは買っておくべきでしょう。

 そして、今後株価が急落して成長株も一緒に大きく売られたときは、その後の反発の初期段階でしっかりと買えるよう心の準備をしておくとともに、買う候補の銘柄をリストアップしておけば、「夢のテンバガー」を実現できるかもしれません。