2021年、優待株投資はズバリここに注目!

 1年前の今ごろ、まさか2020年がこんな年になるとは誰も思ってもみませんでした。生活様式や価値観が一変した2020年を経験して、来る2021年の優待株投資はどうなるのか、どんなことが起こりそうか、ちょっと予測してみました。

 当たるも八卦(はっけ)当たらぬも八卦。さて、予測通りにいきますかどうか……。

2021年はこうなる! 10大予測
1 まさかの会社に優待内容の変更が出る
2 優待期限の変更がなされる
3 IPOで優待の新設が増える
4 デジタル化が進み、優待が使いやすく
5 TOB、 M&Aが増える
6 人気優待銘柄の改悪が市場に悪影響を及ぼす
7 政策との相乗効果で優待がもっとお得に
8 東京五輪開催で関連の優待株に注視が必要
9 優待株の暴落に備える必要
10 株主総会が大きく変わる

1:優待内容の変更が出る

 優待投資で2021年に一番考えられるのは、優待変更、それも改悪だと思っています。コロナ禍での四半期の業績発表も終わり、コロナの影響が具体的にいつまで、どのくらいあるのかが分かってきました。特に人気の優待ジャンル、「外食」や「レジャー関連」はマイナスの影響が大きく、財務強化の観点からも優待の見直しは必須だと思っています。既に2020年は、すかいらーくの優待額減少やトラスコ中山の優待廃止など、「まさか」の会社が優待改悪し、痛い目にあった方も多いかと思います。2021年もその流れは変わらず、無配で優待が手厚い会社や、年に2回優待を出している会社、廃止しやすいクオカードやプレミアム優待倶楽部などの優待を出している会社は、少し注意をして見守った方が良いかと思います。

2:優待期限の変更がなされる

 優待を出している会社は、それを機会にお店に足を運んでほしいと思っています。特に外食関係は少しでもお店に人が来て、活気を取り戻したいと思っているはず。ですが、自粛要請や時短営業でなかなか足を運べず、有効期限が切れそうでドキドキしたことも。

 2020年も有効期限が延長された優待は多くありましたが、2021年も企業のご厚意で有効期限の延長があるのではと思っています。マメに開示情報やウェブサイトをチェックするのが良いですね。

3:IPOで優待の新設が増える

 優待廃止や改悪をする企業も多いと思いますが、逆に優待を新設する企業も多いと思っています。コロナ禍でIPO(新規公開株)の延期が相次ぎましたが、2020年12月の新規上場は26社と活況で、2021年も新規上場は多いと思います。新しい会社が増えたら、新しく優待を導入する企業もあると思いますので、期待を込めて楽しみに待っています。この状況下で優待を新設する企業なら、よほどの覚悟があると思うので、廃止や改悪のリスクも少ないと見ています。

4:デジタル化が進み、優待が使いやすく

 コロナ禍でお金のやり取りも現金からカード払いや〇〇ペイなど、非接触型に移行しました。優待も「券」からデジタルに、ECサイトでも使えるものになりそうです。外食各社もリアル店舗、テイクアウト、デリバリーと販売チャネルを増やしている中、通信販売も新たな収益源と考えていると思います。今まで優待券はリアル店舗での飲食しか使えなかった企業も、テイクアウトやデリバリー、通販サイトと、優待券の使い道も増え、使いやすくなるのではと思っています。

5:TOB、 M&Aが増える

 2020年はパルコや、よみうりランドなど優待人気の企業のTOB(株式公開買付け)が多く、上場廃止に伴い優待廃止になった企業も多かったです。2021年も狙っている、狙われている企業は多く、またM&A(企業の合併・買収)で株価が急騰、急落することもあると思います。自分が保有している銘柄の大株主はどこなのか、「もしかしたら?」を頭に入れておくのも備えになるかと思います。優待廃止になっても、TOB価格が高ければ、それはそれでうれしいのですけどね。

6:人気優待銘柄の改悪が市場に悪影響を及ぼす

「優待といえば」の人気銘柄、日本マクドナルドHDや吉野家HD、コロワイドやイオンなど、個人株主に人気の優待銘柄の動向も注視しています。特に国内景気の動向に左右されがちの銘柄は、もし優待改悪などがあれば、「ああ、やっぱり」と優待市場に与える影響はかなり高く、落胆も大きいと思います。株価も優待を加味しているので、企業側もおいそれと改悪などはしないと思いますが、何か起きたときのインパクトは大きいと思います。

7:政策との相乗効果で優待がもっとお得に

 景気刺激策として政府が力を入れている、「Go To」キャンペーン。Go Toイートは外食の優待券も使えよりお得に使えますし、Go Toトラベルも旅行サイトでの予約に優待が使えるなど、工夫次第で優待と併用し、よりお得に使えそうです。地方にしか店舗がないお店にGo Toを使って食べにいったり、ほとんどのお店がそろう東京に来たり。期間延長もあるようなので、憧れの優待を使う目的で、Go Toを利用するのも楽しいかなと思います。

8:東京五輪開催で関連銘柄に注視が必要

 いま現在、無事に開催されるかどうか分かりませんが、行動規制や規模の縮小など「いつもの五輪」とは異なるものの、何としても開催されるのではと思っています。開催決定、開催延期、開催見送りと各シナリオでどんな銘柄が動くのか、準備しておくのも良いかと思います。五輪関連銘柄で買われていた企業も一時的に急落はしたものの、現在は落ちつき、コロナ暴落前より上昇している銘柄もあります。想像力を働かせて、「こうなると、こうなる」など自分で考えるのも楽しいですよ。

9:優待株の暴落に備える必要

 言われ続けていますが、ジャブジャブの余剰資金が株式市場に流れ、実態なく株価が上昇し、過熱感は否めません。このまま上がり続けてくれると良いのですが、そううまくはいかないのが株式市場。米国も2021年年明けには新大統領に代わり、政策も環境などが重視され大きく変わると思います。2021年は、いつ、何が起こるか分からないドキドキの相場と思っているので、常に備えを!

10:株主総会が大きく変わる

 最後は優待とは異なりますが、大きく変わると思われる「株主総会」について。11月に政府の発表もありましたが、2021年の株主総会はリアル会場なしで、ネットのみの開催も許可されそうです。今までは総会運営や会場の雰囲気など、空気感を肌で感じることで会社の良し悪しを判断できましたが、画面越しとなるとなかなか難しそうです。展示会や懇親会、おみやげも廃止となり、会社が遠くなってしまった気もします。企業が個人株主をどのように思っているのか、どのように対話を続けていくのか、非常に興味があります。

2021年も優待を楽しむことには変化なし

 株主優待投資の観点から2021年に起こるかもしれないことをいくつか挙げてみました。

「新しい生活様式」の中で優待をどのように活用し、どのように楽しむか。変わったこともありますが、「優待を楽しむ」ことは変わらないので、2021年も「楽しい優待生活」を続けていきたいですね。2021年は「トウシル」の記事などを活用し、今まで以上に情報アンテナを張って、正確な情報をゲットすることが必須になりそうです。

 来る2021年が皆さまにとって、良い年でありますように! よい投資環境でありますように!